あの作品の裏にはこんなコンセプトが!MAX CHALLENGE 2017年グランプリ受賞者インタビュー #maxjapan

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11月28日(火)にパシフィコ横浜で開催された Adobe MAX Japan のコンテスト「MAX CHALLENGE (マックス チャレンジ)」。今年は新たに応募カテゴリーを増やして「グラフィック部門」、「Adobe Stock部門」、「アニメーション部門」の3つのカテゴリーで作品を募集し、去年をはるかに上回る約300点以上の作品が集まりました。ご応募いただいたみなさま、本当にありがとうございます。すべての応募作品は、Behanceにて公開中です。

全応募作品の中から選ばれた優秀作品は、Adobe MAX Japanの会場にて上映。立体的なロゴに投影されるイメージが、大きな注目を集めていました。

今回は、3部門のグランプリ受賞者にインタビューを敢行。皆さんが、普段どんな活動をされているのか?作品のコンセプトなどをお伺いしました。

【グラフィック部門】

グラフィック部門グランプリのRyota Tatsumiさん。Webデザイナーとして、キャンペーンサイトやコーポレートサイトなどのデザインを手がけるクリエイターです。今後、プライベートワークをTwitterにアップしていくかも?@ryota_tatsumi とのことなので、フォローをしましょう。

ーーMAX CHALLENGEを知ったきっかけは?
Tatsumi:応募締め切り1週間ほど前にTwitterにて存在を知りました。 期限もなかったので応募を諦めようかと思いましたが、今では応募して良かったと思います。

ーー普段使っているアドビ製品は?

Tatsumi:Photoshopをメインに、イラストやアイコンなどはIllustratorを使用しています。

ーー色鮮やかなお寿司を見事に構成してビジュアルモチーフに使っているのが印象的でした。どうやって作品のテーマを思いついたのでしょうか?

Tatsumi:AdobeMAXは海外でも行なっているイベントなので、日本らしさを感じるイベントロゴにしたいと考えました。 和のモチーフは様々ありますが、お寿司はネタの組み合わせ次第でビジュアルが鮮やかに表現できると思ったのがきっかけです。 お寿司は実写でAdobe Stockにあるものを使用し、後ろのお器や木の実は私が撮影した写真となります。

ーー制作で苦労した点などありましたらお教えください。

Tatsumi:お寿司は基本楕円状なので、その楕円状なお寿司を鋭角にする作業が苦労しました。 お寿司を単にマスクを掛けて作成すると加工感が残ってしまいますので、 ネタの筋を見極めてカットしゆがみフィルターでその形を整えました。

【アニメーション部門】

アニメーション部門グランプリのYasutaka Fukudaさん。FUKUPOLYのハンドル名で活動されているVFXアーティストです。MAX CHALLENGEを知ったきっかけはSNSや、CG/映像関係の情報サイトに掲載されているのを見て。普段はCMやミュージックビデオ、ライブのバック映像のCG制作やオリジナルの映像企画・制作をされているとのこと。

ーー光の線がロゴをかたちどっていくというアイデアの「Spectrum」ですが、リアルとフィクションが交錯する世界観はどうやって思いつかれたのでしょうか?

Fukuda:「Spectrum」は、「陶芸」から思いつきました。線対称や回転体の設計図をPhotoshopでスケッチして、何度もテストモデリングする中で出来上がりました。「モノには様々な見え方がある」ということをこの作品ではテーマにしていたので、単純な線対称や回転体に見えない工夫を凝らしました。

Fukuda:もう一つの作品「Dimension」(アニメーション部門ファイナリストノミネート)は、最近の3Dプリント技術を映像制作に利用したいと思い、試行錯誤するうちに「3Dプリントした複数のオブジェクトをコマ撮りする」手法に行き着きました。更に、After Effectsで制作した映像を印刷してコマ撮りの背景にすることで、印刷の滲み、紙のテクスチャが映像に加わって、デジタルとリアルが曖昧になるような映像が出来上がりました。

ーーかなり凝った作品ですが、制作で苦労した点などありましたらお教えください。

Fukuda:「Spectrum」「Dimension」ともに、短い映像尺の中で、「どのように展開し、完結させるか」という事に締め切りギリギリまで悩みました。「Spectrum」では「意外性のある形」を求めて何度もトライし、夜に夢の中で様々な回転体が出てきた事もありましたし、「Dimension」ではコマ撮りの難しさを思い知りました。95%完成したところで、カメラにぶつかってしまい、全てやり直しを何度か繰り返しました。Undo / Redo が効かない事への苛立ちとともに、「モノをつくること」の大切な部分を再認識する経験になりました。

ーー今後手がける作品のご予定などありましたらお教え下さい。

Fukuda:最近では 3Dプリンタを利用し、流体シミュレーションの彫刻(?)や、移動型プロジェクションマッピングによるアート活動も行っています。仕事としては、引き続きCMやミュージックビデオなどのCG制作を行いますが、3DプリンタやVRの技術を利用し、デジタルとアナログがうまく融合したオリジナル作品を計画しています。

【Adobe Stock部門】

そして指定されたAdobe Stockのストック素材を使った「Adobe Stock部門」グランプリのYuan Felixanderさん。インドネシア出身のデザイナーです。Facebookで本コンテストのことを知ったそう。2015年から東京を拠点に活動されていて、現在は都内のIT企業にて働いていらっしゃるそう。作品はインスタグラムにて発表されていくということなので、是非フォローを!

ーー普段はどんな活動をされていますか?

Felixander:デザイナーとして活動しています。会社ではブランディング、UI、モーショングラフィック、またWEBデザインなども。自分の時間には、作品を作ることもありますし、音楽を演奏したり、ゲームをしたり、インスピレーションを得るために聖書を読むこともありますよ。

ーー普段使っているアドビ製品は?

Felixander:メインで使っているのはAfter Effect、Photoshop、Illustratorです。またAudition、Premiere Pro、XD、Museを使うこともあります。

ーーまるで宝石のようなイメージが散りばめられた作品ですが、どうやって思いついたのでしょうか?素材選びはどのようにされたのでしょうか?

Felixander:Adobe Stockに揃ったバラエティ豊かなイメージを見た時に、すごく興味深いなと思ったんです。私が考えたのは、これらのイメージをすべて使って、いかに調和するハーモニーを生み出すかということでした。お題のストックフォトがぜんぶ個性的でしたからね。制作中のチャレンジングな点は、すべてのイメージをシームレスにして、ロゴとマッチさせることでした。

ーー視点を変えるというアプローチからスタートしているんですね。

Felixander:一見、ランダムでごちゃごちゃのように見えるイメージを違う見方から捉えようと思ったんです。ランダムでごちゃごちゃというのは、必ずしも悪いことではありませんし。物事というのは、どの角度から捉えるかによって変わってくるんです。このコンセプトを作ってから、テーマを選びました。それは「ランダムで、クリーンで、楽しいもの(“Something random, clean and fun!”)」です。

ーーなにかテーマのインスピレーションになったものがあったのでしょうか?

Felixander:はい、アニメーションのアートワークからインスピレーションを受けました。完成したイメージを見て、ある人は微生物みたいだと言いましたし、またある人は宝石のようだと言いました。僕の中では、ガチャガチャ・マシーンから落ちてきたキャンディだったんですけど!それが「“Sweet Gacha”」というタイトルの元になっています。ともあれ、見た人がいろんなイメージを持ってくれるのはすごく素敵なことだと思っています。

今年も大盛況のうちに幕を閉じた「MAX CHALLENGE」。今年のファイナリスト作品はAdobe Creative Stationブログ でご覧ください。

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  AUTHOR

齋藤 あきこ

宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。