Goto Aki が教える、売れる風景写真を撮る基本 #3 – 「色」の重要性 #AdobeStock

Adobe Stock Creative Cloud Photo

世界一周から日本全国の旅へと風景撮影の旅を続ける写真家・GOTO AKI。現在は日本の風景をモチーフに地球的な時間の流れをテーマとした作品を写真集や個展で発表する傍ら、当ブログや写真教室などで、より多くの方々に写真の魅力を伝えるための活動にも力を入れています。

この連載では、「ストックフォトとして売れる風景写真とは何か?」をテーマに、みなさんがAdobe Stock用の素材撮影に役立つような考え方と基礎的な知識を作品例とともにお伝えしていきたいと思います。


みなさん、こんにちは。

連載一回目では「光」前回は「時間」を取り上げましたが、今回は「色」についての話です。

写真を撮ったものの色が思うように再現されなくて困った。カメラでもソフトでも調整できる場所が多くてどの機能を使ったらいいのかわからない。こんな経験はないでしょうか。ここでは撮影から現像まで、基本的なオススメのプロセスをお伝えして、みなさんの撮影に活かしていただきたいと思います。早速始めましょう。

1 色を意識しよう

ストックフォトにおける風景写真は、第一回目の記事でユーザーにとっての「素材」であることをお伝えしました。その素材には2種類ありましたが、みなさんご記憶でしょうか?

一つは「情報を伝えるための写真」、もう一つは「イメージの写真」ですね。

いずれの写真でも、利用者の心理により良い印象を与えるために「色」の表現が大事になってきます。そのためのキーワードは「ホワイトバランス」です。

太陽光で日中に撮影(肉眼で見た時に近い自然な色再現) |  ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

2 風景撮影にオススメのホワイトバランス

なんだホワイトバランスなら知っているよ、と思われた方もいるかもしれません。どのデジタルカメラにもついている機能で、光源に合わせて色の変化を補正してくれるため、白い被写体であれば白く写るように設定してくれるのが基本的な特徴です。

みなさんがお使いのカメラをご覧いただくと、光源の違いに合わせて、ホワイトバランスを調整してくれる「プリセット機能」がついていると思いますが、オプションが豊富にあります。たとえば、太陽光(晴天)、日陰、曇天、電球、蛍光灯、フラッシュ、マニュアルなどですが、全部使おうとすると混乱の元です。

筆者は、「風景撮影においては、光源は太陽」との考えで、 ホワイトバランスの設定を太陽光(晴天)のみで撮影することをオススメします。

理由はオートホワイトバランスで風景を撮ると朝でも夕方でも昼間撮影したような色再現になり、雰囲気が伝わりにくくなりますが、太陽光(晴天)であれば時間帯に合わせた色再現ができるため、撮影地の雰囲気が印象的に伝えやすくなるからです。

オートの写真:時間帯に関係なく曇天の写真として描写される |  ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.
太陽光の写真:夕方曇天で色温度が高いため青く印象的に描写される|  ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

下のリストは、一日の撮影時間帯を「太陽光の状況」に合わせて分類したもので、「写真の色味」はホワイトバランスを太陽光(晴天)で撮影した場合の色のイメージです。

太陽を基準としたこの色味を基準として覚えておくと、撮影した色味を現像で強調するか、もしくは控えめな表現にするかというシンプルな選択で作業へ進めます。

3 現像処理の基本

みなさんがいろんな時間帯に撮影されたデータを元に、伝えたい色を現像で再現しましょう。

例えば、夕暮れの紅色に染まった空を美しいと感じた場合、実際の色よりもより鮮明に皆さんの記憶に残る場合があると思います。これを「記憶色」といいますが、ストックフォトのユーザーにも感動を共有してもらうために、色彩の調整をして「記憶色」を再現する作業を行います。ここではLightroomを参考に基本的な現像のメニューをお伝えしますね。

* 色温度調整

光の温度のことを色温度といいます。色温度が高いと青く(寒色系に)、低いと黄色く(暖色系に)なります。色温度を表す単位がケルビン(K)です。カメラの設定では、ケルビンの数値が低いほど青く、数値が高いほど黄色く再現されます。

色の変化についてはあんまり難しく考えず、ソフトを直感的に操作してみてください。

3000 K 寒色 | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.
5500K 忠実な色再現 | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.
7500K 暖色 | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

* 彩度調整

色の鮮やかさの調整です。黄色、橙色、赤色などの暖色は彩度を上げると色飽和しやすく、被写体の細部が潰れたり、階調が描写されない傾向があるので注意しましょう。

自然な発色の写真 | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.
色飽和した写真 | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

彩度の調整には「自然な彩度」と「彩度」がありますが、「自然な彩度」はソフト側で色飽和を抑制してくれるので便利です。「彩度」は全体的な鮮やかさを紅潮するときには便利ですが、強調しすぎると色飽和しやすく、風景写真では不自然になりますので、モニターで細部や階調を確認しながら調整するといいでしょう。

色温度の調整と彩度の調整は 別々の作業ですので必ずしも両方やる必要はありません。全体の色味の調整が必要な時は色温度調整を、色の鮮やかさを調整したい時は彩度調整を行なってください。

4 撮影時の注意点

ホワイトバランスを太陽光で撮影した画像は、Lightroomで現像処理することを前提にしていますので、後処理してもデータが壊れないように「RAW」で撮影しましょう。

5 ご参考までに

「素材」としての風景写真のデータを作る場合、何色を強調するかで伝えたいイメージが変わってきます。色が人にどのような心理的な影響を与えるかを簡単なリストにまとめました。この「色」と「印象」の関係を参考にしてください。

例として、美しさや爽やかさを伝えたいときは白色〜青色の面積が多い写真を、穏やかな印象を伝えたいときは緑色を意識すると伝わりやすい写真に仕上がりますね。みなさんが伝えたいメッセージと色を重ね合わせて作品作りに励んでみてください。

美しさや爽やかさを伝えたいとき | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.
穏やかな印象を伝えたいとき | ©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

連載第3回目の記事はいかがでしたでしょうか。撮影はホワイトバランスを太陽光で撮ること、現像では感動した色を強調する方法をお伝えしました。

今回お伝えした<色>はこれだけで独立しているわけではなく、連載でお伝えしてきた<光><時間>とすべて連動していますので、過去記事を軽く読み返しながら皆さんの創作へ役立てていただけたら嬉しいです。

次回は風景の造形(形、線、質感)の話をお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに。


いかがでしたでしょうか?現在、Adobe Stockでは作品を投稿して下さるコントリビューター(投稿者)を募集中です。コントリビューター登録がお済みでない方はこちらからどうぞ。みなさまの素敵な作品をお待ちしています。

POSTED ON 2018.09.21

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