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企業目標とオンラインKPI
前回、“CMOに求められるビジネス最適化の知識&スキル”として少し触れましたが、デジタル化が進んだ現在、マーケターはテクノロジーをうまく味方につけることができれば定型業務を自動化し、戦略やプランを“考える時間”をより多く作り出すことができます。その結果、効率よくビジネス最適化の改善アクションへと導くことにつながり、良いスパイラルを生み出すことが可能です。とはいえ、この良いスパイラルの生成を阻む要因が日々の業務において様々なところで存在しています。
では、マーケターはどのような課題を抱えているのか、米国・英国のマーケターを対象にした2009年のリサーチデータをみてみましょう。

マーケターが抱える社内の課題を大きく分類すると、次の3つに分ける事ができます。
1. データやツールの十分な活用
2. リソースの確保や他部門(特にIT)との連携
3. 経営層との意思疎通
ここで注目すべき点は、全ての課題には“人”や“組織”が関わっており、それらを解決するには経営層を巻き込んでいく必要があるということです。
経営層との意思疎通ギャップ
今年に入ってお客様からの相談が増えてきたのが、中間管理職・経営層へのウェブ解析の活用やビジネス最適化に関する啓蒙です。この数年、日本のウェブの現場の方たちはデジタルデータの活用方法習得に熱心に取り組んできた結果、かなり広く知識が浸透してきました。しかしながら部署移動が常の日本企業において、ウェブに全くなじみのない中間管理職の方が、ウェブ関連部署のマネジメントに任命されたけれども、どのように部下を評価し指示を与えるべきかわからない、といった状況が生まれているという訳です。中間管理職ですでにギャップが生じているわけですから、その上の経営層ともなると必要な情報を届けるには至難の業といえるでしょう。
ここで、経営層への啓蒙を考えるときにとても重要なのは、経営層は見ている視点が異なるという点です。すなわち、現場で使っているPVやUUといったオンラインマーケティング用語を経営層に理解してもらうという発想ではなく、経営層が必要としている、あるいは興味のある情報に変換して伝えるという姿勢が必要なのです。
それでは、組織の担当レベルによる視点の違いについて簡単にご説明しましよう。

社内の共通指標としてKPI(Key Performance Indicator:主要重要指標)を設定することの重要性については過去に何度かご説明してきましたが、その前提条件としてKPIを設定するためにはビジネスのゴールや目的を明確にすることが必要です。このゴールや目的を達成させるための主要な要件をアドビコンサルティングではKBR(Key Business Requirement)と呼んでいます。(一般的には、KSF(Key Success Factor)やCSF(Critical Success Factor)と呼ばれているようです。)
このKBRは企業全体における戦略(Strategic)レベルから、それらを実現させるための戦術(Tactical)レベルへと、それぞれの組織の役割レベル(経営層→現場レベル)へと要因分解されていきます。この各役割レベルでゴールが達成できているか、日々判断を下し対応をしていくわけです。
このように役割レベルのKBRの視点で考えると、現場の担当者の方々が日々追っているKPI、例えばユーザーのサイト内回遊をミッションとしている開発担当者であれば、『サイト内検索の検索回数』や『検索から購買に結び付いた検索コンバージョン数』など、リスティングなど外部流入のマネジメントを担当している担当者であれば、『外部検索数』・『検索コンバージョン率』・『コンバージョンあたりの広告単価』といったKPI数値は、経営層の方々にとっては細かすぎて経営に必要な判断材料としては不十分であるということがわかります。
次回は、現場から伝える経営層に刺さるレポートの方法について考えてみたいと思います。