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ベテランほど知らずに損してるPhotoshopの新常識(3)“ふわふわ/もこもこ”も、どんと来い![選択とマスク]で実現するスピーディな切り抜き

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人物や商品写真の切り抜き作業。いにしえからのPhotoshopperは、まずはパスを切ったり、チャンネルを使って選択範囲を作成されると思いますが、それなりに時間がかかります。

今回は、“ふわふわ/もこもこ”にも対応しつつ、スピーディに切り抜くために、[選択とマスク]ワークスペースを使ったワークフローをご紹介します。

 

サンプルファイルは、鳥取砂丘で撮影したこちらの写真です(協力:山陰デザイン会議)。

before-after

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おおまかな流れ

切り抜き作業を[選択とマスク]ワークスペースを使って行うには、次のような手順で進めます。

  1. [選択とマスク]ワークスペースに切り換える
  2. [クイック選択ツール]でドラッグして、選択範囲を作成する
  3. [境界線調整ブラシツール]でふさふさしている部分をドラッグする
  4. [出力先]を選択し、[選択とマスク]ワークスペースを終了する

flow

少し詳細な手順

それでは、細かくみていきましょう。

  1. 画像を開き、[選択範囲]メニューの[選択とマスク]をクリックする(キーボードショートカット:command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキーを使うこともできる)
  2. [選択とマスク]ワークスペースに切り替わり、画像が薄く表示される(オニオンスキン表示)
  3. 左上のツールバーでは[クイック選択ツール]が選択されているss-665-20161024-131656-s
  4. 残したい領域をドラッグする(不要な部分はoptionキー/Altキー+ドラッグすると選択範囲から削除される)ss-840-20161024-153119
  5. [オーバーレイ]に切り換えると、選択範囲を確認しやすいss-2988-20161024-131826-s
  6. [境界線調整ブラシツール]に切り替え、ブラシサイズを調節しながら“ふさふさ”したエッジの箇所をドラッグする(必要に応じて、拡大縮小やスクロールしながら)
  7. ひもの部分など、かけてしまっているところをドラッグする(“ひも”だけが抽出される)ブラシサイズの調整は、第1回でご紹介した「キーボードショートカットでブラシプレビュー」を呼び出す方法がオススメです。
  8. [出力先]に「レイヤーマスク」を選択し、[OK]ボタンをクリックするss-832-20161024-132052-s
  9. [レイヤー]パネルを開くと、レイヤーマスクが追加されていることが確認できるss-608-20161024-132108

切り抜きの精度を高めるために

あらかじめ切り抜きたいレイヤーの背面にべた塗りレイヤーを用意し、画像内で使われていないカラーを指定しておくと、切り抜きの精度を上げるのに役立ちます。

  1. [レイヤー]パネルで、「背景」レイヤーのロックアイコンをクリックss-680-20161024-145453
  2. 「背景」レイヤーが「レイヤー0」になるss-608-20161024-145922
  3. [レイヤー]メニューの[新規塗りつぶしレイヤー]→[べた塗り…]をクリックss-1107-20161024-145601
  4. 「べた塗り1」レイヤーを「レイヤー0」の背面に移動ss-608-20161024-145739
  5. [選択とマスク]ワークスペースを起動
  6. [表示モード]を「レイヤー上」に設定するss-775-20161024-150043
  7. 「べた塗り1」レイヤーに設定したカラーが透けるようになり、切り抜きの結果を確認しやすくなります。ss-2192-20161024-150052-s

レイヤーマスクの調整

[選択とマスク]ワークスペースを使って切り抜きを行った後、微調整を行うには、レイヤーマスクを調整します。

レイヤーマスクのサムネールをクリックして選択し、ブラシツールで調整します。白で塗れば表示、黒で塗れば非表示になります。Xキーで切り替えながら進めます。

その際、[回転ビューツール]で、カンバスを回転させると腕の動きに沿って描きやすくなります。

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[回転ビューツール]に切り換えるには、第2回ご紹介した(バネ仕掛けのツール切り替え)で、Rキーを使うことができます。

[選択とマスク]ワークスペースの起動

[選択とマスク]ワークスペースを起動するには、次の2つのほか、いくつかの方法があります。

  • [選択範囲]メニューの[選択とマスク]をクリックする
  • キーボードショートカット:command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキー

選択系のツールを選んでいるとき

[長方形選択ツール]、[なげなわツール]、[クイック選択ツール]などの選択系のツールを選んでいるときには、オプションバーに[選択とマスク]ボタンが表示されます。

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[選択とマスク]ボタンをクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

レイヤーマスクをダブルクリック

レイヤーマスクを設定しているとき、[レイヤー]パネルでレイヤーマスクアイコンをダブルクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

ss-608-20161024-151557

環境設定の[ツール]カテゴリ内、[レイヤーマスクをダブルクリックしたときに選択とマスクワークスペースを起動]オプションがオンのときに限ります。

ss-1322-20161024-231507-s

[属性]パネルから

レイヤーマスクを設定しているとき、[属性]パネルで[選択とマスク…]ボタンをクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

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小さいまとめ([選択とマスク]ワークスペースの起動)

[選択とマスク]ワークスペースの起動には、次の方法があります。

chart

どの状態でも可能なキーボードショートカット(command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキー)がオススメです。

まとめ

[選択とマスク]ワークスペースを使った切り抜きをご紹介しました。非常にスピーディに作業することができます。

  • “ふわふわ/もこもこ”の切り抜きに[選択とマスク]が最適
  • 出力先を「レイヤーマスク」にしておくと、後から調整しやすい
  • [選択とマスク]ワークスペースを起動するには、キーボードショートカットがオススメ(command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキー)

ぜひ、サンプルファイルやお手持ちの画像で試してみてください。

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鷹野 雅弘

1996年にDTP制作プロダクション「株式会社スイッチ」をスタート。 その後、Web制作、 コンサルティング業務にシフト。トレーニングやテクニカルライティング、書籍の企画や編集なども行っている。CSS Niteなどのセミナーイベントを企画運営のほか、DTP情報サイトDTP Transitを2005年から継続している。 テクニカルライターとして20冊以上の著書を持つ。主な著書に『10倍ラクするIllustrator仕事術(増強改訂版)』(共著、技術評論社)ほか。