鈴木心の写真道場 by 鈴木心写真館/第一回「なぜ照明は必要か」#AdobeStock

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JR SKISKIやサントリー角ハイボールをはじめ、数多くの企業広告、雑誌写真の世界で活躍してきた写真家・鈴木心。2011年以降、15,000名以上の方の記念写真を撮影する「鈴木心写真館」を主宰し、「写真であそぶ、写真でまなぶ」をテーマに、企画、撮影、ブランディングから共育まで、写真を軸に幅広い活動を行なっています。

本連載では、鈴木心自身の経験と鈴木心写真館で実際に行ったワークショップをもとに、Adobe Stockでより多くの方が良い作品を販売するヒントとなる、「良い写真」を撮るための基礎をレクチャーします。

第一回は、なぜ照明が必要なのか。その根本の考え方からお伝えしていきます。

静止画が「物語る」ために

人の目は明るいものを見る習性があります。
静止画を見るとき、明るいほうから暗いほうへと動いていく視線。

「鑑賞者が見る順序を撮影者がコントロールするための導線を作るには、『影』の配置が重要な役割を持ちます」

最も見せたい箇所を明るく、最後に見せたい箇所は暗く。

「明暗を分布して順序をつけていくことで、どんな人物がどんな洋服を着ていてどんな背景の中にいるのか。静止画における物語は、一枚の写真の中に『濃度の物語』を生み出すことができます」

この「物語」を、静止画を見る相手に正しく読ませるための順位づけをする鍵となるのが「影」。一枚の写真の中にどのように「明るさ」の物語を生み出すのか、それが照明を打つ意味なのです。

影をつける=照明をあてる

影をつけるためには、照明をあてる必要があります。

「写真、そして濃淡の物語を読ませたいという意図があるのだから、照明も意図的に設計しなければなりません。距離、角度、光の大きさ、それぞれを緻密に考え、セッティングします」——これが、鈴木心の照明を組むときの考え方。

「その中の『光の芯の大きさ』をコントロールするために、光源を反射するリフレクターを用いる、あるいは光を拡散するディフューザーを用いる」

これを状況にあわせて考え、照明の性格を設定していきます。

「物語は、『影』でできている。セッティングの加減を判断するために影を見ながら作業します」

照明とコミュニケーション

照明の考え方から始まったこのセッションですが、写真、そして撮影者に求められる能力として、重要だと考えているのは「コミュニケーション力」。

良い写真は、撮られる人、撮る人、見る人を繋ぐ写真。

照明で作る物語も撮影者と鑑賞者のコミュニケーションであり、道具単位で見ると照明の開発者と撮影者のコミュニケーションによって、良い撮影というものは生まれるのです。

照明を極力シンプルにするのは、コミュニケーションに力点を置くため。どんなに高価で複雑な機材でも、笑顔を作り出してはくれないのですから。

より詳しく知りたい方には

写真家・鈴木心をより詳しく知りたい方には、12年に渡る鈴木心の仕事撮影の中から撮影における照明の記録、現場写真、意図、完成写真を厳選してまとめた「撮影ノート」を。自然光からクリップオン、“同じセッティングは二度としない”をモットーとしてきた鈴木のあらゆる手法を網羅しています。被写体との対談や歴代アシスタントが語る鈴木心についても収録。写真を撮る人も撮らない人も、写真の向こう側が見えてくる本です。

本連載では次回以降、自然光をリファレンスとし、シンプルで汎用性の高いアイランプや蛍光灯を用いた照明の基礎をレクチャーしていきます。この考え方をマスターすることによって、みなさまの「良い写真」を作る参考としていただければ幸いです。

(文:末松早貴 写真:高木亜麗/ともに鈴木心写真館

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POSTED ON 2018.06.29

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