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3Dをデザイン制作に取り入れよう #AdobeStock

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Adobe Stockでは、3次元へ活動の場を広げているアーティストに着目しています。それには2つの大きな理由があります。1つは、新ツールの登場により、3Dを試してみたいというデザイナーにとって、3Dテクノロジーが開かれたものになりつつあること、もう1つは、いま現在あるいは近い将来に3Dでできることを積極的に取り入れようという2Dデザイナーやブランドが増えていることです。

皆さんは、そうとは気づかなかくても、おそらくたくさんの3Dデザインを既に目にしていることでしょう。たとえば、自動車の広告。現在、その多くは3Dツールにより制作されています。これは、現実の世界では絶対に存在しえないシーンのリアリスティックなビジュアルを目指し、3Dモデルを2Dや3Dのグラフィクスと合成するツールです。初期から3Dを盛んに採用しているといえば、Ikeaもそうです。今やそのカタログの大部分はコンピューターグラフィクスで作られており、同社によれば、次の段階は完全にバーチャルなものにする、とのことです。

3000ad / ADOBE STOCK

アドビのプロダクトマネジャーであり、3D業界ではベテランであるChantel Bensonによると、3Dの活用には多くの利点があり、コストがかさむ煩雑なロケ撮影を行わずにすむばかりか、将来の可能性も大きく広がると言います。彼女はIkeaを例にとって次のように語っています。「3Dモデルを使えば、2Dのウェブサイトなどの静的なマーケティングツール以外にもコンテンツの用途が出てきます。同じ椅子やカップ、窓周りの装飾を没入型のショッピング体験にも活用できるので、Ikeaはこのトレンドを積極的に取り入れているんです」

3Dへのシフト

他に3Dデザインに移行しつつある職種といえば、グラフィックデザイナーです。彼らはいちはやく3Dを採用し、ブランディングの制作でロゴ、ボトルや箱のパッケージデザインなどをビジュアル化する場合、また、インフォグラフィックスを作成する場合に3Dツールを使用しています。一方、デジタルアーティストは3Dデザインのクリエイティブな方面でその可能性を探っています。

グラフィックデザイナーのMichael Dolanは、クライアントから依頼される仕事のほかに、「芸術のための芸術」を3Dで実践しています。「仕事から離れて創作に没頭するのは楽しいですね。意欲をかき立てられるようなものを目にすると、自分でも作ってみたくなるんです。それに、商業的なプロジェクトでも3Dを使っています。テーブル上にスマホやデバイスを表現したモックアップに便利です。私は画像を購入し、アプリのUIに入れ込んだりします。 テーブルの写真を撮り、そこにデバイスを置くということも可能です」

peshkov / ADOBE STOCK

2Dでキャリアを築いてきた場合、3Dデザインへのシフトは厳しいのでしょうか?3Dに熟達していないけれど、フォトリアリスティックなシーンや製品ショット、抽象アートを実現するため2Dと3Dのアセットを合成したい、というデザイナー向けのAdobe製ツールProject Felixのチームと共に、その構築に携わっているChantelに訊ねてみました。「最初は怖気づくかもしれませんが、2Dのスキルがあれば3Dへのシフトはスムーズにいくでしょう、むしろ有利なスタートを切れるくらいです」と彼女は言います。

「私はデザイナーの方々に、皆さんは既に3Dの頭で考えているんですよ、と伝えています。それは、イメージの見え方、あるいはイメージがどう見えるべきか、を深く理解しているからです。たとえば、陰影やライティング、色の明度が合っていないとき、彼らはすぐに気づきます。いくつものフラットな画像を複合的に合成する際にそういった問題に直面するので、2D合成の間違いを見つけだすエキスパ―トなんです。ここの影をどう作ろう?主役となるオブジェクトの写真はどうすればぴったり正確な位置になるのか?Felixのようなソフトで作業を行えば、こうした問題から解放され、特定のアングルで何かにそっくりなものを作るためにあれこれトリックを覚えなくても、位置や配置、ライトや陰影などを反復的に調整することができます」

Holmessu / ADOBE STOCK

3Dが次に目指すところは?

ChantelはFelixに携わり、人々がどのように3Dを使いこなすようになるのか、その過程を見てきました。そして、作品がどんどん進化していくことに驚いています。

「コンテンツクリエイターが制作したものを見ると本当にうれしくなります。ここ数年、Felixの一連の機能が拡張しているので、Felixを使用した画像は多様性や奥深さも増しています」。こうしたコレクションはInstagramやBehanceでご覧いただけます。

今後についてChantelは、Pokémon GOやAugment for Salesforce※ などの没入型エクスペリエンスの増加も含め、3Dデザインの大きな発展を想像しているとのこと。「スマホでのネットサーフィンやお気に入りのIP(インフォメーション・プロバイダー)との情報のやりとりの方法の一つになりつつあるAR(拡張現実)と共に、既にそうした発展は始まっています」

※拡張現実で製品をビジュアル化するアプリ。それにより、現実の環境で製品をバーチャルに試すことができる

unlimit3d / ADOBE STOCK

今後も、3Dでの制作とはどのようなものなのかデザイナーたちにお話を伺い、3Dデザインにおけるモデルやマテリアル、ライトやテクスチャーの作成プロセスの裏側を覗いていきます。ぜひ引き続き本ブログをお楽しみください。Adobe Stockの3Dアセットのマーケットプレイスや特集ギャラリー、3Dにインスパイアされたストックも併せてご覧ください。

(この記事は2017年8月9日にAdobe Stock Team により作成&公開されたStepping into the Third Dimensionの抄訳です。)