ROI向上作戦 Part2:ROIは商品原価も含めて考える

Wednesday, 13 July 2011 @ 16:00, by 渡邉 統一郎

サイトの「効果」を正確に検証しよう

 前回はオフラインで発生するコンバージョンをいかにオンラインの施策につなげるかについてお話しました。取り上げた例は、ウェブ上における資料請求のコンバージョンを受け、営業マンによるセールス活動を通じて発生する売上をどのようにキーワードの費用対効果としてフィードバックするか、です。つまり前回の例は、基本的にはLead-Generation/リード(見込み客)獲得を主目的とするサイト向けの話ということになります。
 そこで、今回はウェブ上で売上が計上されるコマースサイト(ECサイト)を対象にお話ししようと思います。

コンバージョン指標は回数だけではない

 ECサイトの効果を測定するために、「購入回数」のみをカウントしているケースがいまだに散見されます。1回売り上げたら1コンバージョン、というわけです。こうしたサイトでは、商品を購入された後のいわゆるサンクスページにコンバージョンを計測するJavaScriptのタグを埋め込み、サンクスページの表示回数によってカウントしています。

 このケースの問題点は、1回に何個売れてもいくら売れても1回のコンバージョンとしかカウントしないということにあります。つまり1個売れても100個売れても、あるいは100円と10,000円でも同じ評価になってしまうのです。
 これではビジネスに直結した指標とはいえません。それどころか誤った判断をしてしまうことになり、危険です。

最低限、売上高のデータは取得しよう

 ECサイトに限っていえば、コンバージョン回数だけでなく、売上高も取得すべきです。最近はどのような広告効果測定ツール、ウェブ解析ツール、あるいは自動入札ツールでも、売上高は取得できます。ツールによっては、何が、何個、いくら売れたのかまで把握可能です。
 こうしたツールからのデータを使うことで、キーワードの正確な評価を行えるようになります。例えば、同じクリックコスト1000円のキーワードAとBがあって、Aからは売り上げが10,000円、Bからは100,000円だった場合、キーワードBにより多くの投資をすべきなのは明らかでしょう。
 
この考え方に基づいたROAS(Return On Ad Spends)という指標があります。これは広告コストからいくらのリターン(売上)があったかを示す指標で、計算式は「売上額 ÷ 広告コスト × 100」のパーセント表記になります。100円のコストで100円の売上の場合は100%というわけです。
 上記の例だと、キーワードAは「10,000円 ÷ 1,000円 × 100 = 1,000%」となります。同様にキーワードBの場合は「100,000円 ÷ 1,000円 × 100 = 10,000%」です。数字が大きいほど、キーワードの投資対効果が高いことを意味します。

本当に売上額だけで十分か?

 ここでもう一歩考えを進めてみます。
 例えば、キーワードCとキーワードDがあったとしましょう。
 どちらも1,000円のコストから100,000円を売り上げたので、ROASは同じ10,000%です。持っている情報がこれだけであれば、CとDは同じ投資対効果ということになります。
 しかし、Cで売れているものは赤字覚悟のセール品、これに対してDで売れているものは安価での仕入れに成功した「おいしい」商品であったとしたらどうでしょう?
 当然、キーワードDから売れている商品を売った方が利益を上げられます。

商品ごとの原価、粗利をウェブ解析ツールに把握させる

 ではどのようにしたら、商品原価を考慮した解析が行えるのでしょうか?
 Adobe SiteCatalystには、VISTAと呼ばれるカスタムソリューションがいくつか用意されており、その中の1つに「COGS(Cost of Goods Sold)VISTA」があります。COGSとは商品の原価という意味です。商品(商品ID)と商品原価の対照表を作成しておくことで、売上高だけでなく、原価および粗利益までSiteCatalystおよびSearchCenter+のレポート上で確認できるようになります。
(VISTAオプションについての詳細は各営業担当およびアカウントマネージャ、もしくはこちら までお問い合わせください)
 
さらに、SearchCenter+では粗利益をベースにしたROI(粗利益÷広告コスト×100)を基準として、リスティング広告の自動入札も可能です。つまり、あるキーワードからいくら売れたのかではなく、いくらの利益があったのかを判別し、生み出す利益が多いキーワードに対して自動的に予算を多く配分してくれるのです。
 また、(前回お話ししたような)オフラインのコンバージョンを加味した評価も可能です。ECサイトであったとしても、電話での商品購入が多いケースでは、コールセンターの情報をSiteCatalystにインポートし、COGS VISTAを使用するとよいでしょう。コールセンター経由で売り上げられた商品の利益を最大化させるよう、リスティング広告を運用できます。

正確な指標を持つことの重要さを知ろう

 読者の中には、これまでCPA(Cost Per Action:コンバージョン1件当たりの単価)だけを指標にしてサイトを運営されていた方もいらっしゃるでしょう。もしそうだとしたら、ぜひ上記のような考え方で指標を変更してください。
 「今までCPA3,000円目標でリスティング広告を行ってきたけど、利益ベースで考えるといつも赤字だった」といったことがわかるかもしれません。逆に、「もっと強気の入札も可能だった」、「売上機会を逃していた」というケースもありえます。
 マーケターのみなさんは、常に会社としてのゴールが何なのかを考えましょう。そして、どの指標をターゲットに行動すべきか、この機会にきちんと見直していただければと思います。

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