キャンペーン分析はルールベースで乗り切れ

広告やメールから流入する際にURLにパラメータを追加し、どんな媒体/広告から流入をして、それがコンバージョンに紐付いたかは非常に重要な計測方法の1つになっていると言えます。

Adobe Analytics(旧 SiteCatalyst)においても、このトラッキングコードを利用した分析は非常に重要であり、さらに分析しやすいトラッキングコードを設計するかは計測を開始する上で非常に重要なポイントになります。

どんな分析でも実施する上で重要なポイントは「大きなくくりの中から、より詳細にドリルダウンをしていく」という点です。いきなり細かい項目の詳細から入ってしまうと、大きな視点を逃してしまい、結果として間違った方向に分析をすすめてしまう可能性があるためです。

トラッキングコードも、細かい広告それぞれからの流入数やコンバージョン数を分析していては、次の広告戦略を考えるにあたっても決して効果的な分析とはいえません。やはりグルーピングをして大きな視点から掘り下げていく必要があります。

そして、この分析の視点に非常に役立つのが、Adobe Analytics(旧 SiteCatalyst)のSAINT(セイント:SiteCatalyst Attribute Importing and Naming Tool)と呼ばれる分類機能になります。このSAINTを利用すると、計測されたデータに後から分類項目を追加して、別のグループを作成しデータを確認していくことができるようになります。

※SAINTは今後「classification importer」へ名称変更します

SAINT 001

しかし従来、このSAINT機能はキーとなる項目(計測されたデータの種類)が増えるたびに、そのキーとなるデータがどの分類に紐づくかをアップロードする必要があるため、キー項目が頻度高く増えるような場合は運用が追いつかない…といった課題がありました。

これが先日のアップデートにより大きく進化することとなり、上記のような課題をかかえることがなくなりました。

ルールベースSAINTとは?

先日リリースされたのはルールベースSAINTと呼ばれるもので、これまで対応ファイルをアップロードする必要があったものを、設定したルールに基づき分類項目を自動的に作成してくれるようになりました。

トラッキングコードやトラフィック変数に対して、SAINTの分類項目の設定を実施後、管理者画面より「ルールビルダー」というメニューに進むと、設定することができます。

ルールは変数ごとに作成することになり、変数ごとの設定の塊の中に複数のルールを設定することができます。キー項目に対するルールの一致条件は下記の4つとなります。

  • 次で始まる
  • 次で終わる
  • 次を含む
  • 正規表現

今回、特に大きいのは正規表現が利用できる部分です。これによりデータの文字列の詳細が決定していなくても、ある一定のルールさえあれば分類項目の振り分けができることが大きなポイントと言って良いでしょう。

そしてSAINTなので計測されたデータに対して過去にさかのぼりルールの適用を行うことができるのも大きな魅力と言えます。このルールベースのSAINTの場合は、ルール適用の際に過去6ヶ月まで指定をして適用を行うことができます。

これからはルールベースでメンテナンスいらずに

先ほど、SAINTはキー項目がアップデートされるようなものは、運用に若干負荷がかかってしまうことを触れましたが、この機能によりそういったものは気にする必要がなくなりました。

トラッキングコードであれば、デリミタを利用しながらきちんとしたトラッキングコードの体系で運用していれば、このルールベースSAINTのみで対応が可能となります。

例えばPrefix(接頭語)をチャネルコード、その次を媒体コードとしているようなケースで、デリミタにハイフンを利用しているような場合、正規表現を利用すればそのルールの分類でSAINT項目を簡単に作成することができるようになるわけです。

下記は実際に一定のルールに基づき設定をしたキャンペーンコードに対してのルール設定例となります。

SAINT Rule 002

これをテストデータで検証した画面が下記となります。アンダースコア(_)をデリミタとして綺麗に分割されて格納されていることがわかるかと思います。今まではこの対応表のファイルをアップロードする必要があったのが、ルール設定を駆使することで日々の対応は必要がなくなります。

SAINT Rule Check 003

これによりSAINTの運用から脱却できるようになるわけです。実際に広告に力を入れているお客様においては、このキャンペーンのSAINTの設定に時間がかかっていらっしゃるケースも多くあり、そのほとんどのお客様がこの機能を利用することで、メンテナンスいらずとなります。これは非常に大きな運用の変化と言えます。

SAINTはAdobe Analyticsにとって非常にパワフルな機能ですが、今回のルールベースSAINTの登場により、その利用の幅は非常に広がりました。価値ある分析にとって適切な分類項目は非常に重要です。その為にもSAINTをより活用して頂ければと思います。

 

筆者:安西 敬介 アドビ システムズ株式会社 コンサルティング部 シニアコンサルタント
2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、システムエンジニアとして予解約システムの開発、予約フロー設計に携わったのち、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛けた。その後は、同社内のマーケティング戦略立案支援やウェブ解析の導入や活用促進に携わった。オムニチュアへは2008年に入社。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。2009年アドビシステムズによる買収にともない現職。また、業界専門媒体などで積極的に執筆活動も展開している。Twitter:@ank

プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタント
2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、システムエンジニアとして予解約システムの開発、予約フロー設計に携わったのち、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛けた。その後は、同社内のマーケティング戦略立案支援やウェブ解析の導入や活用促進に携わった。オムニチュアへは2008年に入社。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。2009年アドビシステムズによる買収にともない現職。また、業界専門媒体などで積極的に執筆活動も展開している。学習院大学法学部卒。

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