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Inspiration on Behance | 日本のクリエイター名鑑 Vol.12 グラフィックデザイナー:Norio Tanaka

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世界最大級のオンライン ポートフォリオ サービス、「Behance」。グラフィック、イラスト、3DCGなど、さまざまなジャンルのクリエイターが登録し、自身の作品をプレゼンテーション中。クリエイターもクライアントもワールドワイドなだけに、海外からのオファーがあることも。この連載では、日本で「Behance」を活用しているクリエイターをご紹介していきます!

本日ご紹介するのは、グラフィックデザイナーの Norio Tanaka(田中勤郎)さん(https://www.behance.net/okanokazukcbed)。音楽・カルチャー好きならTanakaさんの作品を必ず見たことがあるはず。the brilliant greenからTommy february6、andropやagraphなど人気ミュージシャンのCDジャケットや、ライブハウス「Zepp DiverCity」のアートディレクションなど、音楽好きにはたまらない作品を数多く生み出しています。ほか、ロゴやパッケージ、エディトリアルなどさまざまなグラフィックを手がけるTanakaさんにお話をお伺いしました。


Zepp DiverCity (TOKYO)

ーデザイナー/アートディレクターになられたきっかけは何でしょうか?

Tanaka: 中学生の時からクラシック音楽が大好きで、レコードジャケット(当時まだCDではなく)にとても興味があり、将来自分でもジャケットのデザインを手掛けるデザイナーになりたいと思ったのがきっかけです。



”World.Words.Lights./You” androp
D&AD Professional Awards 2013-in book 受賞作品

ーご自分でも思い入れのあるプロジェクトは?
Tanaka: andropのグラフィック全般、特にCDジャケットです。アーティスト写真は一切使用せずグラフィックだけに特化した、既存のCDジャケットの概念にとらわれないコンセプチャルな特殊仕様で、例えば一連のアルバムキャップの地には発表順にPANTONEの蛍光色をチップのNO順に配色するなど細部にまでこだわった作品群なので、それまでのジャケットデザインとは違って思い入れも強いです。


“door” androp  「ドア」というタイトルのとおり、8つの楽曲を8枚の紙で表現した。D&AD Professional Awards 2012-in book 受賞作品

特に強いてあげるなら「door」「World.Words.Light./You」「Boohoo/AM0:40/Waltz」のジャケットデザインでしょうか。
昔から憧れだったイギリスのデザインアワード”D&AD”に入賞した作品でもあります。


“androp” androp


“period” androp



“Boohoo/AM0:40/Waltz” androp
D&AD Professional Awards 2013-in book受賞作品

ーご自分でも思い入れのあるプロジェクトは?
Tanaka: 
まずは鈴村健一「互」。Behanceにもアップしていますが、鈴村健一さんのアルバム「互」のスリーブ表裏には収録された楽曲に登場するモチーフのシルエットと曲名のタイポグラフィを白地に切り抜きしています。封入されているジャバラ仕様のブックレットにも収録楽曲のモチーフをパノラマのストーリーで表現、スリーブ同様に紙の白地を生かしニスのみで印刷しています。


“GO” Kenichi Suzumura

続いてはagraph(kensuke ushio)。
agraphのアルバムは1stからデザインさせていただいていて、昨年までに4枚(agraph名義は3枚)リリースされていますが、フォーマットを統一して各アルバム楽曲の世界観を写真を使って合成し表現しています。2nd以外は全て紙ジャケ仕様で、表面(表1-4)の写真は1枚絵になっています。


“a day, phases” agraph

そしてthe brilliant green。the brilliant green はデビューからデザインに関わった初めてのアーティストでした。彼らのシングル「There will be love there -愛のある場所-」は発売されて以降、週を追うごとにセールスを伸ばし思いもかけず大ヒット、デザイナーとしても大変嬉しかったのを覚えています。その後の1stアルバムもミリオンヒットしました。1stアルバムは鏡地の銀紙にスミ1色で印刷しています。


“the brilliant green” the brilliant green

ほかには、Tommy february6「Strawberry Cream Soda Pop“Daydream”」と、Tommy heavenly6「Gothic Melting Ice Cream’s Darkness“Nightmare”」。


“Strawberry Cream Soda Pop Daydream” Tommy february6 

“Gothic Melting Ice Cream’s Darkness Nightmare” Tommy heavenly6

Tommyのソロプロジェクトは毎回アーティスト本人も一緒にMacを囲みながらのデザイン作業で、同時発売されたベスト盤のボックスセットは仕様内容ともに今までで一番ボリュームがありました。

ジャケットデザインはそれぞれに色々な思い出があって印象深いものばかりです。これ以外にもまだまだ沢山ありますがこのくらいで。


「ずっと好きだったんじゃけぇ~さすらいの麺カタPerfume FES!!」ロゴデザイン、グッズデザイン

ーBehanceを使い出したきっかけは?
Tanaka: 会社に所属していた当時のアシスタントデザイナーの紹介でした。彼は学生時代からBehanceに自作のイラスト作品をアップしていて、海外から仕事の依頼や海外で発売される書籍への作品掲載が数件決まった話を聞き、彼の勧めもあって登録しました。

ーBehanceに登録する際のTipsなどがあれば教えてください。
Tanaka: 海外のクリエイターやクライアントの方々に作品を見てもらえたり知ってもらえる場なので自分のスタイルに特化した作品をアップし発信していくといいんじゃないでしょうか。

ーBehance経由でこんなところと繋がった!なんてことがあったら教えてください。
Tanaka: 海外で活躍されているイギリスのカメラマンの方から「いつかぜひ一緒に仕事がしたい」とメールをいただきました。また、海外の某有名ブランドのADにならないかとお声掛けいただいたことも。しかしながら、海外移住が条件だったのでやむなく断念しました。

パッケージ、装丁、グッズ、エディトリアルなど、幅広く手がけるTanakaさんの作品はBehanceにて。

Norio Tanaka(田中勤郎)
1966年山口県生まれ。1991年Epic Sonyに入社後、Sony Record、Sony Music Communications、highway graphics、その後再びSony Music Communicationsを経て2013年デザイン事務所arctik設立。フリーランスのアートディレクター/グラフィックデザイナーとしてパッケージ、装丁、グッズ、エディトリアル、CIなど幅広く手掛ける。
https://www.behance.net/norio_tanaka
arctik

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  AUTHOR

齋藤 あきこ

宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。