Blog Post:アドビは、本年2月に世界初のオープンスタンダードに準拠したクラウドベースの電子署名プラットフォームを公開し、6月にはAdobe Signの最新版がこれに対応しました。これに際し、Adobe Systems Document Cloudビジネス部門Senior Product Managerで、クラウド署名コンソーシアムの責任者であるAndrea Valleが来日し、クラウド署名の重要性と最新のAdobe Signでの利用方法、今後の普及の課題などについて語りました。  

なぜクラウド署名が大事なのか

電子署名とは、暗号化技術に基づいて最も強固なセキュリティを実現している電子的な署名手段です。海外では医学、製薬の分野では電子署名を使うことが義務付けられている文書もあります。ただ、利用方法が複雑で一般ユーザにとって敷居が高く、現在のクラウドおよびモバイル時代に使いづらいものになっています。例えば、従来Adobe Acrobatで電子署名を行う場合、Adobe Acrobatのドキュメントをパソコンにダウンロードし、Acrobatの中であらかじめ登録されている電子証明書を使うか、スマートカードやUSBトークンで提供される電子証明書を使って署名し、Adobe Signにアップロードする必要がありました。一方クラウド署名はモバイル時代に適した電子署名を可能にします。文書をダウンロード、コンピュータ上での署名、その後のアップロードする必要が無く、電子証明書の付与に必要な複雑な設定もAdobe Signおよびクラウドサービスプロバイダの環境上で行われるため、手持ちのモバイル端末で容易に電子署名ができます。 アドビは署名の国際規格を策定する標準化団体「欧州電気通信標準化機構(ETSI)」のメンバーで、世界に70億人いるモバイルユーザが容易に電子署名を利用できるオープンな規格を策定するため、クラウド署名コンソーシアムを昨年設立しました。同コンソーシアムには、EUのクラウドベースの電子署名プロバイダ、トラストサービスプロバイダ、学術機関、標準化団体、セキュリティ関連団体が参加しています。 この度提供開始したETSIの標準仕様に準拠したAdobe Signは強固なセキュリティのもと、導入も利用も容易な電子署名ソリューションです。タブレット端末からでもLinuxなどOSの種類やバージョンに左右されることなく、ブラウザですべての作業を行えます。 また、Adobe Signを使ってクラウド上で電子署名の付与・承認・稟議書の配布などの必要なワークフローをダッシュボードで管理できます。さらに、PDF文書に署名、証明書の付与から電子署名の有効性の検証や監査証跡を確認することも可能です。  

日本でのエコシステムの拡大を目指す

日本でも電子署名のサービスプロバイダや電子署名に関するルールを策定しようとする機運が高まっています。日本の政府機関もクラウドベースの電子署名の利用に対して高い関心を示しています。現在、アドビは欧州の多くのサービスプロバイダと協業していますが、日本においてもデジタルIDサービスを提供するサービスプロバイダとの提携のチャンスをうかがっています。  

<説明会における一問一答>

アドビが電子証明書を発行する予定はありますか。 その予定はありません。理由は2つあります。まず、電子認証ビジネスは非常に厳格な要件と高い信頼性、専門性が求められます。次に世界各国の法制に準拠したプロバイダとの協業を目指しているからです。今回の来日目的の一つも日本のサービスプロバイダとの協業を模索するためです。   Adobe Signはクラウドだけの提供ですか。 はい。クラウドベースのプラットフォームです。デスクトップパソコンでの電子署名を活用する場合はAdobe Acrobatを活用できます。   クラウド署名コンソーシアムの標準仕様準拠の製品としてはAdobe Signだけですか。 最初に製品の提供を開始したのは弊社ですが、コンソーシアムには電子署名アプリケーションのプロバイダが多数参加しており、今後は様々な会社が市場に進出することを期待しています。強調したい点は、コンソーシアムがアドビだけの取り組みではなく、弊社はその創設メンバーの一社であるということです。   電子署名ソリューションの普及の見通しについては。 弊社の分析によるとクラウドベースの電子署名ビジネスは約10億ドルの市場規模になると見ています。現状、市場は細分化されていますが、エコシステムにより技術収束が進んでいくと予想しています。 日本においては、アドビは経済産業省の研究会に参加しています。国は電子署名によるペーパーレスを進めており、マイナンバーカード、ICチップ、USBなどを使用した物理的な電子署名から、モバイル対応した使いやすい電子署名のあり方を議論しています。そのうちの1つがクラウド署名になっています。   日本でのルール策定について議論のポイントは。 1つ目は技術面、2つ目は政策面です。技術面ではクラウドベースの電子署名が、電子サインの普及を促進できるという合意形成ができています。今回の日本の政府機関との話し合いでは、どういう場面で電子署名の適用を義務付けるのかなど、他国での経験について質問を受けました。アドビでは、クラウド署名コンソーシアムの一員として、政府機関と協力、情報共有し、JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)が主催する日欧インターネットトラストシンポジウムなど、公的なイベントへの協賛も行っていきます。 政策の部分では、ハンコと置き換えるとわかりやすいと思います。たくさんのハンコがありますが、三文判と役所に登録している実印では法的効力が違います。先ほどお話したデジタル署名、電子証明書は実印と同じ扱いです。本人証明の法律的な証明となります。今までの法律制定時はデスクトップ上で確認をしていましたが、今経済産業省研究会などでも、クラウド上でも電子証明書ができます。クラウド上に実印があるという場合にどういった要件を満たせば、クラウドの電子証明書を呼び出してサインができるかが議論になっています。技術的には出来るが、どこまでレベルを高めるかが課題です。
Author: Date Created: Headline:モバイルファースト時代に安全な署名手段の一つとして期待されるクラウド署名 Publisher: Image: Date Modified:July 4, 2017

Adobe Document Cloud – Japan

電子文書管理とワークフロー効率化の向上におけるインサイト、トレンドおよびニュース

July 4, 2017 /

モバイルファースト時代に安全な署名手段の一つとして期待されるクラウド署名

アドビは、本年2月に世界初のオープンスタンダードに準拠したクラウドベースの電子署名プラットフォームを公開し、6月にはAdobe Signの最新版がこれに対応しました。これに際し、Adobe Systems Document Cloudビジネス部門Senior Product Managerで、クラウド署名コンソーシアムの責任者であるAndrea Valleが来日し、クラウド署名の重要性と最新のAdobe Signでの利用方法、今後の普及の課題などについて語りました。

 

なぜクラウド署名が大事なのか

電子署名とは、暗号化技術に基づいて最も強固なセキュリティを実現している電子的な署名手段です。海外では医学、製薬の分野では電子署名を使うことが義務付けられている文書もあります。ただ、利用方法が複雑で一般ユーザにとって敷居が高く、現在のクラウドおよびモバイル時代に使いづらいものになっています。例えば、従来Adobe Acrobatで電子署名を行う場合、Adobe Acrobatのドキュメントをパソコンにダウンロードし、Acrobatの中であらかじめ登録されている電子証明書を使うか、スマートカードやUSBトークンで提供される電子証明書を使って署名し、Adobe Signにアップロードする必要がありました。一方クラウド署名はモバイル時代に適した電子署名を可能にします。文書をダウンロード、コンピュータ上での署名、その後のアップロードする必要が無く、電子証明書の付与に必要な複雑な設定もAdobe Signおよびクラウドサービスプロバイダの環境上で行われるため、手持ちのモバイル端末で容易に電子署名ができます。

アドビは署名の国際規格を策定する標準化団体「欧州電気通信標準化機構(ETSI)」のメンバーで、世界に70億人いるモバイルユーザが容易に電子署名を利用できるオープンな規格を策定するため、クラウド署名コンソーシアムを昨年設立しました。同コンソーシアムには、EUのクラウドベースの電子署名プロバイダ、トラストサービスプロバイダ、学術機関、標準化団体、セキュリティ関連団体が参加しています。

この度提供開始したETSIの標準仕様に準拠したAdobe Signは強固なセキュリティのもと、導入も利用も容易な電子署名ソリューションです。タブレット端末からでもLinuxなどOSの種類やバージョンに左右されることなく、ブラウザですべての作業を行えます。
また、Adobe Signを使ってクラウド上で電子署名の付与・承認・稟議書の配布などの必要なワークフローをダッシュボードで管理できます。さらに、PDF文書に署名、証明書の付与から電子署名の有効性の検証や監査証跡を確認することも可能です。

 

日本でのエコシステムの拡大を目指す

日本でも電子署名のサービスプロバイダや電子署名に関するルールを策定しようとする機運が高まっています。日本の政府機関もクラウドベースの電子署名の利用に対して高い関心を示しています。現在、アドビは欧州の多くのサービスプロバイダと協業していますが、日本においてもデジタルIDサービスを提供するサービスプロバイダとの提携のチャンスをうかがっています。

 

<説明会における一問一答>

アドビが電子証明書を発行する予定はありますか。
その予定はありません。理由は2つあります。まず、電子認証ビジネスは非常に厳格な要件と高い信頼性、専門性が求められます。次に世界各国の法制に準拠したプロバイダとの協業を目指しているからです。今回の来日目的の一つも日本のサービスプロバイダとの協業を模索するためです。

 

Adobe Signはクラウドだけの提供ですか。
はい。クラウドベースのプラットフォームです。デスクトップパソコンでの電子署名を活用する場合はAdobe Acrobatを活用できます。

 

クラウド署名コンソーシアムの標準仕様準拠の製品としてはAdobe Signだけですか。
最初に製品の提供を開始したのは弊社ですが、コンソーシアムには電子署名アプリケーションのプロバイダが多数参加しており、今後は様々な会社が市場に進出することを期待しています。強調したい点は、コンソーシアムがアドビだけの取り組みではなく、弊社はその創設メンバーの一社であるということです。

 

電子署名ソリューションの普及の見通しについては。
弊社の分析によるとクラウドベースの電子署名ビジネスは約10億ドルの市場規模になると見ています。現状、市場は細分化されていますが、エコシステムにより技術収束が進んでいくと予想しています。

日本においては、アドビは経済産業省の研究会に参加しています。国は電子署名によるペーパーレスを進めており、マイナンバーカード、ICチップ、USBなどを使用した物理的な電子署名から、モバイル対応した使いやすい電子署名のあり方を議論しています。そのうちの1つがクラウド署名になっています。

 

日本でのルール策定について議論のポイントは。
1つ目は技術面、2つ目は政策面です。技術面ではクラウドベースの電子署名が、電子サインの普及を促進できるという合意形成ができています。今回の日本の政府機関との話し合いでは、どういう場面で電子署名の適用を義務付けるのかなど、他国での経験について質問を受けました。アドビでは、クラウド署名コンソーシアムの一員として、政府機関と協力、情報共有し、JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)が主催する日欧インターネットトラストシンポジウムなど、公的なイベントへの協賛も行っていきます。

政策の部分では、ハンコと置き換えるとわかりやすいと思います。たくさんのハンコがありますが、三文判と役所に登録している実印では法的効力が違います。先ほどお話したデジタル署名、電子証明書は実印と同じ扱いです。本人証明の法律的な証明となります。今までの法律制定時はデスクトップ上で確認をしていましたが、今経済産業省研究会などでも、クラウド上でも電子証明書ができます。クラウド上に実印があるという場合にどういった要件を満たせば、クラウドの電子証明書を呼び出してサインができるかが議論になっています。技術的には出来るが、どこまでレベルを高めるかが課題です。

Adobe Experts, Adobe Sign

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