鈴木心の写真道場 by. 鈴木心写真館/第五回「物撮影の照明を組み立てる」#AdobeStock

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数多くの企業広告、雑誌写真の世界で活躍してきた写真家・鈴木心。2011年以降、16,000名以上の方の記念写真を撮影する「鈴木心写真館」を主宰し、企画、撮影、ブランディングから共育まで、写真を軸に幅広く活動中です。その詳細は、ほぼ毎日更新の「鈴木心写真館のnote」でご覧いただけます。

本連載では、鈴木自身の経験と鈴木心写真館でのワークショップ「写真道場」をもとに、Adobe Stockでより多くの方が良い作品を販売するヒントとなる、「良い写真」を撮るための基礎をレクチャーしていきます。

第五回は、物撮影の照明に迫ります。

前回までの人物撮影に続き、今回は物撮影における「良い写真」をめぐる照明について。鈴木心の実際の仕事案件を例に、レクチャーしていきます。

今回の被写体は、鈴木心がブランディングをしている福島の酒蔵「仁井田本家」の商品。

ガラス瓶は、透過物であり反射物です。このような素材は「反射」するパーツと「透過」するパーツが組み合わさっているため、表裏の双方を制御しなければならず、常にこの2つのバランスを取りながら、照明を設計する必要があります。

さらに、瓶は湾曲して歪みもあるため、光の入射角を考慮しなければなりません。

蛍光灯の有用性

蛍光灯は、日常的にも身近でとても使いやすい光源です。
1. 定常光で質感が柔らかい
2. 面積が大きい
3. 熱を持たない
4. 購入しやすい

今回は、家電量販店などで安価に購入できる自作の蛍光灯セットを用います。壁に取り付けるDIY用の蛍光灯に、ライトスタンドが取り付けられるようにダボをかませた、簡易的なセッティングです。

蛍光灯は余計なハイライトが入ることなく、ひと筋がメインライトとして柔らかく回るため、物撮影には適しています。

まず、背景から

人物撮影同様、撮影空間のレイアウトが撮影完了までの変化に対応でき、背景がライティングの邪魔にならないように考慮の上、それぞれの機材が壁面から余裕をもった配置となるように組み立てていきましょう。

その撮影空間内のどこに被写体を配置するかが、重要なポイントとなります。

「最小限の照明機材で最大源のライティングとするためにも、被写体の上手なレイアウトを心がけます」

また、被写体を設置する地面までの距離にも、余裕が必要です。光源からの反射によって、映り込みを受けてしまうためです。被写体を浮かしてそれを回避するため、直下に透明のアクリルを配置します。

「被写体の内側に隠れるようにすれば影響を受けにくい、透明アクリルが安心です。DIY量販店で購入した、円柱型と皿状のアクリルを使います。大きさは、瓶の直径よりも小さいものを。これも、被写体へ写り込まないように注意します」

これを、三脚に取り付けます。三脚には雲台があるため、水平垂直を取るのがスムーズです。

1灯の照明で9割を仕上げる

これまでの連載同様、今回も被写体には一灯のみを使用します。
これは、鑑賞者の視線の誘導を明快にするためです。
さらに、背景を白くするために二灯を用意します。

まず、背景の照明だけを付けて確認した上で、今度は被写体の照明だけを付けてチェックしましょう。この際、構図や被写体の正面が崩れていないかを確認します。

一旦、背景のライトを消し、今度はメインの照明を配置します。

「横組みのデザインに写真が用いられる場合は文字を読む目線の導線上、画面の左上が強く、右下が弱い。したがって、ライトを左に配置するのが通例ですが、今回はラベルが縦書きのレイアウトなので、右上から左下へ強弱が流れるように照明を設計します

側面すぎると余計な影が出てしまい、正面すぎると商品の質感が出ません。
その加減を見ながら照明の角度や距離を組み立てられるのも、蛍光灯の良いところです

さて、撮影にはレタッチが付きもの。次回は、レタッチに関する特別編です。撮影現場か、後処理か、あるいはいずれもか。実際の撮影とレタッチの役割をご紹介いたします!

より詳しく知りたい方には

写真家・鈴木心をより詳しく知りたい方には、12年に渡る鈴木心の仕事撮影の中から撮影における照明の記録、現場写真、意図、完成写真を厳選してまとめた「撮影ノート」を。自然光からクリップオン、“同じセッティングは二度としない”をモットーとしてきた鈴木のあらゆる手法を網羅しています。被写体との対談や歴代アシスタントが語る鈴木心についても収録。写真を撮る人も撮らない人も、写真の向こう側が見えてくる本です。

(文:末松早貴 写真:高木亜麗/ともに鈴木心写真館

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POSTED ON 2018.10.9

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