鈴木心の写真道場 by. 鈴木心写真館/第四回「自然光を再現する(日陰編)」#AdobeStock

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数多くの企業広告、雑誌写真の世界で活躍してきた写真家・鈴木心。2011年以降、16,000名以上の方の記念写真を撮影する「鈴木心写真館」を主宰し、企画、撮影、ブランディングから共育まで、写真を軸に幅広く活動中です。その詳細は、ほぼ毎日更新の「鈴木心写真館のnote」でご覧いただけます。

本連載では、鈴木自身の経験と鈴木心写真館でのワークショップ「写真道場」をもとに、Adobe Stockでより多くの方が良い作品を販売するヒントとなる、「良い写真」を撮るための基礎をレクチャーしていきます。

第四回は、日陰の光を照明で再現します。

直射日光を再現した前回に続き、今回は日影の光を参考に照明で作っていきます。

今回のサンプルは、こちらの写真。前回と位置関係は変わっていませんが、日陰で撮影しました。

キャッチライトから情報を読み取る

日陰の光を再現するために、どう撮るか。その手がかりになるのはキャッチライトです。

「一見しただけでは影の方向性はないが、どちらかと言えば、右下に緩やかに濃度が落ちている。したがって、左上に大きな光源があるということがわかります」

芯をなくす

芯がある照明を当てた場合、どんなに距離をとっても必ず影が出ます。影をなくすには「芯をなくす」こと。厚い雲に覆われた太陽、曇りを再現する際のポイントです。

ゲージありのアイランプを使用。カメラ位置も立ち位置も、前回と同じところからスタートします。

しかし、今回は被写体に直接照射するのではなく、被写体から最も遠い壁を利用してライティングしていきます。これが「バウンス」という方法です。

「ここから最も遠いところへ向けると、光が壁へ向かっていって反射して返ってくるので、2倍の距離を稼ぐことができます。ゲージを被せているので、被写体には直接光が当たらず、空間には光が当たるのです」

空をイメージしてライトを投入する

「大きな違いは、髪の光の受け方。屋外で撮ったもの(右)は、空からの光が髪で反射しています」

この差分を埋めるためにもう一灯照明を追加し、天井に近づけていきます。自然光には揺らぎがあります。だからこそ、「こんな感じではないかという勘」が大切なのです。

被写体と背景を分けて考える

ベースとなっているライトの光が回っているので、追加したライトは出来るだけ髪の反射のみに機能するように配置していきます。

「2つのライトを用いてわからなくなった場合は、ひとつずつ別々に組み立てていくこと。被写体と背景は分けて考え、背景から作っていきましょう」

地面の照り返しを再現する

「参考写真よりも影が濃く出ている。屋内環境が狭いゆえ、被写体に当たる光が近いから。これを反射させることで、影を明るくする必要があります」

黒で締めたり、白を置いたりすることでも、環境反射の明るさを操作することができます。

一灯を基本に組み立てる

「ライトが増えると環境で反射する光の量も増え、それを制御するためにさらに遮光、反射素材が必要となり、極端に複雑化します。一灯を中心に、順序立てて組み立てていくのが単純明快です」

「私たちは普段、太陽一灯に照らされている影を見ています。それが、肉眼での動的な映像。静止画においては、一枚の中に物語を作ることで情報を整理していくので、演出のために多灯になることも応用編としては不可避なのです」

次回は、物撮影におけるライティングに迫ります。鈴木心の実際の仕事案件を例に、レクチャーしていきます!

より詳しく知りたい方には

写真家・鈴木心をより詳しく知りたい方には、12年に渡る鈴木心の仕事撮影の中から撮影における照明の記録、現場写真、意図、完成写真を厳選してまとめた「撮影ノート」を。自然光からクリップオン、“同じセッティングは二度としない”をモットーとしてきた鈴木のあらゆる手法を網羅しています。被写体との対談や歴代アシスタントが語る鈴木心についても収録。写真を撮る人も撮らない人も、写真の向こう側が見えてくる本です。

(文:末松早貴 写真:高木亜麗/ともに鈴木心写真館

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POSTED ON 2018.09.28

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