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#Illustrator30_30 #Ai30th 記念連載 | Vol.4 アーティストKeeenueさん

BY 公開

photo: Taio Konishi Photography

 

Illustratorと私」の制作作品。「一年中あったかいところで暮らせたらいいな〜〜」by Keeenue

Illustrator30周年(#Ai30th)を記念し、Illustratorをクリエイティブの味方として活用する若手クリエイター30人をご紹介する本企画。第4回にご登場いただくのは、オリジナリティあふれる色と形でカオスな世界を作りあげる、アーティストのKeeenue(キーニュ)さん。ペインティングをはじめ、壁画やオリジナルプロダクトの制作、個展やグループ展への参加、アートワーク提供など、多岐にわたる活動を展開されています。 KeeenueさんとIllustratorの関係とは?

Keeenue Pouch(2017)

遊び心を忘れないKeeenueさんの制作スタイル

ーークリエイターになったきっかけは?

Keeenue:母が絵を描いていたので、小さい時から一緒に遊びながら絵を描いていたんです。それでずっと絵が好きだったんですけれど、高校生の時にアートディレクターになりたいと思って美大予備校に通い、多摩美術大学のグラフィックデザイン科に入りました。でも、自分の作品を作っている方が楽しくてあまり授業も受けず、どんどんアートの方に興味が向いていきました。

ーー昨年卒業されたばかりだそうですね。アーティストとして独立されたきっかけは?

Keeenue:独立したというほどちゃんとした感じでもないんですけれど、、、大学3年生頃から、3年近くアーティストの田名網敬一さんのアシスタントについていたんです。それからもっと自分の制作をする時間をとりたいと思い、今年の春に卒業しました。アシスタント時代に勉強になったことはとても多かったです。

ーーAdobe Illustrator を初めて使ったのはいつですか?

Keeenue:高校生の時です。家に母のIllustratorがあって、わからないままさわっていました。わからないながらも、年賀状や文化祭のクラスTシャツを作ったりしていましたね。使っていくうちに自分で覚えていきました。

コンポジションはIllustratorで

ーー普段使っているデジタル/アナログツールを教えてください。

Keeenue:
デジタルは Illustrator, Photoshop, After Effects。アナログはアクリル絵の具などです。ペインティングは、デジタルでだいたいのイメージを決めてからアナログ作業に入ることが多いです。

Keeenueさんのアトリエにて

ーーアナログもデジタルも自分のツールとして自由に使われていらっしゃいますね。どんな時にIllustratorの必要性を感じますか?

Keeenue:今年個展をした時に複数の絵からなる作品を作ったんですけれど、その時はデジタルで描いた絵を分割し、構成を考えるのにIllustratorを使いました。

ーーおもしろいですね!具体的にはどんな手順だったのですか?

Keeenue:まず手描きで描いたラフをスキャンしてMacに取り込み、Photoshopで着色してからIllustratorにもっていって、色を変えたりグラデーションをつけたりして、一旦デジタルで完成させます。ぐちゃぐちゃしたランダムな線なんかは、Illustratorで描いた線をそのまま生かしていますね。ペンタブレットを使って描いています。

『Dawn Town』のペインティング作品のもとになったデジタル作品(2017)

Keeenue:それから絵を分割して、画面上で展示構成を考えていきました。Illustratorはオブジェクトを自由に動かせるから、構成する時には使いやすいです。

Illustratorで構成した展示プラン

Keeenue:構成が決まったら分割した絵をプリントアウトして、その紙をキャンバスに置いてトレースし、絵の具で描いていきました。

『Dawn Town』(2017)個展「Dawn Town」(東京、目黒「Good People & Good Coffee」2017)にて展示

ーーデジタルで作ったプランを会場に配置してみて、上手くいきましたか?

Keeenue:サイズ感も想定できていたので、上手くいきました。けっこう、そのままです(笑)。

イマジネーションの世界から生まれた、ペインティングの新しい形

——分割するというアイデアはどこから思いつかれたのですか?

Keeenue:この時のテーマが「夜でもなく朝でもない、夢を見ているような時間。現実だと思えないことも、薄暗くて見えないものも、見て見ぬふりをする人も。全部つながっていることなんて、なかなか気がつかない」というものだったんですね。私たちが普段見ている小さな世界も、実はつながっていて・・みたいな。それで絵をバラバラにしてひとつの作品として展示することで、小さな世界もすべてはつながっているということも表現できたらと思いました。

ーー思い出深いお仕事を教えてください。

Keeenue:去年の個展で作った壁画とパネルを組み合わせて作った作品はけっこうおもしろかったです。この時はギャラリーの壁に描いたので、あらかじめIllustratorで構成を考えておいて、滞在制作に入ってから1、2日で仕上げました。

『Family Tree』(2016)個展「Hello Stranger」(渋谷「ダイトカイ」2016)にて展示

Illustratorでプロダクトのバリエーションが広がる

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iPhone Case Green、Purple、Blue Paragy Shopにて販売中

ーーKeeenueさんはプロダクトもたくさん作られていますね。

Keeenue:いつも展示をする時にいろいろグッズを作っていて。プロダクト用の絵は、ほとんどIllustratorファイルで納品しています。同じプロダクトでも、すぐに色違いのバリエーションを作れるのがいいです。最近はJebrilleという壁紙屋さんとコラボレーションして、壁紙も作りました。

Keeenue × Jebrille「Wall Paper / Whole New World 2」
Keeenue × Jebrille「Wall Sticker / A」Wallpaper 2017 Keeenue STOREにて販売中

ーーIllustrator Drawは使われていますか?

Keeenue:最近使い始めたばかりです。思った以上に描きやすくてびっくりしました。今までずっと手で描いたものをMacに取り込んでいましたが、その作業を省略できるぐらいです。Applle Pencilを使うと、筆圧がちゃんとでるのもすごくいいですね。

いつも新しいことに挑戦していたい

ーー仕事をする上で特に注力していること、テーマにされていることは?

Keeenue:常に新しいこと、人と違うことをしなきゃという気持ちがあります。面白いこと、私にしかできないこと、どきっとするもの。ありきたりなフォーマットやサイズのものを作っても、どきっとしないじゃないですか。人と同じことをしていてもつまらないということはもっと意識していきたい。それから、どんなことでも楽しむことを大事にしています。一度つまらないと感じると、本当にやる気がでなくなります・・(笑)。

クマ型ブロックタイプフィギュア「BE@RBRICK」のデザインコンテスト(MEDICOM TOY)で優秀賞に選ばれた作品

https://www.instagram.com/p/BRDTZo1DwhG/

ーー最後に、座右の銘を教えてください。

Keeenue:やりたかったらどんなことも実現するということ。両親から夢や目標はちゃんと決めなさいと育てられました。好きにやらせてくれた両親に感謝です。

「おもちゃやフィギュアを買ったりするのも好きです!」by Keeenue

Keeenue(キーニュ)
http://keeenue.com/
https://www.instagram.com/keeenue_/
https://www.behance.net/keeenue39ac

1992年、神奈川県生まれ。2016年、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。ペインティングをはじめ、壁画、オリジナルアイテムの販売、個展やグループ展への出展、アートワーク提供等、多岐にわたる活動を展開する。

◾️この企画について
いまやデザインに欠かせないツールとなったAdobe Illustrator CC。1987年3月19日に初めてPostScript専用ベクターツール「Adobe Illustrator 1.0」がリリースされて30年。いまでは世界中で、毎月1億8000万点以上のグラフィックがIllustratorを使って作成されています。

本企画「Illustrator30_30 (イラストレーター サーティー サーティー)」は、Illustrator30周年(#Ai30th)を記念して、さまざまなジャンルでIllustratorをクリエイティブの味方として活用する、30代までの若手クリエイター30人を連載でご紹介します。本企画では、クリエイターのみなさんのポートレートを撮影し、その上に自由にイメージを描いていただくビジュアル・コラボレーション「#Illustratorと私」も毎回お届けします。インタビューと合わせてお楽しみください。

  AUTHOR

宮越 裕生

神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへてライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。