Adobe Digital Index:ニューヨークとロサンゼルスがクリエイティビティを競う

※以下の文章は米国時間 2015年9月1日に米国で公開されたブログの抄訳版です。

アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 佐分利 ユージン 以下 アドビ)は、Adobe Digital Index「ニューヨークとロサンゼルスがクリエイティビティを競う」を公開しました。

ニューヨークとロサンゼルスは、いずれも海岸沿いに位置し、長年にわたってライバル関係にあります。最近、ニューヨークタイムズの記事でブルックリンのクリエイターたちが西へ移動したことを取り上げたように、両都市のライバル争いはさらに激化する気配を見せています。アドビはこの変化を極めて興味深く感じており、今回のAdobe Digital Indexではこの2つの都市がデザイン、フォトグラフィ、ファッションなどの分野でどのようにクリエイティブの最先端を目指しているのかを探ることにしました。この2都市のイノベーションを結び付けたり、引き離しているものは何か?2つの地域をそれぞれ代表する分野は何か?ニューヨークとロサンゼルスで最もクリエイティブな場所はどこか、またそれぞれ何によってその地位を獲得したのか?次にクリエイティブ分野に破壊的変革をもたらすのは誰か?などのテーマに沿った調査を行った結果、いくつかの驚くべき事実が明らかになりました。

東海岸、西海岸それぞれが持つ固有のデザインテイストやトレンドを具体化するため、Adobe Hue CCを使って画像を加工しました。それぞれの地域の色や彩度をキャプチャし、東海岸に西海岸のカラーを、西海岸に東海岸のカラーを適用しています。

 

ニューヨークスタイル
モバイルでの制作において進んでいるのは、ロサンゼルスとニューヨークのどちらでしょうか?今回の調査で、モバイル環境での制作活動に関してはニューヨークの方がより進んでおり、Behanceネットワーク上のモバイルによる制作量はニューヨークがロサンゼルスの2倍に達していることが明らかになりました。

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クリエイティブ分野におけるキャリアに関しては、ロサンゼルスでは過去5年間にわたり「Webデザイン」と「クリエイティブディレクション」が最も注目されているのに対し、ニューヨークでは「印刷物デザイン」と「タイポグラフィ」がトップでした。このことは両都市におけるクリエイティブ関連の仕事にも影響を与えており、Behanceで業界トレンドを分析したところ、ロサンゼルスのクリエイターはユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンスに関連した仕事の機会を求めているのに対し、ニューヨークのデザイナーはフォントに関連した新たな試みに関わる機会が多いことが判明しました。

Los Angeles Sunset Cityscape, Griffin Observatory
Before:  かすみがかったロサンゼルスのグリフィス天文台

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Adobe Hue CCでブルックリンのブッシュウィックのアートから.鮮やかな色彩と宝石のような色調をキャプチャ

Los Angeles Sunset Cityscape, Griffin Observatory
After: ニューヨークのグラフィティアーティストによる鮮やかな色彩を用いて、ロサンゼルスのグリフィス天文台のイメージを塗り替えました。中間色のグリーンなど、ストリートアートから得たさまざまな色がロサンゼルスの空を彩りました。

 

次に注目すべきクリエイティブな地域

ニューヨークとロサンゼルスに関してさらに踏み込んだ調査を行い、それぞれの都市の中で、どの地域がクリエイティブ業界をリードしているかを探りました。その結果、ブルックリンとロングビーチがそれぞれ近隣の地域を上回る実績を上げているだけでなく、それぞれの地域の都心部も超えていることが明らかになりました。

具体的には、東海岸ではブルックリンが「ブランディング」と「タイポグラフィ」においてニューヨーク都市圏を上回る結果となっており、描画分野におけるプロジェクト件数の増加率はニューヨーク都市圏を15%上回りました。「カリグラフィ」の増加と「ハンドレタリング」の急成長がここ数年のブルックリンの特徴となっており、このトレンドは今後も引き続きニューヨーク全体に影響を及ぼすと予想されます。

西海岸では、カリグラフィの分野でロングビーチがロサンゼルスより1人あたり平均6%上回る結果となりました。また特にロサンゼルス広域圏と比較して、ロングビーチでは水彩と印刷ベースのプロジェクトが増加していることも判明しました。

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マイアミからのクリエイティブな熱気

ニューヨークとロサンゼルスはクリエイティブの最先端であり続けてきましたが、次に注目すべき都市はどこでしょうか?これら2都市のライバルとなり得る、クリエイティブな活動はどこで育まれているでしょうか?調査の結果、マイアミが浮かび上がってきました。

過去5か月を調査したところ、Behanceではマイアミがファッション関連のプロジェクトに関わる人々のあいだで最も大きな人気を集め、米国の他のどの都市よりも多数の好意的な反応を得ていました。クリエイティブの主要都市であるニューヨークがマイアミの6倍の規模であることを考慮すれば驚くべきことであり、ファッションに関するニューヨークの人気はマイアミを下回っています。さらに、マイアミからのBehance加入者も急増しており、昨年の全加入者の23%を占めています。マイアミがクリエイティブ業界をリードする地位にあることは明らかですが、ウィンウッドアート地区や「アート・バーゼル」などによってその影響がオンラインにも拡大しはじめており、ファッション業界で大きな反響を呼んでいます。この影響により、マイアミはロサンゼルスとニューヨークに次いで、最先端かつクリエティブな都市になっています。

しかし、マイアミ以外にもクリエティブ業界を牽引する都市があります。アトランタとフィラデルフィアがトップ15にランクインしました。デトロイトも、クリエイティブコミュニティの急成長により、25位に選ばれています。これら3つの都市はいずれも昨年大きな成長を遂げていますが、それぞれの地域にはどのような特徴があるでしょうか?

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今回の調査では、デトロイトではデジタルアートが人気で、「アパレル」と「ファッション」を中心としたプロジェクトが増加しています。フィラデルフィアでは、クリエイターが「フォトグラフィ」に注目していますが、今回の調査によるとプロジェクトの大半は「ファッションデザイン」に集中しており、2番目に人気の高いプロジェクトを21%以上上回っていることが明らかになりました。さらにフィラデルフィア在住の18〜24歳のクリエイターによるBehance加入率は、全体の22%を超える26%の伸びを示しています。アトランタでは「ブランディング」のプロジェクトが最も多く、デザインとイラストレーションが中心となっています。

 

最もクリエイティブな都市は?

ニューヨークとロサンゼルスはデザイン変革におけるハブであり続けていますが、ロサンゼルスの特徴であるスローライフが他にはない特徴を生み出しています。調査によると、これら2つの都市がグラフィックデザインとイラストレーションの中核であることは明らかですが、ブルックリンとロングビーチが、タイポグラフィへの高い関心により、それぞれの地域の都心部への影響を強めています。次に注目すべき都市として、マイアミ、アトランタ、デトロイト、フィラデルフィアが挙げられます。いずれの都市も過去1年の間にファッション関連でBehanceネットワークに大きく貢献しました。これらの地域のオンラインへの影響力は今後も高まり、Behance最大のユーザーベースを持つニューヨークとロサンゼルスへのブルックリンとロングビーチによる効果と同様の現象が起こると予想されます。これらの新興都市がどのように発展するかはまだ明らかではありませんが、現在の成長率を考慮すれば、Behanceコミュニティにおけるマイアミ、アトランタ、フィラデルフィア、デトロイトのクリエイターの活躍が来年さらに増える可能性も秘めています。

New York City Brooklyn old buildings and bridge in DumboBefore: ブルックリンのある夏の朝

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Adobe Hue CCでベニスビーチの美しい夕日から色と光をキャプチャ

New York City Brooklyn old buildings and bridge in Dumbo
After: ベニスビーチのあたたかみのある色がブルックリンの青空をさらに鮮やかに演出しています。紫がかった色彩はカリフォルニアの夕暮れを思わせます。

 

10月5日〜7日にロサンゼルスで開催予定のMAX the Creativity Conferenceにおいて、最もクリエイティブな都市について議論するセッションの開催を予定しています。クリエイティビティを刺激し、新しいプロジェクトを開始していただけるよう、専用のクリエイティブライブラリを作成しました。Adobe Hue CCを使って、身の回りの色や光をキャプチャしてください。皆さんからの作品の投稿をお待ちしています。

Adobe Digital Index:ニューヨークとロサンゼルスがクリエイティビティを競う」について
本Adobe Digital Indexレポートは、Behanceの現行メンバーである約500万人のクリエイターから集計したデータに基づいて作成しました。(ニューヨーク:74,992名、ロサンゼルス:42,188名)。このデータにはタグ、プロジェクトの分野、プロジェクトのトピック、エンゲージメント活動、場所などが含まれています。このクリエイティブ関連のデータ分析により、クリエイティブ活動のトレンドやさまざまな業界におけるクリエイティブ経済の現状を記述、予測しています。

セイラ ラップ(Sarah Rapp)
アドビ コミュニティデータ およびインサイト担当ヘッド

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