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ビジュアルトレンド : 思わず二度見させる作品で注目を得る  #Adobe Stock

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ソーシャルで注目を浴びるためには、思わず二度見してしまうような作品を利用する手はありません。今回は、私たちの目を引こうとバランスやアングル、さらには意外な素材でもって遊び心を発揮しているクリエイターたちに注目していきます。彼らは、時に私たちの笑いを引き出し、時に不安を呼び覚ますなど、見る者を考えさせずにはおかないアーティストたちです。彼らの作品を活用すれば、売り上げアップにも貢献するかもしれません。

遠近感を変えて有名スポットを撮影

Rich McCorはpaperboyoで作品を発信する独創的な頭脳の持ち主。遠近法と切り絵を用いて有名な場所を思いもよらない形で見せてくれます。彼の手にかかると、凱旋門がレゴのミニフィギュアに、ロンドンアイが自転車の車輪に、エッフェル塔がウォタースライドに姿を変えます。

©Rich McCor (@paperboyo)

インスタグラムで同じような画像を山ほど目にするうちにpaperboyoのインスピレーションが湧いたというRich。「自分のフィードにビッグベンの画像がたくさん表示されたことがあって、繰り返し使われる有名スポットにちょっとうんざりしてしまったんです。」このことが、彼の最初のプロジェクト―ビッグベンを腕時計に変身させるという試み―につながりました。

©Rich McCor (@paperboyo)

Richはフォローしているインスタグラマーからも刺激を受けています。「私が最初にフォローしたアカウントの一つが、@mattscuttです。彼は建築物のユニークなアングルや遠近法を見つけるセンスが抜群で、彼の写真のスタイルに触れて、新たなアングルや眺めのいいスポットを開拓しようという気になりました。実際に始めてみると、新しい形が見えてくるようになりますよ」

Richの画像には、気軽で楽し気な雰囲気を醸しつつ、見つけた意外なアングルを存分に活かした作品が数多くあります。彼は、撮影の場所と時間に細心の注意を払い、出力したものに描き込みを行います。それでも、形になるアイディアが10件あるとしたら、うまくいかないものが2件はあるそうです。「風や建物の足場の問題、影などさまざまなケースがあります。今は現地に赴く前に、どんな感じに仕上がるのか、上手くいくのか、以前より判断がつくようになりました。それに、Photoshopを使って画像を処理してもいいと思えるようになり、主に被写界深度を出すための合成に使用しています」

Richが作品を通して発見したのは、自分の遠近感を狂わせられるのが楽しいという人が多いこと。「みんな世界の新鮮な見方を面白がってくれます。私の作品のことを、笑いを誘う写真、と言ってくれた人がいます。この一言で、自分のやっていることをこれからも続けていきたいと思いました」

©Rich McCor (@paperboyo)

素材もメッセージの一部

構図に思いがけないひねりを加えるといえば、素材使いの達人であるデザイナーのAlex Palazziです。「作品制作の際に楽しみなのが素材探しです。これまでにも食べ物やワックス、プラスチックや繊維を使用してきました。コンピューターでは生み出すことが難しい液状やぬるぬる、ねばねばした有機的な素材で遊んだり、そうした素材を組み合わせたらどうなるのかあれこれ試すのが本当に面白いんです」

Alexは、素材へのアプローチを行いつつ、2Dと3Dとの境界を超えた画像を創作することができます。最近の Adobe tutorialでは、Adobe Stockの画像と彼お手製のねばねばした物質の写真とを組み合わせ、どのように作品を作り上げたのかを披露しています。この物質は、チーズとハチミツとイカ墨からできているそうで、完成作品に独特の質感を添えています。

©Alex Palazzi

こうした試みが、心をかき乱す結果を生む場合もあります。たとえば、フォントはArial、素材は人間の肉体、というAlexのseries of letters。作品について、彼は次のように解説しています。「私はこれまでかなりスリムな方だったのですが、数年前、短期間ですごく太ってしまって…。痩せなければ、という状況でひらめいたのがこのプロジェクトです。Arialの書体の太さを人間の肉体としてビジュアル化する文字を作って減量に励むのは、よいアイディアではないかと思ったわけです。人々の反応はさまざまで、気持ち悪いだけだという人もいれば、面白すぎるという人もいますよ」

©Alex Palazzi

意外な素材の画像や試しに使う画像を探そうというとき、Alexは頭の中に浮かんでいるアイディアをもとに始めますが、時にはサーチ自体からアイディアが生まれることもあります。思いもよらないインスピレーションを得るための一番のコツは、題材や被写体ではなく、カラーパレットで検索してみること、だそうです。そして、気に入った画像は見つかったけれど、雰囲気を変えたいというなら、微調整を勧めています。「そこはPhotoshopとカラーグレーディングを使うに限ります。がらりと印象を変えたいとき、私は混合したさまざまなカラールックアップ、LUT(Lookup table)やブレンドモードのカラーブラシを使用しています」

考えさせる作品を得意とするアーティストに興味がおありの方は、一風変わった心をかき乱す構図についての記事をどうぞ。また、併せて、ルール破りのポートレート、Adobe Stockの美しいアンバランスな構図の作品を集めた今月の特集ギャラリーもぜひご覧ください。(この記事は2017年7月24日にAdobe Stock Team により作成&公開された Made You Look Twice: Playing with Perspectives and Materials の抄訳です。)