連載  /  

Inspiration on Behance | 日本のクリエイター名鑑 Vol.8 グラフィックデザイナー:koyuki inagaki

BY 公開

世界最大級のオンライン ポートフォリオ サービス、「Behance」。グラフィック、イラスト、3DCGなど、さまざまなジャンルのクリエイターが登録し、自身の作品をプレゼンテーション中。クリエイターもクライアントもワールドワイドなだけに、海外からのオファーがあることも。この連載では、日本で「Behance」を活用しているクリエイターをご紹介していきます!

本日ご紹介するのは、都内でフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動されているkoyuki inagaki さん(https://www.behance.net/koyoox)。koyukiさんはシンガポール・クアラルンプール育ち。イギリスの大学を卒業後、クアラルンプールでのフリーランス経験を経て東京へ。「ホテルリズベリオ赤坂」のサインなど、ミニマルで上質なデザインを手がけられています。

35c10d39281071-5771c242dbb50

“Wedding kit for Lilyza and Hafiz”
“Wedding kit for Lilyza and Hafiz”

–Behanceを使い出したきっかけは?

koyuki:東京は美術館などが豊富で、アート系のイベントも盛んですが、私が育ったクアラルンプールはそういう環境にはなく、インプットソースはいつもインターネットでした。そんな中、掲載作品のクオリティが確かなBehanceは毎日習慣的にチェックするサイトのひとつでした。

Behanceをはじめとする、ネット上のポートフォリオは、国や文化の垣根を簡単に超えます。その重要さはいつも感じていたので、掲載できる作品の数がある程度溜まったら、Behanceポートフォリオをまず作ろうといつも思っていました。

—— ご自身で思い入れのあるプロジェクトは?

koyuki:転機を象徴したという意味では “INCH” かな、と思います。

東京に来る前に、クアラルンプールで手がけた最後のプロジェクトです。提出した初回提案を見たクライアントが、「提案を見てワクワクした。是非この内容でやりたい。」と言ってくださり、すごく嬉しかったのが、今でも忘れられません。

“INCH”ロゴ。中国語、タイ語、英語を組み合わせている
“INCH”ロゴ。中国語、タイ語、英語を組み合わせている

自分のグラフィック的な部分と、イラストレーションの要素をバランスよく組み合わせることが出来た作品だと思っています。終始すごく楽しく取り組めて、クアラルンプールでの締めの仕事としてやりきった感がありました。このお仕事に一緒に関わって、辛抱強く私に付き合ってくれたチームの方々に、ただただ感謝です。

——普段使われているツールは?

koyuki:”INCH”や自主制作作品の”Personal Experiment”のコラージュイラストはPhotoshop上で行います。“Hotel Risveglio Akasaka” “The Grumpy Cyclist” “Liveabords of Maldives” はIllustratorを主に使用し、制作しました。

個人プロジェクト”Personal Experiment”

「Hotel Risveglio Akasaka」(https://www.behance.net/gallery/38820693/Hotel-Risveglio-Akasaka)イタリア語で”目覚め”を意味する「Risveglio」。館内のサインとオリジナルのタイプフェイス”Risveglio”、ロゴなどを制作した。 

–Behance経由でこんなところと繋がった!仕事が来た!なんてことがあったら教えてください。

koyuki:最近ではNYのウェブデザインチームが声をかけてくださり、イラスト制作に協力させていただきました。クライアントとのやりとりの仕方、オーガナイズ方法などとてもプロフェッショナルで、勉強になりました。13時間の時差の中でのやりとりも、中々刺激的でした。笑 

–Behanceに登録する際のTipsなどがあれば教えてください。

koyuki :まず、良い作品ができたら、その作品たちが一番素敵に見えるスクリーン上の見せ方を考えてあげるようにしています。見た目をかっこよくするだけではなく、どうやってその結果に至ったのか、思考のプロセスが汲み取れるような画像やテキストを入れます。そうすることで、作品の厚みが増し、考え抜かれたプロジェクトなんだな、ということが伝わります。

デザインに掛ける時間と同じくらい、ポートフォリオのプレゼンテーションにも時間を掛けることを心がけています。デザインは、見る人に届けるところまでがデザインです。

–Behanceで良くチェックしているクリエイターは?

koyuki:Anagrama Studio
https://www.behance.net/anagrama

作品も見せ方もトップクオリティで、どの作品も生き生きしていて。楽しんでお仕事をしているのが伝わってきます。

Deutsche & Japaner Creative Studio
https://www.behance.net/deutscheundjapaner

トガり具合と洗練さのバランスが絶妙です。

「日常のちょっとしたことが、こうだったらいいのにな、ああだったら面白いのにな」と考えたことから、イラストやデザインを始めたというkoyukiさん。その繊細なデザインにこれからも注目です。

■koyuki inagaki

シンガポール・クアラルンプール育ち。イギリスの大学を卒業後、クアラルンプールでのフリーランス経験を経て、現在は東京を拠点に活動中。
https://www.behance.net/koyoox
http://koyoox.com/

  TAGS

  AUTHOR

齋藤 あきこ

宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。