Adobe Analytics Attribution IQのリリース

広告の間接効果をより詳細に評価し、その貢献度に応じて評価を行っていくアトリビューション評価については、日本では2013年ごろに一度大きく盛り上がりました。しかし、その頃はまだデータを抽出し、アトリビューションの計算をするといったことになっていたため、効率性の面もあり1つの企業で継続的に実施をしていくケースはあまり多くなかったと記憶しています。

ここ数年はその反動なのからなのか、改めてCPA(Cost Per Click)に重点が置かれ、結果としてラストクリックのみを評価する形が強くなっている傾向があります。しかし、現実のカスタマージャーニーを考えた場合、複数回、違うチャネルで訪問するといったことは当たり前のように起きていることなのです。

Attribution IQの6つの特徴

Adobe Analyticsでは、2018年7月20日にワークスペース機能の1つとしてAttribution IQ機能をリリースしました(※1)。この機能においてはAdobe Senseiのテクノロジーも活用し、アトリビューションの計測を簡単に確認できるようになっています。下記はいくつかのポイントです。

アトリビューション分析 アドビ アナリティクス

1:広告以外のチャネルも評価

これまでアトリビューションの評価を行う場合、その歴史もありどうしても広告のみを評価してしまうことが多くありました。そのため、実際には自然流入やメールからの流入といったものがあったとしてもそれを貢献しているとは評価せず、結果として正確な評価ができていないケースがありました。

Attribtuion IQにおいてはAnalyticsで計測設定しているチャネルへの評価が可能なため、より正確なアトリビューションの評価を行うことが可能です。

2:様々なデータでのアトリビューション評価

とはいえ広告のみの評価を実施したいこともあれば、少しことなったコンテンツの視点で評価を行いたいなど目的や立場に応じてアトリビューションの評価の項目を変更したいというニーズもあります。

Attribution IQではAdobe Analyticsで取得しているほぼ全てディメンションデータ(propやeVarなど ※2)を対象にアトリビューション結果を表示することが可能です。これによりコンテンツのアトリビューション評価を始め、独自で取得されている様々なデータをもとにアトリビューション評価を行うことが可能になります。

3:セグメントとの掛け合わせ

過去実施されていたアトリビューション評価の場合、サイト全体での評価を行うことがほとんどでした。しかし実際にはセグメントによりその傾向が異なります。Attribution IQでは、Adobe Analyticsで無制限に作成が可能なセグメント機能を利用し、様々なセグメント条件で評価を行っていくことが可能です

例えば

  • 会員と非会員のアトリビューション状況の比較
  • 特定のプロモーションに絞ったアトリビューション状況の把握
  • 新規顧客の獲得のみに絞ったアトリビューションの把握

などが実施可能です。

Adobe Audience Managerを利用されている場合は、先日日本でもリリースを実施したマーケットプレイス機能を利用することで、2nd Party/3rd Partyデータと活用したセグメントの分析も可能です。

4:10のプリセットモデルの活用

アトリビューションの計算は複数のモデルが存在しています。これらは商材やアプローチ方法によっても、どれを基準に利用するかは異なります。また、これらを比較することで傾向が掴みやすくなります。Attribution IQでは、10個のプリセットモデルを用意し、これらのモデル通しの結果を簡単に比較することが可能となっています。

5:多彩なビジュアライズ

数値だけでは見つけられない変化もあります。特にアトリビューションの場合は、モデルごとの結果は数値としての比較となることが多く、そのままだと全体像が把握しにくくなってしまいます。

Attribution IQでは、ワークスペース機能で提供している様々なビジュアライズを活用し、チャネルごとの重複やアトリビューションのトレンド比較、パスなども視覚的にも簡単に確認することが可能になっています。

アナリティクスビジュアライズ

6:指標としての活用

今回、アトリビューションの結果としてレポートに表示されるデータは、通常の指標としても利用することが可能です。これにより計算指標への組み込み、異常値検知、インテリジェントアラートなどでの利用も可能です。特に、インテリジェントアラートを活用して頂くことで、特定のチャネルで傾向に変化があった場合なども検知しやすくなり、次のアクションをとって頂きやすくなります。

~~~~

消費者とのコミュニケーションはより多様化してきています。それに併せて、コミュニケーションパスも多様化しました。Attribution IQはこれまで高度なデータ分析となってしまっていたアトリビューション分析を、Adobe Senseiのテクノロジーを活用し、より誰でも簡単に分析できるようになりました。ぜひ、ご活用頂ければと思います。

※1:Attribution IQはFoundation, Select, Prime and Ultimateのご提供となっています。
※2:List PropやList Evarなどいくつかの指標は対象外となります。詳細はヘルプをご確認ください。

プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタント
2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、システムエンジニアとして予解約システムの開発、予約フロー設計に携わったのち、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛けた。その後は、同社内のマーケティング戦略立案支援やウェブ解析の導入や活用促進に携わった。オムニチュアへは2008年に入社。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。2009年アドビシステムズによる買収にともない現職。また、業界専門媒体などで積極的に執筆活動も展開している。学習院大学法学部卒。

Comments are closed.