B2Bマーケティングにおける、デジタルの活用方法:前編

B2Bはオンラインで完結しない

B2Bは、法人の中の複数の個人に対するマーケティング活動になり、「契約」を交わして初めてビジネス成立となるため、確かに「オンラインだけ」で完結しないのは事実です。また、ビジネスを成立させるためにオフラインの活動が不可欠なのに対して、オンラインが「必要不可欠か?」と言われれば、答えはNOですが、注意すべきはオフラインとオンラインの活動を掛け合わせることで営業効率が上がるということです。

 

日本における”ナーチャリング”の考えかた

米国ではもうすでに盛んで、日本でも注目され始めているデジタルでのリードナーチャリングですが、私の理解およびこれまでの経験では、「日本ではデジタルだけではナーチャリングできない」というのが率直な意見です。

しかし、弊社では日本でも米国で言う”ナーチャリング”と似たようなことをデジタルを活用して行っております。

その目的は:

①リードの興味を知る

②リードの興味度合/検討レベルを測る

③継続的なコミュニケーションを図る

 

の3つを実現することで、その後の営業活動を効率的に行うためです。

そこで、目新しいモノは少ないかもしれませんが、弊社がデジタルテクノロジーを活用して実施しているいくつかの方法ご紹介させていただきます。

 

展示会で集めた数千枚の名刺、どうやって興味を判別しますか?

展示会などに出展し、ブースでお話をさせていただけた方のご興味は対応者のメモをデジタル化することで、その後のナーチャリングに活かせますが、問題は、ブースでお話させていただける方というのは展示会で獲得する名刺情報のほんの一部であるということです。弊社の実績でいいますと、全体の10%~15%しか展示会終了直後は来場者の興味を把握できていません。「所詮ノベルティーと引き換えにもらった名刺」なのですが、弊社の実績として、「オンライン」で獲得したリードよりも「オフライン」で獲得したリードの方が、案件化率が3-4倍以上違うという実績があります。みなさま「時間を割いている」ので、検討度合いが高いのは当然のことですが、それゆえ、的確にフォローしたいとことです。

ただ、1000人2000人に対して、「何を探しに展示会にいらしてましたか?」と電話で聞くのは現実できてはないので、弊社では、展示会後に一定期間、様々なテーマでメールをお送りさせていただいております。

 

それにより:

①どんなタイトルのメールを開いたか

②どのリンクをクリックしたか、その後、どのページを見たか

③どの資料をダウンロードしたか

 

などのデータを収集し、その後のナーチャリングおよび営業活動に活かしております。弊社では、この情報を収集することで、興味が不明だったリードのうち30%~40%は興味を特定し、その後のアプローチに活かすことができています。

 

やっぱり効果がある行動ターゲティング

マーケティング活動において、「正しい相手」に「正しいメッセージ」を伝えるということは非常に重要で、それが「ターゲティング」です。B2Bでは、その切り口は企業規模であったり、業種であったり、または、メール受信者の職種や役職だったり、さまざまです。

弊社はデジタルマーケティングのソリューションを提供しておりますが、「企業のデジタルへの注力度合」というのはなかなか世の中に出ている情報では測れない、というのが正直なところです。また、米国本社では職種をベースに「ペルソナ」を作り上げたナーチャリングを実施しているのですが、そもそもの話として「米国で言うその職種は、日本だとなんなのか?」というマッピングができません。例えば、「分析担当者」を代表する日本の役職はなんなのか、「ソーシャル」は日本だと、どの職種の方が担当しているのか。

そこで弊社が日本で実践しているのが「行動ターゲティング」です。

ECサイトなどではまったく目新しい技術ではないですが、B2Bではその複雑さ、およびそれ実現するためのコストが懸念されてか、それほど盛んではないような印象を受けております。ただ、お伝えしたいことは、「単純な行動ターゲティング」だけでも、効果は格段に上がる、ということです。

 

例えば:

①ホワイトペーパーなどの資料をグルーピングして

②グループAの資料を閲覧した方には、同グループの資料を、同グループを象徴するようなメールタイトルで送る

 

これだけのことで、メールの開封率は一斉配信メールの3倍、また、クリック数は6~7倍効果が上がります。

 

B2Bにおけるデジタルマーケティング

今回は弊社がマーケティング活動において「リードの興味を知る」ために実践している方法のうちの2つをご紹介させていただきました。今後もまた何回かに分けて弊社で実践している施策をご紹介いたします。

 


筆者:永井 大智 アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャー

アドビ システムズ 株式会社にてAdobe Marketing Cloudに関わるキャンペーンの設計およびナーチャリングを含むデマンドジェネレーションを担当。

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