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Inspiration on Behance | 日本のクリエイター名鑑 Vol.15 イラストレーター:IC4DESIGN

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世界最大級のオンライン ポートフォリオ サービス、「Behance」。グラフィック、イラスト、3DCGなど、さまざまなジャンルのクリエイターが登録し、自身の作品をプレゼンテーション中。クリエイターもクライアントもワールドワイドなだけに、海外からのオファーがあることも。この連載では、日本で「Behance」を活用しているクリエイターをご紹介していきます!

本日ご紹介するのは、広島を拠点にアジア、アメリカ、ヨーロッパ、中東などの仕事を手がけ、国内外を問わない活動を行うIC4DESIGN inc.(https://www.behance.net/IC4DESIGN)。広島の地元企業から国連、NYタイムズまで、世界中のクライアントと、ロゴや広告のイラスト、デザインを行っています。細部まで精密に描き込まれた、クオリティの高いイラストの数々は、いつまで見ても飽きることがありません。その国際的な活躍の秘訣をお聞きしました。

 

ーIC4DESIGNはどんな組織ですか?
IC4DESIGN: 手がけるジャンルは、主にイラストレーション、グラフィックデザイン。広島の地元企業などのロゴや広告のデザインをしています。イラストでは広告から絵本まで幅広く、クライアントも国内外を問わず世界中から受けるスタイルです。メンバーはデザイナー2人、イラストレーター2人です。

ー世界中のクライアントと仕事をされていますが、どのようにオファーが来て制作のやりとりをされているのでしょうか?
IC4DESIGN: 基本的にはまずメールが来ます。たくさん、いろんな案件について来るので、それらに対して質問や確認を返します。それにきちんと返信がきたものの中からより詳しい内容を聞いたり、条件を交渉したりします。その後スカイプなどで打ち合わせを重ねることも多いです。

ーこれまでのお仕事のなかで、特に印象深いお仕事がありましたらお教えください。
IC4DESIGN:The New York Times Magazine の表紙のイラストレーションです。いいディレクター(Arem Duplessis氏)と仕事をすることで僕たちのポテンシャルを引っ張り上げてもらえた仕事でした。

The New York Times Magazine’S COVER 2009

Behanceから世界に広がった「国連 女性地位向上キャンペーン」

「国連 女性地位向上キャンペーン 政治篇」特に女性の少ない職場にスポットを当て、多くの男性の中に1人だけいる女性を探してもらうという、国連の世界向けのキャンペーングラフィック。 ハイテク、サイエンス、政治の3バージョンを制作した。”FINDING HER PRINT” & POSTER CAMPAIGN by DDB DUBAI and IC4 DESIGN

ーそれでは、Behanceから世界に作品が広がった!という「国連 女性地位向上キャンペーン」プロジェクトについて教えてください。アイデアやラフなど、どのように制作のやりとりをされていたのでしょうか?
IC4DESIGN:まずはドバイの代理店「DDB」から、Behanceでメッセージが来たのが最初の依頼です。その後メールでコンセプトを聞き、ラフスケッチを提出。ラフから完成までスカイプでの打合せを何度も繰り返しました。

ー詳細なイラストにたくさんのものやことが詰まっているのが圧倒的ですよね。主に使用されたツールは?
IC4DESIGN:Adobe製品ではPhotoshopとBridgeです。普段の制作ではPhotoshop、Illustrator、Bridge、InDesign、時々Museなどを使っています。バージョンは全てCCです。

ー制作時の思い出深いエピソードはありますか?
IC4DESIGN:ドバイの代理店の担当者のインパクトがすごかったです。なかなか接する機会がないほどガツガツした押しの強さは、日本の人とのやり取りではあまり体験できないものでした(笑)。

また完成後に、許可を得てBehanceにアップしたところ、Featureされ、Behanceユーザー3万人以上が目にすることとなりました。その中に国連機関 UN Women NY本社の人もいらっしゃったようで「本社でも使いたいのだけど、可能ですか?」という問い合わせの電話が日本のUN Womenを通じてかかってきたんです。ドバイのDDB、エジプトのUN Womenへ確認をとったところ、向こうの人たちもとても喜んでくれて、すぐにOKがでました。

ードバイのローカルだったプロジェクトが、そこからワールドワイドなプロジェクトに繋がっていったんですね。
IC4DESIGN:タイミングも良かったんです。僕たちがBehanceにアップした日が1月18日、トランプ大統領就任が1月20日、翌日1月21日にはウィメンズ・マーチオンワシントン(女性の権利デモ)がありましたが、この(100万人以上が世界中で行われるデモへの参加表明したという)女性の権利を守ろうとする世界的な動きと、さらには3月8日の「国際女性デー」に向けて、そのテーマである”ジェンダー平等を加速させよう”という動きの影響もあり、エジプトのUN Womenから再リリースされたと思われる記事が各国の様々な言語のネットのニュースやデザインサイトに次々にアップされ、拡散されました。

ー中東の最大規模の広告祭「ドバイ・リンクス」で3作品全てが金賞を受賞しました。
IC4DESIGN:そうなんです。しかも、その発表・授賞式は偶然3月8日の国際女性デーだったんですよ。

Behanceを使う理由


JMSDF(Japan Maritime Self Defence Force) Kure Museum

ーBehanceを使い出したきっかけは?
IC4DESIGN:Behanceの開設は約8年前、海外に営業活動をしていたタイミングで、ドイツで働いていたデザイナーの友人から「いいツールがあるよ」と勧められたのがきっかけです。

ーBehanceに登録する際のTipsなどがあれば教えてください。
IC4DESIGN:クリエイター向けのサイトなのでクリエイターが見たときに面白い、刺激になるようなものにできるよう心がけています。

ーBehanceで良く見ているクリエイターがいたら教えてください。
IC4DESIGN:自分と似たタイプのクリエイターはついついチェックしてしまいす。特定の人をフォローするというよりも、どちらかというと海外の最先端のクリエーションとかイラストのトレンドを発見するために利用しています。

ーBehance経由でこんなところと繋がった!なんてことがあったら教えてください。
IC4DESIGN:海外の方々からBehanceにメッセージをもらって、そこからSNSで交流したり、日本に旅行に来た時に会いに来てくれる人も結構いて、外国人の友人もたくさんできました。仕事の話もたくさんありましたが、代表的なものではトルコのMercedes-Bentzのキャンペーン、ドバイのSkittles、などがあります。 またウクライナのデザイナーと知り合っていくつか一緒に仕事をしたのちに、ウクライナのUkrainian Design: The Very Best Of 2015 の審査員をする機会もありました。

■IC4DESIGNの世界が広がる絵本『迷路探偵ピエール』


緻密なイラストの中に迷路や絵さがしの問題がたくさんちりばめられた絵本『迷路探偵ピエール ~摩天楼の秘宝をまもれ!~
海外で発売される、800枚のシールを詰め込んだシールブック

IC4DESIGNでは、3月10日に3年の月日をかけて制作した絵本『迷路探偵ピエール ~摩天楼の秘宝をまもれ!~ 』が発売されたばかり。9月の世界発売に先駆け、まずは日本国内で出版されたのだそう。

2017年4月1日から14日まで、広島県広島市のセレクトショップ「ref.(レフ)」にて絵本のイラスト展「迷路探偵ピエール展」が行われます。絵本では表現できない細部を、大きなプリントでゆっくり鑑賞できるそう。是非肉眼で、IC4DESIGNの仕事を体験してみてはいかがでしょうか!

ほかIC4DESIGN inc.のお仕事はBehanceにて。


IC4DESIGN
広島を拠点にアジア、アメリカ、ヨーロッパ、中東など国内外を問わない活動を行う。09年 NY TimesMagazineカバー、10年NationalTrainDay、 その他 Adobe、Google、Burton、メルセデスベンツ、UNWomen、など。絵本「迷路探偵ピエール」を14年国内、15年海外(26言語、30カ国以上)出版。続編を17年3月国内、9月海外出版。ADC(N.Y.)銀賞、3×3 No.13 金賞、ドバイリンクス金賞×3 他。

https://www.behance.net/IC4DESIGN

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  AUTHOR

齋藤 あきこ

宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。