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ROI向上作戦 Part2:ROIは商品原価も含めて考える
サイトの「効果」を正確に検証しよう
前回はオフラインで発生するコンバージョンをいかにオンラインの施策につなげるかについてお話しました。取り上げた例は、ウェブ上における資料請求のコンバージョンを受け、営業マンによるセールス活動を通じて発生する売上をどのようにキーワードの費用対効果としてフィードバックするか、です。つまり前回の例は、基本的にはLead-Generation/リード(見込み客)獲得を主目的とするサイト向けの話ということになります。
そこで、今回はウェブ上で売上が計上されるコマースサイト(ECサイト)を対象にお話ししようと思います。
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ROI向上作戦 Part1:コンバージョンはオフラインも含めて考える
コンバージョンを見直そう
オンラインマーケティングに携わっている人ならば誰もが「コンバージョン」という言葉をご存じのはず。オンラインに限らず、広告効果は広告費に対しどれだけのコンバージョンを獲得しているのかによって評価されます。こんなことは当たり前だと思われるかもしませんね。
コンバージョンは「成果」と訳されることもありますが、その具体的な内容は曖昧で、ケースによって大きく異なります。あなたが現在コンバージョンとして設定している内容は、会社全体から見ると何の利益ももたらさないことだって十分にありえます。現状通例的に使用しているコンバージョンにこだわるのではなく、より大きな視点からROI(Return On Investment:投資回収率)を考えるべきです。
この連載ではこれから数回にわたり、SEM関係者が陥りやすいコンバージョンの問題点について考えていくことにします。
資料請求がゴールとは限らない
まず、ウェブサイトの目的をビジターからの資料請求としているケースについて考えてみます。この場合、ビジターからの請求がなされた時点で表示される「サンクスページ」で、コンバージョンを計測することが一般的です。サイトの目的が資料請求で、キャンペーンも資料請求数に応じて評価される、これで何の問題もなさそうに見えます。
しかし、本当にそうでしょうか?
このようなモデル(Lead-Geneneration/リード(見込み客)獲得)のサイトでは、資料請求から得たお客さまの情報を元に、電話やメールで営業活動が開始され、お客さまと契約がまとまればそこで売上金額が計上されます。
オンラインマーケティングチームはより多くの顧客情報(リード)を獲得し、営業マンはそこからより多くの案件を成約させる。一件何の問題がないように見えますが、効率化という観点からすると、無駄が発生する可能性がいくつかあります。
「コンバージョン=資料請求数」の落とし穴
問題の1つは、資料請求が確度の高い見込み客によるものか、ということ。まったく購入意欲のないユーザーからの資料請求は、会社にとって完全な無駄リードです。「コンバージョン数を獲得する!」という意気込みだけで、コストをかけて無駄リードをいくら稼いでも、会社にとってはマイナスにしかなりません。
クレジットカード会社のウェブサイトで考えてみましょう。こうしたサイトではクレジットカードを持ちたい人が資料請求を行うようになっていますが、カード会社にしてみればその人達が無事審査を通過して実際にカードが発行されない限り、ビジネスとして何のメリットもありません。
極端なことをいえば、「低信用 発行可能」というようなキーワードでサイトに誘導し、たくさんの資料請求をしてもらうことはできるかもしれませんが、そういう人たちからの得られる実際の売上(オフラインのコンバージョン)はゼロというわけです。
商品単価も、オンラインでの資料請求からは見えにくい要素でしょう。営業マンが売り込みたい商品が複数あり、1つは単価1万円、もう1つは単価が100万円だったとしましょう。単価1万円の資料請求の方がCPA(Cost Per Action:顧客獲得単価)が少なくて済むからといってそこだけにコストを投入しても、会社および営業マンとしてはまったくおいしい話ではありません。
資料請求と実際の売上を紐付ける
ではどうすべきでしょうか?
資料請求へと誘導したキーワードと売上を紐付けて、ROIを分析すればよいのです。
一昔前だと、資料請求後の実際の(オフラインにおける)売上額を各キーワードにまで紐付けてROIを管理するのは、至難の業でした。しかし、技術が大幅に進歩したことで事情は変わっています。今ではAdobe SiteCatalystおよびAdobe SearchCenter+を使うことで、オフラインでの売上高も各キーワードにまで紐付けて、簡単にレポーティングできるようになりました。
具体的には、ウェブでの資料請求コンバージョンとオフラインでの売上を管理するデータベースで共通のID(トランザクションID)を持たせる方法があります。必要な項目を記載したデータテーブルをAdobe SiteCatalystにアップロードすると、このIDをキーにしてどのキーワードがオフラインでの売上にいくら貢献したのか、費用対効果を見ることができます。
またSalesforce.comなどの顧客管理システムを使用しているのであれば、システムから自動的にAdobe SiteCatalystへデータを流すことも可能です。今まではオフラインだから………とあきらめていた指標も、オンラインキャンペーンと関連づけて分析できます。
例えば、キーワードAは資料請求(リード)数が多いけれども、最終的な売上額には貢献していない。逆にキーワードBは資料請求(リード)数は少ないし、オンライン上でのCVRやCPAも悪いけれども、最終的には単価の高い商品の売り上げにつながっており、広告コストの最終売上に対する費用対効果は非常にいい、ということが見えてくるかもしれません。
Adobe SearchCenter+では、オフラインでの売上も参照しつつ、キーワードごとの費用対効果を算出し、効果に応じて入札を自動化することも可能です。オンラインのコンバージョンだけにとらわれず、会社全体の視点から最適な広告運用を行えるようになるでしょう。
会社全体の利益を考えて、シームレスな組織を作ることが重要
上記の仕組みを理解していても、実行に移そうとすれば、さまざまな障壁に阻まれることは十分にありえます。特に会社組織が縦割り構造になっていると、「ウェブマーケティングチームは資料請求数だけを追っていればいい」というマインドに陥りがちです。また、他部署の縄張り意識が強く、マーケティングチームが思うように動けないこともあるかもしれません。
マーケターとしては、こうした困難に負けず、是非とも障壁に挑み、仕事の幅を広げようという野心を持っていただきたいものです。
もちろん、現場でできることには限りがあります。組織としても、マーケティングを管理するCMOが組織横断的なプロジェクトをトップダウンで立ち上げ、会社の売上げ貢献に尽力すべきでしょう。