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創造的問題解決能力の育成:#DesignJimoto x #NextSwitch デザインワークショップ 開催レポート!

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皆さん、こんにちはCreative Cloud Community Managerの武井史織です。
なかなか痺れる寒さですが、ご機嫌いかがでしょうか?
気仙沼魚市場カジキマグロの長ーく鋭い剣みたいに伸びた部分を「吻(フン)」と呼ぶそうです。そしてなんとも非常に凶暴な性格だそうで、水揚げされるとすぐにこのフンは切られてしまうということで、気仙沼市場には「フン」が無い、ちょいとぼんやり顔になってしまったカジキマグロが所狭しと並んでいました。
というわけで、地場産業にまつわる雑学も増やしながら今回は宮城県気仙沼へ行ってまいりました。

今回は気仙沼を拠点とする地元パートナーPensea Next Swtich と連携して、公立の気仙沼市唐桑中学校の美術の時間3時間をジャックして問題解決型イベントDesign JimotoStudent版ワークショップを開催しました。Adobe Design Jimoto とは?

Movie & Photos:菅原結衣

ワークショップ開催の背景

学校現場における創造的問題解決能力について、アドビが米国・英国、ドイツ、日本でアンケート調査を実施したもので、日本実施は、教員(小・中・高・大)400名と教育政策関係者100名を対象に実施された調査結果です。『学校で「創造的問題解決」を学ぶことは、人口知能(AI)の発達等に伴う自動化が進む時代において将来のお仕事に備えるために重要であると認識されている。
しかし、日本の教育現場では、ツールや研修、知識習得の機会が十分でないと感じている教員が他国と比べて多く、また授業で使えるソフトウェアやツールが全くないと感じている教員も他国と比べて圧倒的に多い』という調査結果が出ました。
激動に変化するこの時代、産学一体となり、地元団体・学校と連携し、教育現場に向き合えるデザインワークショップを実施出来ないかと考えたのがきっかけでした。

 Adobe Design Jimoto with Next Switch

今回はプロ向けではなく、『Design Jimoto Student with Next Switch』と題し、Student版として開催!舞台となるのは、ユネスコ認定も受けている気仙沼市唐桑中学校!クリエイティブを軸にまちづくりに関わることで自分が住む地域の理解とオーナシップを育むことを目的としています。

 お題の背景

地元団体と色々話し合った結果、現在気仙沼にはシンプルなデザインの町ブランド紙袋が多いとのこと。用途に応じて使い分け出来るように他にも町の魅力がぎゅっと詰まったブランド紙袋があったら嬉しい!と言うことで、今回のお題はこちら!

前日の授業:クリエイティブツール学びの場

イベント前日にツールに対する知見を高めてもらうため、事前準備としてモバイルアプリなどの使い方を生徒の皆さんには学んでもらいました。またせっかくの機会なので、ツールのお話だけではなく、アドビと言う会社での私の働き方や、なぜこういった活動をしているのかなどを生徒の皆さんにお話させてもらいました。

唐桑中学校美術担当の熊谷岳哉先生から今回のワークショプの説明!
アドビという会社での働き方を生徒さんたちにお話中の私。
デザインワークショップのチーム名に相談中!
CCエバンジェリストの仲尾さんからモバイルアプリの説明!
モバイルアプリAdobe Capture CC でキャプチャするためのイラスト描き!
新しいデザインツールに触れて笑顔が溢れます!

イベント当日

大寒波到来のためイベント当日、外は銀世界が広がっていました!それでも生徒さんたちは元気いっぱいで参加です!

銀世界の唐桑中学校に到着!
さすが東北の生徒さんたち!寒さなんてへっちゃらで朝から雪かきしてくれました!
会場は体育館!寒波のため、私たち司会進行のマイク持つ手も冷え冷えです。デザイン制作タイムまでに早く温まりますように!
今回の主催パートナーNext Switchのあゆみさんから改めてコンセプトの説明!
唐桑中学校校長先生から生徒たちに応援の言葉!
マルオフィス代表の加藤 拓馬さんが熱量いっぱいのアイスブレイクで会場を温めてくれました!

デザイン制作プロセスとプログラム全体の流れ

町の魅力の話し合い(再認識)イラスト描き(モバイルアプリAdobe Capture CC)紙袋デザインを作成(Adobe Illustrator CC)出来上がったデザインが実際使われるとどう見えるのかデジタルモックアップ制作(Adobe Dimension CC)発表会(アイディアを自分の言葉で伝える)会場全体で全員投票最優秀賞を気仙沼市長から発表町ブランド紙袋デザイン決定!

ユーロポートさんにご協力いただいた優勝の楯はどこのチームの手に!

チーム編成:中学生クリエイター&宮城県プロデザイナー

今回の参加者は唐桑中学校2年生41名が8チームに分かれ、各チームに宮城県で活躍中のプロデザイナーがついて気仙沼の魅力についてまず話し合い、町ブランドの紙袋デザインに挑戦してくれました!今回の制作の鍵は何と言ってもコミュニケーションとチームワーク!

あくまで今回のワークショップの「主役」は生徒達ということで、デザイナーさんたちは、生徒たちのアイディアをどう広げるか、どう発展させるか、チームワークをどう機能させるか、そして最重要項目、イラストとして出てきた町の魅力をどう最終デザインに落とし込むか、普段の制作環境+αを必要とする大変なミッション。なんともチャレンジングな大きな役割を果たしてくれました。 今回のワークショップに参加してくれた宮城県デザイナーさん達をご紹介!参加に向けてコメントをもらいました!

 

 

Ayu Shirata/白田 亜悠さん:斉吉商店
「2016年に気仙沼市に移住し、フリーのグラフィックデザイナーとして活動しています。中学生と一緒に気仙沼の魅力を沢山発見できるイベントになればと思います。」

Maki Onodera/小野寺 真希さん:気仙沼まち大学運営協議会
「地元でデザインのワークショップができることがとても嬉しくて、ワクワクしています!気仙沼の中学生の皆さんとなら、素敵なオリジナルデザインを作れる気がします。」

Akiko Takano/高野 明子さん:WALTZ by Lucy
「宮城県仙台市生まれ。生活の中で、デザインやアートに触れた時に、ワルツを踊リたくなるような瞬間を生み出すことをコンセプトに、企画やデザインに取り組んでいます。」

Tatsuya Watanabe/渡辺 竜也さん
「東北芸術工科大学卒業。2017年TAKAIYAMA inc.を経て独立。グラフィックデザインを中心に、VI、CI、サイン計画、パッケージデザイン、など幅広く活動。」

Nao Kato/加藤 尚さん
「訪れる度に魅力的な人々と景色にパワーをもらえる気仙沼のショッピングバッグ制作に参加でき嬉しく思います!ワクワクドキドキしながら一緒にデザインしましょう!」

Akitoshi Nembutsu/念佛 明要さん
「はじめまして、念佛明要です。珍しい名前ですが本名です。普段は「地域・こども」をテーマとしたイラストやデザイン制作をすることが多いです。よろしくお願いします。」

Masayo Sekiguchi/関口 雅代さん:東松島市役所復興政策課
「中学生だった頃を想像しました。私は、大好きな美術の先生に「君は絵の世界で生きていきなさい」と言われて、それからず~っと絵を描いたり、デザインをしたりして、育っていきました。このまえ、その先生にあったら、「そんな責任とれないような事言わないよ~!」って言われたんですよ~笑、記憶違いだったのかもしれないし、先生があえてそう言ったのか、分からないけど、私はその先生のおかげでこういうお仕事に出会い、こうして今日皆さんと一緒に素敵な教室に居れるんです。些細な出会いが、君たちに大きな影響を与えたりするかもしれない。今日のこの日だけじゃなくて、毎日を興味深く大切に過ごして下さい。きっと、大人になった時、あなた達のような素敵な子供に会えますよ♪」

そして、元々参加予定だったデザイナーさんが大雪のため参加できず、当日急遽代打デザイナーとして参加してくれたのは!
Izumi Morita/森田いづみさん:昭和女子大学 生活科学 環境デザイン学科

 

町の魅力の話し合い

町のオーナーシップを持つことも今回のデザインワークショップの目的のひとつです。紙袋のデザインのモチーフとなる町の魅力について、各チームまずは方向性を決める話し合いをし始めました。

改めて町の魅力について考えると出てくる出てくる!
各自が考え、調べたものを持寄ります!

デザイン制作スタート

話し合いで各チーム方向性がまとまったら、早速イラスト制作です。

紙とペンで自分たちの考える町の魅力のイラストを描きます。

 

描いたイラストをモバイルアプリのAdobe CC Captureでデジタル化!
モバイルアプリAdobe Illustrator Drawで色をつけていきます!
チームワークが一番大切!
デザインのカラーパレットを話し合うのも大切なこと!

Adobe Dimension CCを使ってデジタルモックアップ作成!紙袋デザインが少し完成してきました!

作品発表会

発表会には、気仙沼菅原市長も審査員として参加!

発表会前には気仙沼市長も到着し、デザイン発表に向けての期待のお言葉をもらいました。
限定招待された一般のお客さんも迎えて各チーム自分たちのデザインをプレゼンします!
プレゼンはAdobe Dimension CCの画面上でデジタルモックアップを回転させながら行います!(チームBonitoの作品!)

投票&表彰式

会場の参加者全員で投票!Next Switch昆野さんが投票を集めます!
投票直後にMaru Officeさんチームがテキパキと集計してくれています!

そして、ついに集計の結果・・・!
Adobe Design Jimoto with Next Switch 優勝チームが気仙沼市長から発表されました!

おめでとうございます!会場全員投票の結果、優勝したのはチーム佐々木教!
Next Switch賞を受賞したのは、チームTeam!!
そしてAdobe賞を受賞したのは、チームDangerous!

アイディア&作品掲載ページ

生徒さん、デザイナーさんの想いのぎっしり詰まった全ての作品は、こちらBehaneにまとめてありますのでから是非ご覧ください!

世界中のクリエイターが作品発表に利用するBehanceオンラインプラットフォーム!

 まとめ

100の理論よりも1度の経験が子ども達のこれからの人生の判断基準となり、選択肢を増やすことに繋がるのだと考え活動してきました。

企画を始めてから気仙沼の視察、そして何度となく重ねた打ち合わせ、1年以上温め続け、今回のパートナーNext Switch歩さんとの熱い『想い』がやっとこうして形になりました。イベント後に、「今までデザインの仕事なんて考えたこともなかったけれど、やってみたい!」と発言してくれた生徒さん達がいました。子どもたちにとって、きっかけさえあれば、多くの選択肢を持てることに繋がるのだと改めて今回の現場を通して実感しました。劇的に変動する時代の中で、場所にとらわれることなく柔軟に自分の「在りたい姿」を描けるよう、クリエイティブを活かし活躍する人が増えることを期待しながら、さらに活動を続けていきたいと思います。

また、気仙沼には本当に素晴らしい人材が揃っていて、運営をするにあたって自ら手を上げてサポートしてくれたマルオフィスの皆さん、たっぷりの熱量を持ち込んで素晴らしい作品を作り上げてくれた参加デザイナーのみなさん、菅原市長を始めとする気仙沼市役所の方々、唐桑中学校の教職員の方々、また大雪の中駆けつけてくれた取材陣の方々、皆さまのおかげで素敵なイベントを実施することができました。本当にありがとうございました。ここでの繋がりから更なる新しいプロジェクトが生まれることを期待しています!

展示会のお知らせ

今回は特別協力として、気仙沼にある俳優渡辺謙さんのカフェ K-portさんにて、1ヶ月間の展示会を開催していただけると言うことです!是非お近くの方は足を運んで、実際に紙袋モックアップとなったみんなの想いのたっぷり詰まった紙袋デザインを見てみてください◎

様々なデザインが壁を飾ります!

  AUTHOR

Shiori Takei

◎ 武井 史織|Shiori Takei アドビのクリエイティブ製品Creative Cloudのコミュニティマネジャー。世界100都市以上で開催する延べ30,000人のクリエイターが参加するコミュニティーイベント『Adobe Creative Jams』のアジア開催を主宰。また、「デザインの力」と「地域活性」や「教育」を掛け合わせた課題解決型プログラム『Adobe Design Jimoto』を立ち上げ、各地域のクリエイティブコミュニティーや地方自治体と連携し、産業を横断したさまざまな場づくりを手がける。