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第2回 After Effectsの「Keylight」&「ロトブラシ」で動画をチョキチョキ切り抜き

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撮影するときにいつも悩ましいのが「背景」です!

本当はオシャレなカフェで撮影したくても周りの目が気になりますよね。それより、もっとスケール大きく海外とか宇宙で撮影してみたい!でもそんな環境もお金もないので結局、2畳半の狭い我が家で撮影・・・

いっそ好きな背景を合成できたらいいのだけれど、難しそうって躊躇してるそこのあなた・・・!

緑の布とiPhoneとAfter Effectsの3つがあれば、とっても簡単に合成できるのです!

それでは、ぱぱっと合成映像を作ってみましょう。

1. 撮影セットをつくって、撮影しよう

クロマキー合成という言葉を聞いたことはありますか? 緑や青のスクリーンの前でビデオを撮影し、編集時にスクリーンの色を抜いて別のビデオの上に合成する、ハリウッドのアクション映画などでも使われる手法です。(※理論的には何色のスクリーンでもいいのですが、洋服とコントラストがつけやすく人体にほぼない色の緑が一般的よく使われます)

今回はクロマキーを用いて合成に挑戦してみました。

まずスクリーンとなる緑の布をネットショッピングで1,490円で購入。

布が届いたら壁にテープで貼って、お手軽セットを作りました。

ここで注意してほしいポイントはこちら▼

  • 服の色は、背景の反対の色(補色)になるようにする
    → 補色でなくても、なるべく遠い色が良い
  • 白のワイシャツなど、光を反射するような服も避ける
    → 白い服に緑が反射して緑の服になってしまったりするのでAfter Effectsで背景を抜くとき苦労します ><
  • 緑の布にアイロンをかける
    → アイロンを怠るとシワ部分の影できれいに切り抜けません。今回の撮影ではアイロン怠ったのでちょっぴり苦労しました 汗

今回は、「ニュース番組」の世界観を表現したかったので友達にモデルをやってもらい、前回同様にiPhone7で撮影しました。

2. Keylightで背景の色を抜いてみよう

動画素材の取り込み

さて、素材が集まったところでいよいよAfter Effectsに取り込んでみましょう。

After Effectsを起動しますと、スタート画面が表示されますので「新規プロジェクト」をクリックしましょう。

作業画面が表示されます。素材として使用したい動画ファイルを、プロジェクトパネルにドラッグ&ドロップして読み込んでみましょう。

読み込んだ素材がリストに表示されました。これをタイムラインパネルにドラッグ&ドロップして、動画を編集する準備が整いました!

Keylightで背景を切り抜き

いよいよ、合成の作業に入ります。

エフェクト→キーイング→Keylightを選択します。

背景の色を抜くのはさぞ大変なんだろうな・・と思うかもしれないのですが、なんと1ステップで抜けます。

ScreenColourの色を、スポイトツールで指定するだけ!

スポイトツールを選択し、緑の部分をクリックしてみるとグリーンバック部分が透明に!!

※ScreenColourで色を指定する時、ブルーバック・グリーンバックで明るい部分と暗い部分が 存在する場合は、暗い部分の色を指定した方が綺麗に抜けます。
そして、撮影時に極力注意して明暗をほぼ均一にすると楽に綺麗に抜けます。

コンポジションに戻って、背景画像を敷いてみましょう。さきほどと同じ要領で、背景画像をプロジェクトに取り込んでから「タイムラインパネル」にドラッグ&ドロップします。

「おーーー!」綺麗に背景だけ変えることができましたね。

この調子でグリーンバックをバンバン抜いていきましょう。

3.ロトブラシで微調整

順調にグリーンバックをkeyligtで抜いていたのですが、

下の映像わたしの撮影のミスで、グリーンバックからはみ出し部分があり、うまく合成できるのかしら・・

試しにkeylightをしてみたのですが、やっぱり残っちゃうよねーーー・・・こんな時、どうしたらいいの・・・

ロトブラシで切り抜き領域を指定

そんなときはロトブラシの出番です。

ロトブラシとは、下記の図のように境界線をなぞることで、動画の切り抜きたい対象を指定すると、背景から自動で切り抜いてくれるツールです。

それでは早速、ロトブラシで、切り抜いていきましょう。

画面上の方のロトブラシアイコンをクリックします。

ロトブラシツールで、該当するコマの、映像で残したい領域をペイントの要領でなぞりましょう。特徴をなぞる程度で、(左図の緑の線)精度高く輪郭を認識してくれます(右図のピンクの線)。

ペイントが完了すると輪郭が検出されて、ピンク色の境界線が表示されマスクされる領域が示されます。正確に検出されているのがわかりますね!

マスクの表示切り替えをしてみましょう。画面右下にあるアイコンの一番右(赤いやつ)です。

切り替えを行うことで視覚的にどの領域をクリップしているかがわかりやすくなります。綺麗に抜けているのが確認できますね!!

他のコマの境界の調整

1コマ1コマ、境界線をいちいちなぞる作業を繰り替えさないといけないの・・?と不安に思うかもしれませんが、なんと残りのコマも自動的に境界線が反映されるという素晴らしさ!

ただし自動なので、コマによっては境界線がおかしな箇所があるかもしれません。1コマ1コマ確認をオススメします。そして、マスク領域の追加や削除をしていきましょう ><

最後に、コンポジションに戻ってきちんと合成できているか確認してみましょう。はみ出していた部分は綺麗に揃えられましたね!

keylightとロトブラシを駆使して合成して、最終的にできた映像はこちら!きれいに背景が抜けているでしょうか?

スマートフォンとAfter Effectsがあれば、こんな映像が簡単につくれちゃいます。みなさまも合成で非日常が味わえる動画を試してみてはいかがでしょうか。

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ナガイ ユリ

リッチラボ株式会社 デザイナー。 多摩美術大学卒業後、ヤフー株式会社に入社。ヤフーやGYAO!を中心とするサービス・アプリ開発、デザインを経験。 2016年10月にヤフーの社内ベンチャー制度からできたリッチラボ株式会社にジョインし、スマートフォンのリッチ広告事業の拡大に従事。様々なナショナルクライアントの広告案件を担当。