デザインのライフサイクル構築のためのツール開発とAdobe XD #AdobeXD

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次世代のデザインツールは、デザイナーが自身のクリエイティビティを活かし、効率的に表現できるような、「摩擦」のないスムーズな使い勝手を備えたものでなければなりません。デザイナーの表現を手助けし、その邪魔をしない。そこにデザインツールのイノベーションがあります。これは、今も昔も変わりません。

ヨハネス グーテンベルクは、活版印刷の発明によって印刷物の制作と配布を容易にし、結果として世界に変革をもたらしました。彼は手間のかかる複雑なタスクを洗練させ、プロセス全体をシンプルなものとして再構築したのです。これがまさに500年を経た今、私たちAdobe Designチームが実現しようとしていることです。つまり、クリエイターがデザインを容易に創り出し共有できるようにする、洗練されたツールの開発です。

Adobe XDは、Adobe Designチームが開発初期からそのデザインと実地検証に関わっているツールです。XDは、美しく技巧を込めたアプリ、webサイト、その他あらゆるスクリーン体験をデザインし、プロトタイプに仕上げ、共有するための、オールインワンソリューションです。このプロダクトには3つの特筆すべきことがあります。それは「エクスペリエンス至上主義」、つまりハードルが低く使いやすいこと、「パフォーマンスを妥協しない」、つまり高速で応答性に優れていること、そして「クリエイティブコミュニティ」とのパートナーシップによってその開発が推進されていることです。

このパートナーシップにより、XDはデザイナーのワークスタイルにまったく新しいアプローチをもたらしました。このツールは私たちがデザインとプロトタイプに専念する邪魔をせず、シームレスかつ迅速な共有によってフィードバックを得ることができます。このような、エクスペリエンスデザイン専用のオールインワンのクロスプラットフォームソリューションの登場自体が、既存概念を一新するものといえます。

「クリエイティブツール」再考

Adobe XDは、デザイナーが理想とする学びと仕事の達成を、その中核的な設計思想に持つプラットフォームです。現在のUX構築においては、新しいアイデアの探索と検証を迅速に行うことが求められていますが、多くのUXワークフローでは、デザイン、プロトタイプ、共有、フィードバック収集といったプロセス全体にわたり複数のアプリケーションを併用し切り替えて使わなければなりません。

ワークフローにおいて、デザイナーがツールを切り替えて使うたびに、ファイルのインポートの手間、ツール間で異なるキーボードショートカット、他のチームメンバーへのカンプの送付などの「摩擦」が生じます。Adobe XDにおいて私たちが注力しているのは、エンドツーエンドなワークフロー全体を1か所にまとめた単一ツールを提供することです。この実現によって開放されたデザイナーの創造力はスピードアップし、これまでにない容易さでコミュニケーションとコラボレーションをしながら、新しいアイデアを次々に試行することができるのです。

デザイン、検証、フィードバック収集から、開発者へのデザインの受け渡しまでの、プロセス全体に注力することによって、私たちはデザイナーにイノベーションを生む力を与え、創造力を前例のないレベルにまで高めることができると考えています。

Adobe XDでAdobe XDをデザインする

常に求められているのは、アイデアを実際の顧客に示し、検証することです。Adobe XDの場合、プラットフォームのコンセプトの有効性を私たちチームがみずから検証し、証明することができています。現在では、デザインおよび開発チーム全員がAdobe XDを使い、継続的な反復的改良を行っています。それだけでなく、私たちはCreative CloudDocument CloudExperience Cloudといった製品群すべてのエクスペリエンスデザインにXDを活用しています。

このように、Adobe XDによるデザイナーと製品チームの開発者とのコラボレーションが日常的に行われているため、私たちはAdobe XD自身に追加する新機能の有効性を迅速に確認できる体制を構築することができています。

そもそもデザイナーのために作られたツールを実際に自分自身で使えるのは、ある意味エキサイティングなことです。そして、自分たちが毎日使っているからこそ、私たちは、デザイン業界に属する社外のデザイナーたちが日常的に使う機能を提供できているという確証を持っています。加えて、私たちはプラットフォームが本質的でない機能で溢れないようにガイドする基本原則を採り入れたプロセスに従って開発をしています。このプロセスを通じ、ある機能が全体のワークフローに注力するこのプラットフォームに貢献するのか、それともさしたるメリットもなく乱雑さを増すだけの存在なのかを、デザイナーが判断できるようになっています。

また、デザインコミュニティからのフィードバックを開発プロセス全体にわたって採り入れることで、私たちは逸脱をすることなく重要な事柄にフォーカスできています。世界中のデザイナーとのコラボレーションは、Adobe XDのデザインが最も恩恵を得ていることのひとつです。

アドビの次世代製品

エンドツーエンドのクリエイティブワークフローに注力しているアドビ製品はXDだけではありません。Adobe Dimension CCAdobe Lightroom CCを始めとする、アドビの最新クリエイティブツールのいくつかは、アイデアが実装に落とし込まれるまでのライフサイクルにおいて、クリエイターの創造力を最大限に支援できるよう開発されています。

ここに述べたことはほんの始まりにすぎません。私たちはAdobe XDで成功したこのアプローチを発展させ、いくつかのエキサイティングな新製品や既存製品の再構築プロジェクトにおいてもXDを使ったデザイン、検証、反復的改良を行っています。まだすべてを明らかにすることはできませんが、いまは今年の10月にまたAdobe MAX日本のAdobe MAXは11月20日)が開催されるということだけをお伝えしておきましょう。ご期待ください!

この記事は2018/5/15にポストされたAdobe XD and Building Tools for the Lifecycle of a Designを抄訳したものです。

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Keisuke Todoroki

アドビ システムズ 株式会社 / マーケティングマネージャー。 1999年、早稲田大学理工学部を卒業後、大手印刷会社に勤務。主にEC分野で J2EE開発に携わるが、Flexとの衝撃的な出会いを機にRIAの世界へ。 2008年4月、アドビ入社。 アドビのWebツール全般のマーケティングを担当。