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#Adobe Sensei の発表から1年を振り返る #AI

アドビの今までそしてこれからも変わることのない一貫したミッションは、「優れた顧客体験を提供すること」です。我々はこれまで長きにわたって、クリエイティビティ、データ、インテリジェンスを融合させることで、このミッションを推し進め、イノベーションの限界を突破してきました。人工知能(AI)や機械学習といったデータサイエンス技術は常に重要な要素であり、我々のAI/機械学習プラットフォームであるAdobe Senseiを発表し、この分野への投資とコミットメントの拡大を表明したのは、2016年の11月でした。

Adobe Senseiはこの1年でいくつもの素晴らしい成果を達成しています。アドビのクラウドプラットフォーム上にAdobe Senseiの基礎を構築したほか、アドビの製品ポートフォリオを対象に、Adobe Senseiを活用した新たなインテリジェント機能を多数導入しました。Adobe Creative Cloud、Document Cloud、Experience Cloudには現在、Adobe Senseiを活用した機能が100以上搭載されています。これらの機能により、アプリの設計、映像の編集、マーケティングキャンペーンの立ち上げなどのさまざまな用途で、お客様はよりスマートかつ迅速に、効率的そして効果的に作業を遂行できるようになっています。

人々の創造力を喚起

アドビの考えるAIのアプローチは、人々のインテリジェンスやクリエイティビティに取って代わるものではなく、これを増強させ、日常的なタスクの遂行から人々を解放するものです。2017年10月にアメリカで開催されたクリエイティブの祭典「Adobe MAX」では、Adobe Senseiを活用した10種類以上の新機能がCreative Cloudに対応したことを発表し、クリエイティビティを高めるインテリジェンスのパワーをご紹介しました。中でも以下の機能は大きな話題を集めました。

  • インテリジェント検索:Lightroom CCの機械学習を活用することで、ユーザーは合理化された検索機能を実行し、写真内のオブジェクトに自動適用されたキーワードやタグに基づき、写真を検索できます。
  • 自動リップシンク:Adobe Character Animator CCでは、アニメのキャラクターやパペット上で、吹き替えの音声に合わせて適切な口の形が正確に選択されます。
  • Typekitビジュアルサーチ:お持ちの活字の写真をアップロードするだけで、Adobe Typekitにある5,300フォント以上のインベントリーの中から似たフォントが提案され、プロジェクトに適切な活字書体を素早く見つけ出せます。
  • REMIX:Adobe Audition CCでは、楽曲ファイルを自動分析し、数百カ所ものループ、トランジション、重要なセグメントを特定することで、与えられた時間に合わせてあらゆる楽曲を素早く再アレンジできます。

これらの機能は、お客様が現在ご利用いただけるものですが、この機会を利用して、未来についても覗いてみたいと思います。Adobe Senseiのマジックを有効に機能させるべく、アドビのラボが行っているプロジェクトの1つに、「クリエイティブアシスタント」があります。これは、Adobe Senseiの持つデザインインテリジェンスを活用することで、ユーザーの個人的なクリエイティブスタイル、ワークフローの意思決定、テンプレートから学習を続け、クリエイティブ作業を自動的に強化するものです。詳細については、以下Adobe MAXで披露された概念実証のデモをご覧ください。

 

 

デジタルエクスペリエンス/ドキュメントサービスのインテリジェンス

アドビのデジタルマーケティングとドキュメントサービスのソリューションでも、Adobe Senseiのイノベーションは受け継がれています。

  • Adobe Experience Cloudでは、匿名化された膨大な量の顧客情報が、Adobe Senseiの学習エンジンを支えています。過去4四半期では、お客様による155兆件以上のデータトランザクションの管理をサポートしてきました。例えば、Adobe Senseiを活用したAdobe Targetの自動ターゲティング機能により、マーケターは、さまざまなデジタル属性を通じて、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスのバリエーションを、迅速かつ無制限に提供できます。Adobe Senseiは次に、それぞれの顧客にとって最高のエクスペリエンスを判断し、消費者のその後のアクション(商品の購入やサイトへのログイン)に応じてエクスペリエンスを最適化し続けます。この結果、アドビのお客様は過去1年間で、企業向けに約10億件ものコンバージョンを達成できました。

 

 

  • 6月には、Adobe Document Cloud対応のiOS/Android向け無料モバイル版アプリとして、Adobe Scanの提供を開始しており、ユーザーはどこにいても簡単にデジタル文書を作成できます。Adobe Senseiを活用した高度な画像処理技術によって、Adobe Scanは、画像を瞬時にキャプチャし、再利用可能なテキストを収録した、クリアでダイナミックなPDFへと変換できます。Adobe ScanのOCR(光学式文字認識)機能を利用すれば、紙のテキストを数秒間でデジタルテキストに変換できます。

 

 

今後に向けて

Adobe Senseiは今後も、数えきれないほどの画像を対象にマッチングを行ったり、マーケティングキャンペーンではオーディエンスの重要なセグメント向けに細かいターゲティングを行ったり、ドキュメントの意味や感情を理解したりと、お客様の複雑なエクスペリエンスの課題に取り組んでまいります。アドビの深く専門的なAIの統合は、エクスペリエンスの未来を進化させる新しいテクノロジーを開発するための急速な革新を推進し、お客様の創造性と革新性を強化します。このほかにも、パートナーやデベロッパーの皆様には、アドビの開発プラットフォームであるAdobe.ioを通じ、近日中にはAdobe SenseiをAPIとして公開する予定です。これによってデベロッパーは、Adobe Senseiを活用した、全く新しいタイプのアプリケーションやソリューションを顧客向けに開発できるようになります。

アートとサイエンスの融合は、アドビのDNAに深く組み込まれており、Adobe Senseiによる私たちのAIへの大きな賭けは、企業としての歩みの次の大きな一章となります。策定中の魅力的な計画やロードマップについては、心から大きな期待を寄せており、来年には、Adobe Senseiのかつてない驚愕のイノベーションを皆様にお届けできるでしょう。

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Adobe Senseiについての詳細は、http://www.adobe.com/jp/sensei.html をご覧ください。また、Twitterでは@AdobeSenseiをフォローしてください。

この投稿は、2017/11/2(米国時間)に投稿されたMASTERING CREATIVE AND EXPERIENCE INTELLIGENCE: A YEAR WITH ADOBE SENSEIを翻訳したものです。

インターンに聞くアドビの魅力 #AdobeLife

2017年度のアドビジャパン インターン生の2名  冨澤史都さん(左) 藤春菜さん(右)

 

アドビは世界中のオフィスでインターンシップ制度を実施しています。アドビのインターンは、カスタマーエクスペリエンス、エンジニアリング、営業、財務など、それぞれの分野のスタッフとともに、チームの一員として日々のビジネスに一緒に取り組んでもらう実務的なプログラムです。

アドビ ジャパンの2017年度のインターンとして約2か月間の業務にたずさわった、デジタルメディア営業統括 エンタープライズ営業2部所属の藤春菜さんと、カスタマー エンプロイー エクスペリエンス本部所属の冨澤史都さんに、インターン経験について聞きました。

―大学ではどのような勉強をされていますか?また、アドビでの担当部門と仕事内容を教えてください。

藤:早稲田大学の国際教養学部で様々な勉強をしながら、夜間で東京大学にも通い、そこではメディアについて勉強しています。アドビではデジタルメディア営業統括部門の、おもに大企業のお客様向けにクリエイティブツールやストックフォトサービス「Adobe Stock」などを販売している部署で、営業先やイベントへの同行やアシスタント業務を行っていました。

冨澤:慶応義塾大学の環境情報学部でマーケティングとコンサルティング、音楽理論、映像制作、またアントレプレナーシップなども勉強しています。アドビではカスタマーエクスペリエンス部門で、顧客体験の向上プログラムの策定、新製品のローンチに関するオペレーションマネジメントや、カスタマーサポートにソーシャルメディアを活用した場合の運用の検討などをおこないました。

―インターンの募集はどのように見つけましたか?

藤:LinkedInでアドビのインターンの募集を見つけ、部署が営業とカスタマーエクスペリエンスの2部署から選べたので、営業の方に応募しました。

冨澤:アドビジャパンに直接自分のレジュメを送り、インターンをやりたい、と伝えました。その後、アドビの人事から連絡があり、インターンに応募と同じプロセスで選考に入りました。

―アドビを選んだ理由をお聞かせください。

藤:もともとアドビの製品を知っていたので、アドビのように世界中で使われている製品を提供している、社会的にインパクトのある会社で働きたいと思ったからです。

冨澤:アドビは影響力のある会社ですし、僕自身が Adobe Creative Cloudのユーザーなので馴染みがありました。また、大学で学んだことや、ほかの会社でのインターン経験を活かすことができると思ったからです。

―アドビのどのようなところが良いと感じましたか?

藤:アドビは年功序列がなくて風通しがいいという印象です。「インターンだから」という目で私を見ず、みなさん私の意見を聞いてくれます。優秀な方が多くて、最初は緊張しましたが、親しみやすくて安心しました。周りの方も終業時間になると、「帰っていいよ」と気遣って声をかけてくれたり、ランチに誘ってくれてインターン期間を楽しく過ごすことができました。

冨澤:お互いを尊重して、肩書や年齢を感じさせずフラットで話せる環境で、自分を一人の社員として対等に扱ってもらえたところがよかったです。また、ほかの部署との連携が自然とおこなわれているところも仕事がしやすかったです。

―今後のキャリアに生かせるような発見はありましたか?

藤:これから就職を予定している会社は、アドビと同じく積極的に英語でコミュニケーションをとらないといけない環境なので、アドビで働いた経験から、新しい仕事に早くキャッチアップできるのではないかなと思っています。あと、これまで働いたことがなかったので、インターンを経験してお金に対する意識が変わりました。パフォーマンスを定量的に評価する、という意識がついたと思っています。

冨澤:会社運営に関わる体験を学生のうちにできることはほとんどないので、今後のキャリアに何かしらの影響を与えると思っています。

―次年度のインターン生に一言お願いします。

藤:アドビのインターンは実務に関連する仕事を任せてもらえるので、委縮せずに積極的に社員とのコミュニケーションをとることをおすすめします。また、アドビのみなさんは、目新しいものが好きな方が多くフレッシュな意見に対してとても寛容なので、どんどんいろんな提案をしたほうがよいと思います。

冨澤:業務はかなり大変だったのですが、やりがいやチャレンジは感じられます。自分で考えて行動できるアクションオリエンテッドの人に向いています。若い学生の視点を重宝してくれる環境なので、自分が何を与えてもらっているかを考えながらやってみるとよいと思います。

アドビのインターンシップや新卒採用については、こちらをご覧ください。

社会へ巣立つ子どもたちに職場体験を 「Job Practice #ブリッジフォースマイル × #アドビ 2017」 #CSR活動 #adobelife

 

アドビジャパンは、去る8月24日、NPO法人ブリッジフォースマイルの活動協力として、児童養護施設から巣立つ子ども達に実際のオフィスで就業体験を行ってもらう「ジョブプラクティス」を開催しました。今年で8回目となるこの活動では、中高生の参加者7人をアドビジャパンのオフィスに招き、参加者に「デザイナー/クリエイター体験」として、オリジナルフォントの作成、オリジナルブランドの構築とブランドバッジ作成などの作業と、最後にオフィスの見学を行いました。

 

ストレッチをして緊張をほぐす参加者、植村さん、アドビ社員

 

最初の就業体験は、オリジナルフォントの作成。フォント作成講座では、アドビのシニアタイプフェイスデザイナー西塚 涼子 が講師となり、フォントとは何か、フォントはどのようにできているのかの解説を行いました。その後、参加者は好きな漢字を一文字選んで、オリジナルのフォントの作成に取り掛かりましたが、なかなか思うようにデザインできません。時間を大幅に超過しても創作をあきらめず、真剣に取り組んだ結果、個性的なこだわりのフォントが生み出され、最後にそれぞれが作ったフォントが額に入りました。

アドビ シニアタイプフェイスデザイナー西塚 涼子によるフォント講座

 

参加者が作ったフォント

 

ジョブプラクティス後半は、オリジナルブランドの構築とブランドバッジ作成。マーケティング部の名久井 舞子が、実際に企業のブランドがどのような流れで考えて作られているかを解説し、参加者に自分は何が好きなのか、どんなブランドをつくりたいのか、ターゲットは誰なのかを明確にする「ブランド構想シート」を配布しました。参加者はブランド構想シートに自分の作りたいブランドのアイディアを書き入れ、その構想に沿ったイラストを描き起こし、最後にそのイラストを缶バッジにすることで、オリジナルブランドバッジを作成しました。

アドビのマーケティング部の名久井 舞子による「ブランドとは」講座

 

ブランド構想シートと完成した缶バッジ

 

最後に行ったアドビのオフィス見学ツアーでは、アドビが入居しているビルの19階からの景色を眺めながら、オフィスを一周。参加者は著名なアーティストの作品の前で立ち止まったり、「なんでバランスボールがこんなにあるの?」と驚いたり、各部屋の名前が山の名前になっていることなどに興味を示したりしながら、実際に働く人がいる現場を見学し、2017年度のジョブプラクティスは終了しました。

アドビと親交の深い書道家の武田早雲氏の作品の前で立ち止まる参加者

 

会議中の部屋を横切る参加者

 

NPO法人ブリッジフォースマイル事務局の植村 百合香さんに、ブリッジフォースマイルの活動内容やアドビと協力することになった経緯などをうかがいました。

ブリッジフォースマイルの設立目的と主な内容を教えていただけますでしょうか?

植村:NPO法人ブリッジフォースマイルは、児童養護施設から巣立つ子どもの自立支援を行っています。子ども達は18歳になると施設を出なければなりませんが、多くの児童養護施設は慢性的な人手不足が課題であったりと手一杯のところが多く、子どもが社会に巣立つための準備やトレーニングが行き届かない場合があります。私たちは外部団体として、その社会に出る準備や、進学支援、住宅支援、居場所支援など行っています。

―アドビジャパンが協力するきっかけとなった当時のことを教えてください。

植村:アドビ様には毎年このジョブプラクティスにご協力いただいており、今回で8回目となります。当時、アドビの社員さんが当団体のホームページをご覧になって、「何かご協力できませんか」かというお申し出をいただいたのがきっかけとなります。

―ジョブプラクティスが参加した子どもたちにどのような影響を与えているかを教えてください。

植村:ジョブプラクティスでは企業で働く人の話を聞き、仕事を体験して、自分の適性を知ってもらうことを目標にしています。児童養護施設の子ども達は、自立するために就労が必要なため、8割が高校を卒業した後すぐに就職します。しかし、せっかく就職できても長く続かないことが多いのが現実です。職場体験を通して、「イメージしていた仕事と違う」というミスマッチを事前に防ぐこともこの活動の重要な目的です。

―アドビでのジョブプラクティスを経験した子ども達から、今までどのような反応がありましたか?

植村:「楽しかった」「自分が知らない仕事を知れてよかった」「思いつかなかったような仕事に従事している人がいることを知ることができた」「進学先でも使えたらいいな」といった感想をもらっています。

―今後アドビとどのような活動を行っていきたいとお考えでしょうか?

植村: アドビ様はクリエイティブに携わる人を加速させる力をもっており、子ども達の「好き、楽しい」を見つける手がかりを得やすい会社だと思っています。

参加した子ども達が「好き、楽しい」と「仕事」を一緒に考えるひとつのきっかけとしてアドビ様にしかできないプログラムをご提供いただいておりますので、今後も続けていただけると嬉しく思います。

 

また、アドビジャパンでこのCR(Corporate Responsibility)活動をリードしている広報部の齊藤ようこにもアドビのCR活動について話を聞きました。

―アドビのCR活動に対する基本的なスタンスをお聞かせください。

齊藤:アドビは、社員がCR活動に積極的に参加することを応援するというスタンスを取っており、社員が何らかの形でCR活動に携わっていることが前提となっています。取り組みの姿勢を表す一例ですが、税引き前利益1%をCR活動予算に充てており、NPOのために10時間のボランティア活動ごとに250ドル、10人以上3時間のボランティア活動ごとに1,000ドルを社員に支給します。このお金は個人の消費目的で現金化することができませんが、イントラネットを通じて社員が選んだ団体に寄付することができます。

―今後どのようにこの活動を継続・向上していきたいとお考えですか?

齊藤:児童養護施設で暮らしているお子さんたちの数が減るまで是非支援を続けていきたいと思っています。ここ数年で、できる範囲ではありますが、働くことの楽しさとアドビの良さをわかってもらえるようなプログラムを組んできたと自負しています。参加した子ども達が大きくなった時にこの体験がどう活かされていくのかが楽しみです。

―ジョブプラクティスに参加された子ども達に一言お願いします。

リピーターは大歓迎ですので、また是非参加してください。今度はお友達も連れて遊びにきていただきたいですね。

 

日本発のイノベーション「 #AdobeExperienceManager Problem Analyzer」 #AdobeLife #ExperienceCloud

アドビジャパンのカスタマーエクスペリエンス部門が、デジタルコンテンツ管理プラットフォーム「Adobe Experience Manager」(以下、AEM)のシステムエラーなどの不具合の解析と原因の特定を自動化し、トラブルシューティングプロセスの生産性を劇的に向上させる「AEM Problem Analyzer」を開発しました。

この日本発案の開発で「Amazing Experience Award *1」を受賞した、カスタマーエクスペリエンス本部エンタープライズサポートプリンシパル サポートエンジニアの菊池貴仁氏と同本部の ディレクターの清水謙二氏にインタビューをしました。

(左)カスタマーエクスペリエンス本部エンタープライズサポートディレクター清水謙二氏(右)同本部プリンシパルサポートエンジニア菊池貴仁氏

 

―AEM Problem Analyzer の概要と開発の経緯を教えてください

菊池:AEMのシステムに異常があった場合、約40%の問題がログファイルの解析を必要とします。そのログファイルの量は膨大なため、テクニカルサポートエンジニアはその分析に数日またはそれ以上の時間を費やさなければいけませんでした。通常のトラブルシューティングでは、社内にある既知問題データベースから目視で似たような障害をキーワードから見つけ出し、エンジニアの記憶や経験に基づいて分析する作業を必要とします。このような属人的に担当者に依存しているプロセスをどうにかして自動化して、生産性をあげたいとつねづね考えていました。そして問題の分析だけでなく、障害の予測検知から未然防止につなげ、最良のカスタマーエクスペリエンスをシステマチックなアプローチで提供したいという思いがありました。

ある日、上司とのディスカッションのなかで、『おもしろそうだから、ぜひ本社グローバルチームも巻き込んで進めよう』と言う話になり、自分の想像よりどんどん話が大きくなってしまい、後戻りできなくなってしまいました(笑)。

このツールを開発するほぼ同じタイミングで、本社グローバルチームでナレッジ管理手法である「Knowledge Centered Support(KCS)」を構築するプロジェクトがたまたま進行しているのを知りました。KCSの担当者に、私の開発したツールがKCSのデータベースを自動的に取り込めるようにAPIで連携させることを持ちかけたのですが、最初はメリットが理解されず相手にしてもらえませんでした。その後、上司のサポートもあり、4ヶ月間説得しつづけた結果、なんとかAPIで連携を実現することができました。

清水:KCSのチームを説得してナレッジデータベースとAPI連携できたことは非常に大きかったですね。KCSは世界中のエンジニアが日々アップデートをかけているので、最新の情報が蓄積されています。そのデータベースとAPI連携することによって問題解析の精度を日々上げていくことができるのです。これにより、AEM Problem Analyzer 自体はメンテナンス不要で、グローバルレベルで蓄積された最新のナレッジを活用することができるようになりました。このグローバルコラボレーションをベースにした知識の共有とツールによる自動化が、この取り組みの最も優れている点で、従来のツールによる単なるプロセスの自動化とは決定的に異なるのです。

 

 

 

AEM Problem Analyzer によって、これまでのテクニカルサポート業務がどのように改善されましたか?現場の方々の声をお聞かせください

菊池:非常にスキルの高いエンジニアでないと解決できなかった問題が、新しく入ったメンバーでも、このツールを使って簡単に問題を特定できるようになりました。特に経験年数の浅い人は頻繁に利用しているようです。今まで解決までまる1日かかっていた問題も10分程度で見つけられるようになり、その結果、お客様に迅速にソリューションを提供できるようになりました。アドビ社内のプロフェッショナルサービス部隊や、マネージドサービス部隊など他の部門でも使いたいと言う要望があり、現在試してもらっているところです

―アドビは製品開発担当ではない社員がツールを開発することに対して、どのような姿勢をとっていますか?

清水:AEM Problem Analyzerの開発は、テクニカルサポートサービスプロセスをイノベーションする取り組みで、アドビの製品開発プロセスとは異ります。我々のような製品開発部門以外がこういったツールを開発することに関して、グローバルチームとのコンセンサスを得られれば比較的かんたんに始められる環境があります。

―ツールの開発にあたり、どのようにチームの参加者を募り、またグローバルに点在するチームと連携をとっていたかを教えてください

清水:全体的なリード役の菊池に加え、北米、インド、ヨーロッパの3つのリージョンから一名ずつプロジェクトメンバーを募りました。そのプロジェクトメンバーとWiki やWeb会議, ビデオ会議などのツールを駆使しながらグローバルチームとコラボレーションして進めてきました。

この取り組みは、我々がグローバル企業であるということと、日本だけでは投資効果が出ないこともあり、グローバル規模で使用することを前提で進めてきました。日本で発案をして、日本主体でグローバルチームを動かしているプロジェクトなので熱も込めました。

―カスタマーエクスペリエンスのさらなる向上にむけて、今後の展望をお聞かせください

清水:この取り組みをAEM以外のAdobe Experience CloudポートフォリオやCreative Cloud 、Document Cloudへ横展開して行くことを考えています。また、問題予兆把握、未然防止のため、お客様の環境のヘルスチェックに応用しようとしています。 お客様環境にツールを仕掛けておき、問題が起こる前にお客様側の環境にある潜在的な問題を検知し、事前に問題を解決させることを考えています。その次のステップは、このツール自体をパートナーやお客様に自由に使っていただくことですね。もちろん流行りの人工知能、自然言語処理の活用も検討しています。

 

―最後に、アドビのカスタマーエクスペリエンス部門の魅力を教えてください

菊池:私たちが扱っている製品は、簡単に言いますとインターネットのホームページを提供するものです。一般の方の目に止まるようなサービスを支える製品を、日本だけでなく世界の名だたる企業に採用いただいており、そのお客様が困っていることを解決し、お客様のビジネスの助けになっているということにやりがいを感じています。問題を解決することで心を開いていただき、そこからアドビの製品を永く使っていただいおり、そういったところに魅力を感じています。

清水:マネジメントの視点で言いますと、従来のやり方を変えるためのイノベーションが実現できるところにあると思っています。アドビは社内の新規開発プロジェクトとして「Adobe Kickbox *2」という取り組みを行うなど会社としてイノベーションを奨励していますし、サポートが得られる環境が整っていると思います。今回のこの取り組みの実現もその中のひとつですね。他にも日本発のサービスイノベーションのアイデアを色々と練っているところです。

*1「Amazing Experience Award」は、四半期に一度アドビジャパンの全社員の中から推薦された「期待を超える突出した働きで、お客様やパートナーを魅了した人」に贈られる賞です。

*2「Adobe Kickbox」は、アドビがイノベーターを生み出すために取り組んでいる、オープンソースの革新的なイノベーションプロセスです。Kickboxプロジェクトで配布される「イノベーション イン ボックス」キットには、イノベーションに必要なものとして、1,000米ドルのプリペイドクレジットカード、行動のチェックリスト、アイデアを開発するために使用する資料、そしてスナック菓子とコーヒー(スターバックスのプリペイドカード)が含まれています。今日までに、世界中のアドビ社員に1,000以上の「イノベーション イン ボックス」が配布されました。

 

アドビの採用情報については、こちらをご覧ください。