個人版では使えません!共同作業スタイルを変える「チームプロジェクト」とは?

BY 公開

世界的スポーツ大会と映画「シン・ゴジラ」の共通点?

4年に一度の世界的なスポーツ大会と映画「シン・ゴジラ」には、ある共通点があります。

それは、ひとつの映像制作プロジェクトに多くの関係者が携わり、共同作業を進めていくこと。また、その関係者が物理的に離れた場所で同時に作業を進めていったことです。

このような映像制作のコラボレーションを実現するためには、課題がありました。プロジェクトファイル、つまり編集情報の矛盾が起きないようにすることです。例えば、AさんとBさんが同じタイムラインで編集を行うような場合、Aさんがワイプを追加し、Bさんがテロップを追加した場合、編集情報に矛盾(競合)が生じてしまいますが、このような問題が起きないようにします。

編集データの一貫性を保つ

2017年10月のアップデートで、グループ版とエンタープライズ版で正式にリリースとなった「チームプロジェクト」は、プロジェクトファイルの矛盾が生じることなく、映像制作の共同作業を可能とする、クラウドベースの強力な機能です。さらに、素材ファイルへの同時アクセスについては、いくつかの方法で解決策が用意されています。

編集情報の矛盾が生じないようにするため、チームプロジェクトではクラウド上に編集データを保存します。また、チームプロジェクトは、Premiere ProだけでなくAfter EffectsやPrelude、Adobe Media Encoderの編集情報も包括的に管理されます。

ただ、同じシーケンスで異なる編集作業を進めていくと、編集データがユーザーごとに異なる場合も発生します。この場合の解決策として、チームプロジェクトでは3つの選択肢が用意されています。

  1. 自分の編集データを優先し、別ユーザーの編集データを破棄する
  2. 別ユーザーの編集データを優先し、自分の編集データを破棄する
  3. 自分の編集データを複製し、別ユーザーの編集データを反映する

これにより、クラウド上の編集データは常に一貫性を保つことができます。

過去の編集データを呼び戻す

もうひとつ、チームプロジェクトには、過去の編集データを呼び戻すことができるという特徴があります。チームプロジェクトでは、クラウド上に編集データが保存されていますが、メディアブラウザーを介して過去のバージョンを遡って呼び戻し、作業中のプロジェクトへシーケンスデータを読み込むことができるのです。

メディアブラウザーを開き、チームプロジェクトを選択すると、右側に選択したチームプロジェクトの内容が表示されます。ここまでは通常のメディアブラウザーと同じ挙動です。このとき、右端に時計アイコンがついたスライダーが表示されます。このスライダーを上下に移動することで、過去の内容を表示することができます。過去のシーケンスを読み込むには、右クリックして「読み込み」を選択して下さい。

これで、現在作業中のチームプロジェクトに過去のシーケンスを読み込むことができます。

チームプロジェクトでのメディアファイル管理は?

「編集データの一貫性保持」と「過去の編集データ呼び戻し」を実現しているチームプロジェクトですが、クラウド上で編集データを管理しているため、Creative Cloudに接続できる環境であれば、どこからでも映像制作の共同作業を進めることができます。

ですが、映像や音声などのメディアファイルもクラウド上で管理されている、というわけではありません。もちろん、Creative Cloudのクラウドストレージに保管しておくこともできますが、基本的には作業環境に接続された高速なストレージのメディアファイルへアクセスして編集が行われます。

このとき、プロキシ(低解像度)のムービーファイルで作業することもできますし、サードパーティのクラウドストレージと連携して作業することもできます。いずれにしても、作業環境に接続されたストレージにアクセスすることには変わりありません。

チームプロジェクトを始めてみよう!

チュートリアルでは、さらに詳細なチームプロジェクトの利用方法を紹介しています。個人版では残念ながらご利用いただけませんが、共同作業に関心のある方はぜひお試し下さい!

 

  AUTHOR

Seigo Furuta

アドビ システムズ 株式会社 / フィールドマーケティングマネージャー / 福岡の映像制作会社で技術部と制作部に在籍後、ノンリニア編集システムの経験を活かし、1999年から編集システムメーカーの側でノンリニア編集製品の普及に携わる。2007年10月にアドビ システムズ 株式会社へ入社、マーケティング本部でAdobe Premiere Pro、Adobe After Effectsなど映像制作ツールを担当。