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Inspiration on Behance | 日本のクリエイター名鑑 Vol.10 イラストレーター:Hiroyuki Izutsu

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世界最大級のオンライン ポートフォリオ サービス、「Behance」。グラフィック、イラスト、3DCGなど、さまざまなジャンルのクリエイターが登録し、自身の作品をプレゼンテーション中。クリエイターもクライアントもワールドワイドなだけに、海外からのオファーがあることも。この連載では、日本で「Behance」を活用しているクリエイターをご紹介していきます!

本日ご紹介するのは、イラストレーターの Hiroyuki Izutsu 井筒啓之さん(https://www.behance.net/izutsu)。浅田次郎「鉄道員(ぽっぽや)」、酒井順子「負け犬の遠吠え」など、大ベストセラーのカバーイラストや、ANA『翼の王国』での連載など、大活躍されているイラストレーターさんです。


Works for digital print

ーまず、イラストを始めたきっかけは何でしたか?
Izutsu:子供の頃から絵を描くのが好きでマンガ家になりたかった。その後アニメーターになったけれども21歳の頃に方向転換してイラストレーターを目指しました。当時はセゾン文化という大きな潮流があって現代美術の影響なども受けたと思います。簡単に言うと一枚に時間をかけて絵を描くという事に興味が移っていった感じです。


Works for digital print

ーご自分でも思い入れのあるプロジェクトは?
Izutsu:自分のキャリアの中から代表的なものを選んでいるのでどれもが思い入れのあるプロジェクトなのでどれもこれもですが、やはり枚数の多いものは時間がかかっているのでその分思い出がたくさん詰まっています。(連載小説に描いたイラストレーションは300枚〜600枚近くあります)

ーBehanceを使い出したきっかけは?
Izutsu:BehanceとAdobeのイベントでIC4DESIGNが参加しているのを知ってすぐにアカウントを作りました。Behanceの事はよく知りませんでしたが使いはじめの2ヶ月ぐらいで一気に80,000ビューという数字と何通もの問い合わせに驚き本腰を入れました。


”Woman sees a woman of Kabuki” Sakai Junko Author. Hiroyuki Izutsu illustration
2014production. Bungeishunju Ltd.

ーBehance経由でこんなところと繋がった!仕事が来た!なんてことがあったら教えてください。
Izutsu:ブラジルやメキシコ、アイルランド、など普段の生活とは縁遠い国からの仕事はさすがBehanceだな〜と思います。今現在もイギリスの食料品関係の仕事をしています。

 


“That I learned to Hideki Matsui” Kodansha Ltd. Ijuin shizuka copyright..Keisuke Nagatomo design.Hiroyuki Izutsu illustration. 2007 「ヒデキくんにおそわったこと」伊集院静 著 長友啓典 装丁 井筒啓之 イラストレーション 講談社 2007年

ーBehanceに登録する際のTipsなどがあれば教えてください。
Izutsu:とくにTipsというほどのことではないですが、数をまとめてシリーズのようにして見せるようにしています。3,4枚を並べるよりは見てもらえるチャンスが多いですね。


Adventure over the sky

ーBehanceで良く見ているクリエイターがいたら教えてください。
Izutsu:
IC4DESIGN https://www.behance.net/IC4DESIGN
目黒ケイ https://www.behance.net/keimeguro
木内達朗 https://www.behance.net/kiuchi
高橋常政 https://www.behance.net/tsunet
Ritsuko Izutsu https://www.behance.net/RitsukoIzutsu
Pablo Jurado Ruiz https://www.behance.net/pablojuradoruiz

ーモチーフを選ぶ際に考えていることや、描く際に「描くもの、描かないもの」という取捨選択はどう行われているのでしょうか?
Izutsu: 僕のモチーフは大まかに「人物」「風景」「植物」「動物」に分かれています。頂いた仕事によってどれを取り上げれば最適かを考えます。
「描くもの」は伝えるために必要最低限のものだけで、それ以外は「描かないもの」になります。

ークライアントワークと、ご自身で描かれる作品で取り組まれる際の違いはありますか?
Izutsu: クライアントワークは報酬を頂きますから天と地ほどの違いがあります。だから最高のプロフェッショナルワークを心がけます。オファーがない自身のための絵を描いても世間的には全く価値のないものと認識しています。なので趣味みたいなものです(ですからほとんど描きません)

ー何か告知されたいことがありましたら!
Izutsu: 2016年12月に絵本が刊行されました。岩崎書店から「もんだい」というタイトルの絵本です。毎日新聞の朝刊に連載されている浅田次郎氏の小説「おもかげ」にイラストレーションを描いています。8月頃まで続きます。

年末にオファーを頂いた海外からの仕事ですが、来年そうそうBehanceでお披露目出来ると思いますのでよろしくお願いいたします。また、3月に外苑前のギャラリーハウスマヤで個展を開きますので是非見に来て下さい。

クライアントワーク/自主作品ともに、やわらかくも鋭いタッチのイラストを手がけておられる井筒さん。普段はPhotoshop CCを使っているのだそう。自らの感性がそのまま表出される、イラストレーションの世界。井筒さんはプロ意識高く、いつも新鮮な気持ちでお仕事に取り組まれているようです。

■Hiroyuki Izutsu

1955年生まれ。香川県で生まれ東京で育つ。1984年日本イラストレーション展入選。1998年講談社出版文化賞さし絵賞受賞。主な仕事・浅田次郎著「鉄道員(ぽっぽや)」、酒井順子著「負け犬の遠吠え」、伊集院静著「ぼくのボールが君に届けば」柳美里著「8月の果て」等のブックカバーイラストレーション。地方新聞連載 阿久悠「恋歌書き」、藤堂志津子「花婚式」、藤堂志津子「海の時計」、朝日新聞連載 柳美里「8月の果て」、毎日新聞連載津島佑子「葦舟、飛んだ」のさし絵連載ほか。

http://izutsuhiroyuki.tumblr.com/
https://www.behance.net/izutsu

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  AUTHOR

齋藤 あきこ

宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。