私たちの生まれながらの本能―大地に安らぎを求めて #AdobeStock

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2019年最初のトレンドとして、原点回帰、つまり、「人と地球とのつながり」に注目しています。日々デジタルの世界に浸かっている私たちが、ハイテク、ハイスピードな生活や、常に情報やSNSに触れている落ち着かなさを解消する解毒剤として、今、強く心惹かれるのは「自然」です。

多くの人々は、食、美容製品、テキスタイル、さらには有機素材のマットレスに至るまで、あらゆるものに天然の原材料から得られる「心身の安らぎ」を追い求めています。そして、自然を神聖なものとして捉え、物質面、精神面で自分たちのニーズを満たしてくれる企業を選ぶようになってきています。

「生まれながらの本能」を重視するトレンドは、ビジュアル業界にも影響を及ぼしており、ストックフォトでも、手つかずの生態系の美しい画像や、人々が自然の中で孤独を見つけたり、活力を取り戻していく様子を捉えた写真が人気です。Adobe Stockでもこのトレンドは数字であらわれており、検索キーワードとして「内省 (introspection)」は80%、「セルフケア (self-care)」は78%、「ビーガニズム (veganism) 」は93%、昨年より増加しています。

Cavan Images / Adobe Stock

天然の原材料、スピリチュアル・ヒーリング、自己内省

Nielsenによると、昨年はアメリカの88%の家庭で、オーガニックの飲食品を購入したとのこと。パーソナルケア製品についても、天然の原材料にこだわる家庭は51%に上るといいます。

こうした需要の根本にあるのは、主に健康への関心ですが、もうひとつ別の要素も働いています。それは、天然の原材料は私たちと自然との距離を縮め、私たちに調和を取り戻し、癒しや活力をもたらすことができる、という考え方です。アパレルの主流企業、Free Peopleは、エネルギーバランスを整える水晶などのヒーリング製品を取り揃え、スピリチュアル市場に参入したほか、Moon BathZephoriumなどの新しい美容ブランドは、自然のリズムに合わせることを消費者に提案しています。Rituel de Filleの美容製品は「天然の原材料の神秘的な一面と、顔料の儀式的な力」に着目したもので、ブランド創設者は古代の薬の調合技術を取り入れています。

EVERST / Adobe Stock

こうしたスピリチュアルな領域への進出は、数年前まではタブーだったかもしれません。しかし、今ではメインストリームになりつつあります。Pew Research Centerによると、ますます多くのアメリカ人(27%)が、自分のことを信心深くはないがスピリチュアルな人間だと考えるようになっているとのこと。ここ5年間で8ポイントと、その割合は大幅に増加しています。このトレンドは、人種や性別、支持政党の別なく広がりを見せています。

動画:andrii kobryn/ Adobe Stock

自然の中に身を置き、自己と向き合う「リトリート」もブームとなっています。満月や新月のパワーを活かして内省を深めることを促したり、水晶を用いたホリスティックヒーリングを行っているのは、The Maha Rose Center for Healingです。他にも、女性のウェルネスやヒーリングのために、清らかな自然に囲まれた場を提供するRise Gatheringsや、リトリート参加者を野趣あふれる環境へ連れ出し、ヨガを行うロンドンのSecret Yoga Clubなどが登場。さらに、アスレチック・アパレルブランドのルルレモンまでもがこの流れに乗り出しています。

Shiva RoseColleen McCannといったスピリチュアル界のアイコンたちも人気を呼んでいます。McCannは、Style Ritualsの設立者であり、クリスタルシャーマン、Goop コントリビューター、10万人のフォロワーを誇るインスタグラマーと様々な顔を持つ女性です。彼女によると、自然との精神的なつながりを求める動きが出てくるのは当然とのこと。「今は不安の多い文化。誰だって悟りの体験をしてみたいと思うでしょう?」

Christine Hewitt/Stocksy / Adobe Stock

自然と調和した製品づくり

バイオ・マニュファクチャリング(自然との連携で製品を開発すること)は、私たちが着目するもうひとつのムーブメントです。地上では食物を実らせ、一方、地下では根が手の込んだテキスタイルを作り出す遺伝子組み換え作物を提案したCarole ColletのプロジェクトBiolaceは、未来へのビジョンといえます。Bolt Threadsは、バイオ・エンジニアリングを用いて、耐久性のある素材づくりのためにクモの糸からヒントを得たタンパク質を生産したり、マッシュルームの地下茎の構造を利用してレザーのような素材を製造しています。

 そして、私たちが一番圧倒されたのはFull Grownかもしれません。このグループは、立木をそのまま椅子やテーブル、ランプシェードに成長させているのです。それは「酸素を放出すると同時に二酸化炭素を吸収し、製品自体が鳥や蜂などの野生動物の暮らしを支える」という技術です。創設者のGavin Munroの言葉を借りれば「1年に1度椅子を“放出する”整備された森林」のプロジェクトとのこと。

ゆったりとしたペースで椅子を育てていくことは、環境にやさしいうえ見た目にも美しく、とても深い精神性が感じられ、Gavinはこれを「Zen(禅) 3Dプリンティング」と呼んでいます。

Elin Svensson / Adobe Stock

ビジュアルの世界を自然豊かに

こうしたトレンドから、ビジュアルの世界では、景色、静けさ、つながり、自然志向のウェルネス、自分なりのスピリチュアリティを取り入れたクリエイティブな作品が注目を集めています。また、パントン社の2019年度カラー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたリビングコーラルは、私たちが自分自身に対するのと同様に、自然界に対しても関心を持つべきであることを思い起こさせる温かな色調であり、やはり今の流れを反映しています。

一方、アーティストはというと、Adobe StockプレミアムコントリビューターのArchan Nairのように、人と自然との関係を探っています。Archanのイラストは、有機的な形や神秘主義をもとに描かれ、宇宙的なスケールで相互のつながりを表現しています。

企業やデザイナーにとってのポイント

デジタル環境から疎外感や不安が生じる今の時代、自然は私たちにとって拠り所となるもの、言いかえれば、そこに心身の安らぎを見出そうとしています。企業がこのトレンドに乗るためには、消費者が抱く、安全な天然の原材料への欲求や地球との精神面の結びつきへの憧れに敏感になることです。パノラマの雄大な風景から、ほんのちょっとした瞑想的なディテールまで、自然にまつわる画像は共感を呼ぶでしょう。

Julien L. Balmer/Stocksy / Adobe Stock

生まれながらの本能を重視するトレンドについて、さらにお知りになりたい方は、 Adobe Stockの自然にまつわる特集ギャラリーパントン社のカラー・オブ・ザ・イヤーの記事をぜひご覧ください。今後数カ月にわたり、人と自然とのつながりを探る作品を生み出しているアーティストにお話を伺う予定ですので、引き続き本ブログをお楽しみください。


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この記事は 2019年1月29日に公開された Natural Instincts Trend Report の抄訳です。

ヘッダーイメージ:Hayden Williams/Stocksy / Adobe Stock

POSTED ON 2019.02.5