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ベテランほど知らずに損してるPhotoshopの新常識(1)「あ、それ、今のPhotoshopならこうします!」

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「あ、それ、今のPhotoshopならこうします!」
グラフィックやWebの制作には欠かせないツールとなっているPhotoshop。バージョンアップによって日々繰り返し使うちょっとした操作が機能強化されています。とはいえ、アドビ製品の使用歴が長いユーザーほど、日々の仕事に追われ、じっくり使い込む時間がなかなか取れないことと思います。知っていれば早く終わりキレイに仕上がる、最近のPhotoshopでおさえておきたい機能を連載でご紹介します。

チェックリスト

今回は4つのチェックリストを用意しました。まずは、このチェックリストをご覧ください。

  • □ 背景レイヤーを解除するのに、ダブルクリックしてダイアログボックスを出して[OK]ボタンをクリックしている
  • □ オプションバーやパネルの値の調整を、テンキーから行っている
  • □ ブラシサイズの変更を数値を使ったり、[キー(]キー)で行っている
  • □ カンバスサイズを変更するのに、[カンバスサイズ]ダイアログボックスを開いて、数値を指定している

いかがでしたでしょうか? チェックの数が多いほど、「ベテラン病」にかかっています… それでは、各項目ごとに解説してきましょう。


背景レイヤーを解除するのに、ダブルクリックしてダイアログボックスを出して[OK]ボタンをクリックしている

「背景」レイヤーは透明部分を持つことができない特別なレイヤーです。そのため、よく見ると「背景」の文字に斜体がかかっています(自分で「背景」と付ける場合とは扱いが異なります)。

透明部分を持たせたり、レイヤーの移動を行うため「背景」レイヤーを解除するのに、「背景」レイヤーをダブルクリックして[新規レイヤー]ダイアログボックスを出していませんか?

ダイアログボックスを表示するのは誤りではありませんが、「背景」レイヤーをoptionキー(Altキー)+ダブルクリックすれば、[新規レイヤー]ダイアログボックスをスキップすることできます。

さらに、Photoshop CC 2014以降は、「背景」レイヤーにあるカギのアイコンをクリックして解除することができます。

オプションバーやパネルの値の調整を、テンキーから行っている

Photoshopに限らず、オプションバーやパネルの値の調整(増減)させるには、テンキーから値を直接入力します(アプリケーションによっ てスピンボタンなどもあります)。その際、Photoshopでは全角数字は受けつけてくれませんので、半角モードにしておくのも面倒です。

直接入力のほかに、マウスやカーソルキー(矢印キー)を使う方法があります。

  • 項目名(アイコン)上でドラッグ(スクラブスライダー)
  • 値の上でマウスホイールをぐりぐりする
  • 値を選択し、カーソルキーを押す

なお、shiftキーの併用で増減のステップ幅が変わります。

スクラブスライダー マウスホイール カーソルキー
shift+ 10倍(キーを併用しない場合、0.1ずつ増減する場合)
20倍(キーを併用しない場合、1ずつ増減する場合)
optionキー
(Altキー)
ゆっくり増減

スクラブスライダーのみ、optionキー(Altキー)を併用するとゆっくり増減します。

ブラシサイズの変更を数値を使ったり、[キー(]キー)で行っている

ブラシサイズの変更は、[ブラシツール]に限らず、多くのツールで多用しますが、オプションバーで選択したり、数値入力するのは面倒です。

また、[キー(小さく)、]キー(大きく)などのキーボードショートカットがありますが、ブラシサイズの増減はよいとしてもshiftキーを併用したときの[硬さ](ボケ足)の調整は視覚的に確認することができません。

項目名 意味 短く/小さく 長く/大きく
直径 ブラシサイズ [キー ]キー
硬さ ボケ足 shift + [キー shift + [キー

control+option+ドラッグ(WindowsではAlt+右クリックでドラッグ)することで、水平方向ドラッグはブラシサイズ(直径)、垂直方向ドラッグはボケ足(硬さ)を視覚的に確認しながら変更することができます。

描画色/背景色には影響されず、変更時には赤く表示されます。

カンバスサイズを変更するのに、[カンバスサイズ]ダイアログボックスを開いて、数値を指定している

カンバスサイズを変更するのに、[カンバスサイズ]ダイアログボックスを利用するのは、当たり前中の当たり前です。
しかし、数字での設定は“このくらい”というアタリでの設定に弱く、また、半角で入力しなければならないのも面倒です。

[相対]オプション

[カンバスサイズ]ダイアログボックスの[相対]オプションを使うと、カンバスの実サイズでなく「どのくらい増やしたいか」を入力することができます。

  1. [相対]オプションにチェックを付ける
  2. 必要に応じて[基準位置]を設定する
  3. 増やしたい数値を[高さ]または[幅]に入力する

たとえば、カンバスに下方向に200ピクセル広げたい場合には、次のように設定します。

なお、Photoshop CC 2015のアートボードを使っている場合、挙動が若干トリッキーです。

[切り抜きツール]の利用

[相対]オプションは、かなり昔のPhotoshopから実装されていますが、Photoshop CC以降に可能になった[切り抜きツール]を使ってカンバスを拡張することができます。[切り抜きツール]という名称からすると意外ですが、この方法が一番スピーディです。

[切り抜きツール]に切り換えると、カンバスの四隅と各辺の中央に「ハンドル」が表示されます。このハンドをドラッグしてカンバスサイズを変更することができるのです。

広げた領域のカラー設定(カンバス拡張カラー)

「背景」レイヤーの場合には、広げた領域のデフォルトは「背景色」になります。[カンバス拡張カラー]で変更することができます。

まとめ

今回は、「背景」レイヤーの解除、値やブラシサイズ、カンバスサイズの調整についてご紹介しました。

  • 背景レイヤーを解除するには、[レイヤー]パネルの鍵アイコンをクリックするのが最もスピーディ。
  • オプションバーやパネルの値の調整には、スクラブスライダー、マウスホイール、カーソルキー(矢印キー)が使える。shiftキーの併用も要チェック。
  • ブラシサイズ(とボケ足)の調整は、control+option+ドラッグ(WindowsではAlt+右クリックしながらドラッグ)して、視覚的に行うのがベスト。
  • カンバスサイズの変更には[切り抜きツール]が使える。

いずれも、一度知ったら戻れないものばかりだと思います。ぜひ、日々のお仕事に活かしていただけると嬉しいです。

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鷹野 雅弘

1996年にDTP制作プロダクション「株式会社スイッチ」をスタート。 その後、Web制作、 コンサルティング業務にシフト。トレーニングやテクニカルライティング、書籍の企画や編集なども行っている。CSS Niteなどのセミナーイベントを企画運営のほか、DTP情報サイトDTP Transitを2005年から継続している。 テクニカルライターとして20冊以上の著書を持つ。主な著書に『10倍ラクするIllustrator仕事術(増強改訂版)』(共著、技術評論社)ほか。