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マルチローカリズム – ローカルでの体験が形成するグローバル意識 #AdobeStock

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旅行や国を超えた移住やテクノロジーの発展が加速する中、「世界」はより小さいものに感じられるようになり、人と人との繋がりもより強固なっていっているように感じられます。様々な文化に触れる機会が増せば、我々一人一人はより複雑なグローバルアイデンティティを持ち合わすことになります。それ故に、色々な文化への認識が深まることで、オーセンティックな一瞬を捉えたビジュアルへのニーズが高まっているようです。

このブログでは、“2018年に「マルチローカル」とは何を意味するか” について考えていきたいと思います。※ Adobe Stockマルチローカル ギャラリーはこちらからご覧になれまaす

▲ Blend Images / Adobe Stock.

「マルチローカル」とはなにか?

ある国で国籍の違う両親の間に生まれ、何度も違う国での生活を繰り返した場合、「どちらの国の方ですか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えますか? 「どこの国ではなく、どこがあなたにとっての地元か、そう聞いて欲しい」。Taiye Selasieは、彼女が出演しているTED Talkでそう話しています。結局は、どの文化、慣習、そしてどんな人間関係や環境が、あなたを形成してきたか、つまり、あなたにとっての「地元(ローカル)」かということが、どの国から来たのかよりも大切なのです。彼女にとっては、アクラ、ベルリン、ローマ、ニューヨーク、そしてニューデリーが「地元」。彼女のこのような経験こそが「マルチローカル」を意味するのです。

そして、このような複雑な「どこ出身か?」をテーマとしたデザインプロジェクトに取り組む時、「ハイブリッドであること」こそがベストだとアーティストのAstrid Stavrosは言います。 彼女はある日、故郷のトリエステにインスパイアされたフォント制作の依頼を受けました。トリエステはオーストリア、ローマ、スロベニアの近郊に位置するため、それぞれの影響を受け独自の文化を形成してきた地域です。そして彼女自身もマドリッド、ボストン、オランダ、ロンドン、バルセロナに住んだ経験を持っています。It’s Nice Thatの取材に対しAstridは「正直、私にとって、家はどこにもないんです」そう答えたことがあります。プロジェクトの制作にあたり彼女は、細くて太い形の異なる2つのバージョンのフォントをつなぎ合わせました。「フォントを併合させることで、異なるものの対比から生じる美しさを表現できたと思います。たとえば、静と動、何かと何かの境い目、新と旧、分裂するパーソナリティといったようなものでしょうか」、そうAstridは話します。

▲ Jossdim / Adobe Stock.

別のマルチカルチャーのアートプロジェクトの例もあります。ニューヨークのカリブ海 文化センター・アフリカ ディアスポラの研究所は、多様なコミュニティの創造性とその歴史を保全を行いたいと考えています。そこで彼らが用意した新しいARアプリ「Mi Querido Barrio (私の大切なコミュニティ) 」では、都市開発などで失われてしまった、活気のあるアートや今はない美しいランドマークを、通りを歩きながらもう一度見ることを可能にしました。

「マルチローカル」を旅する

多くの人にとって、複数の地元での体験がアイデンティティーや文化の形成につながっているため、旅行する人々は、これまで以上にユニークな場所での本物の出会いを求めています。そのため、単なる買い物や混雑した観光地よりも、クオリティ重視のゆったりとした旅行に対価を求める傾向にあります。 リサーチ会社のSkiftによると、旅行に対し、旅そのものの「意義」やそのプロセスの「簡単さ」、それを通じ自分自身の中で何かが「変わること」を期待していることがわかりました。

1つのトレンドとして、世界的に広がる“健康志向への動き”が良い例かもしれません。ヨガや、マインドフルネスや、クリーンイーティング(健康的食事)や、自己啓発に関連するものがそれにあたります。このトレンドをうまく抑えたものが、新しい「Lonely Planet Guide」の「The Place to Be」であり、コンセプトによって旅行計画を組めるように、静寂、幸せ、悟りなど、これまでになかったテーマ別に目的地を紹介しています。

また、別の例としては、マルチローカルや、常にグローバルを意識する人たち向けに、ラグジュアリートラベルブランドのBlack Tomatoが作ったBlinkがあります。このサービスでは、手つかずの自然が残る遠い場所に、テントやゲル、ツリーハウスなどプライベートの宿泊施設を跡形を残さないよう一時的に建て、これまで経験したことのないような環境での旅が提供されています。

イギリスに拠点を置くフォトグラファーでAdobe StockのコントリビューターでもあるAndy Smithによると、よりユニークな場所へ赴きたいというニーズは、ビジュアルカルチャーにおける大きなトレンドの1つでもあると言います。「テクノロジー主導の世界から逃げたい人の欲求が増え、物質的なものを所有するということからも遠ざかるトレンドが見られます。そのため、作ったりや体験したり、経験することができることを上手く表現したローカルのビジュアルが求められて行くはずです」、そうAndyは話してくれました。

「マルチローカル」の世界観を撮る

今回、Andyと一緒にロンドンの日常生活を記録するプロジェクトを行いました。この中で、Andyには様々なお店のオーナーや、待ち行く人々の写真を集めてもらいました。ポートレートとドキュメンタリースタイルが混在したコレクションから、マルチローカルな都市の様々な一面を垣間見ることができます。

▲ Andy Smith / Adobe Stock.

Andyが言うには、複雑な都市を尊重しながら、オーセンティックに撮影するということは、実はフォトグラファーの強みの1つだそうです。「写真家は、基本、好奇心旺盛であり且つ鋭い観察眼を持ち合わせているので、自分たちが住んでいるところをビジュアルを通して伝えるのが得意です」。

▲ Andy Smith / Adobe Stock.

※ AndyとAdobeの「マルチローカリズム」の作品はこちらからご覧いただけます

デザイナーとブランドが「マルチローカリズム」で気を付けるべきこと

世界を知り、オーセンティックな瞬間を求めるユーザーのニーズに応えるために、Adobe Stockのコレクションはきっと役立つはずです。「コントリビューターは世界中に散らばり存在しますし、各自自分たちの地域に精通しているため、オーセンティックなストックコレクションを形成するためには完璧なんだ」とAndyは言います。

デザイナーやブランド担当者にとって、マルチローカルのトレンドを抑えたビジュアルコミュニケーションを行う上で、そのビジュアルが微妙なバランス感を持ち合わせていることが大切です。そこにはローカルのありのままの生活が写し出されていると同時に、グローバルとのつながりを意識したものになっている必要があります。

▲ Monkey Business / Adobe Stock.

もっと「マルチローカリズム」を知るには

「マルチローカル」の世界を写し出したストックフォト作品の数々は、こちらAdobe Stcokの専用ギャラリーからご覧いただけます。引き続き、美しい複雑な世界に存在するオーセンティックなローカルシーンを捉えたアーティストたちを追っていきます。

 

今回ご紹介した作品は主に「プレミアムコレクション」と呼ばれる、ハイエンドな作品になります。これらはクレジットパックを使うことでお得にご利用いただけますのでご検討ください。

また、Adobe Stockでは、お求めやすい「通常アセット」を豊富にご用意しています。現在、通常アセットが毎月10枚利用いただける年間サブスクリプションが1ヵ月無料となるキャンペーンを引き続き継続中です。PhotoshopIllustratorなどいつものアプリから直接検索でき、カンプ作成で行った制作作業を無駄にすることなく高解像度画像への差し替えが一発でできるため、高い作業効率を実現できます。まだの方はこの機会にぜひお試しください。Adobe Stockについてさらに詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。

この記事は2018年5月1日に Brenda Milis により作成&公開された Multilocalism: Local Experiences Meet Global Consciousness の抄訳です。