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安西 敬介ビジネスコンサルタント
2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、システムエンジニアとして予解約システムの開発、予約フロー設計に携わったのち、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛けた。その後は、同社内のマーケティング戦略立案支援やウェブ解析の導入や活用促進に携わった。オムニチュアへは2008年に入社。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。2009年アドビシステムズによる買収にともない現職。また、業界専門媒体などで積極的に執筆活動も展開している。学習院大学法学部卒。 |
フォームの改善ポイントはここだ!
フォームは、コンバージョンへの最後の関門
この連載では、Adobe SiteCatalyt を含む、Online Marketing Suiteを活用してオンラインビジネスを最適化する方法をご紹介していきます。第1回で取り上げるのは、「フォームの改善ポイント」です。
コマースサイトや新規獲得(資料請求など)のサイトにおいて、購入完了や資料請求完了といった最終コンバージョンに到達するためには、必ずフォームページを通過しなければなりません。
フォームページでは名前や住所などのデータを訪問者に入力してもらうことになります。訪問者に面倒な作業をさせるわけですから、ページの作りによっては離脱を多く生んでしまう可能性もあります。
逆に言えば、フォームページを改善することは、コンバージョンの向上に直結するわけです。
ただし、フォームページの多くはシステム的に処理しているため、改修に手間がかかってしまうことが少なくありません。やみ雲に仮説を立てては試すのではなく、より緻密な分析を行い、確度の高い仮説を作ってから改修にのぞむべきでしょう。
訪問者がフォームページで離脱するのはなぜ?
フォームページの具体的な分析に入る前に、フォームページでの離脱にはどのような原因があるか整理しましょう。
(1)入力情報が多い/判らない
入力すべき項目が画面上にズラッと並んでいると、訪問者は入力が面倒になって離脱してしまいます。特に、コマースサイトなどでは、企業側が顧客情報を欲するあまり、購入に不必要な情報まで求めるケースが目立ちます。
電話番号は会社、自宅、携帯と複数項目あるケースがありますが、恐らくどの属性かわかれば連絡先電話番号は1つで良いでしょう。また、会社名や役職名などの入力などもありますが、コマースサイトなどであれば必要にない項目です。顧客視点で見直すと少なくなる項目を少なくありません。
また、後述の入力方法のわかりにくさにも繋がる内容ですが、例えば免許書の情報入力として求める場合に、フォーム画面にきてから入力してくださいという情報がでてきても準備がされていないために離脱してしまうなどのケースも考えられます。また、細かい条件分岐など複雑な入力内容が要求されると、訪問者は「わからない」となって離脱してしまいます。
(2)入力方法がわかりにくい
項目すべき内容がわかっても、フォームの作りがわかりにくいと、訪問者はイライラして入力を放棄してしまうことがあります。
よく見られるパターンしては、電話番号は半角入力なのに、住所の数字は全角入力しか受け付けない、などです。必須入力項目なのに妥当な選択肢がないケースもあります。例えば、職業が必須なのに自分の職業の選択肢がないと該当する訪問者は困ります。
これらのうち、どれが原因になっているのか? フォームページにおける訪問者の足跡をたどって分析し、仮説を構築していくことになります。
フォーム分析の進め方
それでは、どのように分析を進めていけばよいのでしょうか? Adobe SiteCatalystでは、次のような分析を行うことができます。
(1)エラー発生回数からフォームの作りを分析
フォームの入力エラーは、利用者がフォームでの入力をミスした結果起こります。フォームの現状や課題を把握するために最もポピュラーなアプローチは、エラー発生回数の集計です。
Adobe SiteCatalystを利用した場合は、入力エラーが発生する度にエラーのIDをトラフィック変数で集計することで確認が可能になります。なお、エラー発生回数は毎日分析しても大幅に結果が増減するものではありませんから、1ヶ月に1回くらい行えば十分です。
重要なのは、全角入力の箇所で半角入力されているためのエラーなど「どんな内容のエラーがどのくらい発生しているか」を知ることです。発生した回数別に上位から並べると、改善しなければならないフォームエリアがおおよそどこかが見えてくるはずです。
また、アドバンスの分析方法としてAdobe SiteCatalystを利用して集計したエラー項目はAdobe Discoverを利用することでセグメントで分類したフィルタリングも行うことが可能になります。
(2)エラー発生後の訪問者の行動を分析
Adobe SiteCatalystでは、エラーの発生後、訪問者がどのようにサイトを遷移したのかも分析を行うように設定することもできます。
エラー発生後もきちんと次の画面に移動したのか、あるいはFAQページを参照したのか、サイト自体から離脱したのか。訪問者の行動をより細かく追っていくことができます。
先ほど(1)で説明したエラー発生回数は、発生したタイミングがわかるだけです。
上記のような遷移分析も合わせて分析を行うことで、具体的にどのエラーがサイトからの離脱を引き起こしているのかを把握できるようになり、さらに改修のプライオリティが付けやすくなります。
※このレポートはAdobe Discoverを利用した場合は(1)のエラーIDの取得が行えていればセグメントフィルタリング分析のみで実施が可能です。Adobe SiteCatalystで分析をする場合はアドバンスドの実装設定を行う必要があります。
(3)フォームのどこで離脱したのかを分析
前述した(1)、(2)の方法はエラーが発生したあとの分析です。しかし、冒頭の理由で触れたフォームの入力量が多い場合などは、入力開始したところでつまずいてしまいエラーを発生させずに離脱をしてしまうこともあります。
このような訪問課題に対して仮説を組み立てる際に有効なのが、フォームエリアごとの離脱分析です。 Adobe SiteCatalyst ではプラグインを利用することで、最後にフォーカスされていた(カーソルがあった)場所を計測することができます。
単純なエラー分析と異なり、「次へ」ボタンを押さずに離脱した訪問者の分析も行えるのが、この方法の特徴です。エラー発生には至らない、フォームの不備を見つけるのに役立つでしょう。
このような分析を通し、システム改修に手間がかかりがちなフォームページの改修にできるだけ確度の高い仮説を作っていくようにします。
※ここで紹介させて頂いたプラグインは導入のサポートが必要になりますので導入を希望される際はアカウントマネージャーまでお問い合わせください。
訪問者像を想像しながら、改善の仮説を作り込んでいく
上記のような分析ができたら、次は改善への具体的な仮説を作り込んでいきます。訪問者像を想像しながら、何が課題であったかをリストアップしていきます。
リストアップした課題は一覧としてならべて俯瞰できるようにします。俯瞰をしながら、冒頭でも触れているフォームを離脱してしまう理由念頭に改善案を考えていきます。
入力フォームの量が多いのであれば、減らすことは可能でしょうか?または画面を分けることで複雑なフォームをシンプルに見せることは可能でしょうか?
特定のフォームでの離脱やエラーが多いのであれば、フォームのラベリングを変更すべきでしょうか?エラーチェックを寛容にすべきでしょうか?
必要に応じてフォームの前のページなども確認もすると良いでしょう。場合によってはフォーム自体ではなく、前ページでの事前説明が不足していたことが原因であることもあります。この場合の改善は前ページの説明を見直すだけで済みます。
冒頭にも触れたとおり、フォームの改善はコストがかかりやすい部分でもあり、かつテストもしにくい部分でもあります。無駄なくサイトの改修を行うためにも、フォームの最適化にウェブ解析ツールを上手に利用していただければと思います。


