次世代の学生に向けたデジタルリテラシー開拓 ~オーバーン大学~

Creative Cloud Document Cloud 教育

米国アラバマ州にあるオーバーン大学は全米有数の名門州立大学です。プリンストンレビューによると、学生の満足度も高いとのことです。オーバーン大学の魅力とは何でしょうか。強豪として知られる活発なスポーツチームのほか、先進的教育と幅広い専門性をもつ研究者コミュニティの構築により、学生の将来を見据えた支援にとても力を入れている大学です。

「オーバーン大学は、米国南東部地区で初の『アドビクリエイティブキャンパス』となりました。それは大学にとって大変重要な出来事でした。デジタルリテラシーを身につけた学生は、就職活動で非常に有利なのです。」オーバーン大学図書館メディア&デジタルリソースラボの教育工学スペシャリストであるChelsy Hooper氏は、このように述べています。

デジタルリテラシーの育成はツールだけの問題ではないため、学内すべての主要関係者が協力して、学生と教職員をサポートしています。Hooper氏はこの取り組みの中心人物であり、マルチメディアワークショップやオンラインリソースを活用して、学生や教員が、デジタルツールを効果的に使えるように支援しています。また、Hooper氏は、Adobe Creative Cloudをオンラインコースにも導入して、遠隔授業をサポートし、さらに、必要に応じてキャンパス内のイベントのリモート開催を可能にすることにも大きく貢献しました。

また、教育内容の充実を担う機関であるBiggio Centerで副所長を務めるWiebke Kuhn氏と密接に協力し、授業へのデジタルリテラシー導入を行っています。Kuhn氏は教員へ、教授法のコンサルティング、適切なツールの活用提案、教育技術を最大限活用する方法を指導しています。

Kuhn氏は次のように語ります。「私の役割はリアルとバーチャルの学修空間を構築し、教員にその使い方を伝授することです。Chelsy(Hooper氏)はそこからさらに、Adobe Creative Cloudを活用して、学習空間を充実させ、拡張しています。私たちは、教員がストレスなくデジタルツールを講義に取り入れられるようにし、学生には、より多彩なビジュアルコンテンツの作成方法をマスターしてもらうために、複数の選択肢を提供したいと考えています。」

オーバーン大学がアドビ製品を初めて導入したのは2005年のことです。その後2017 年に、現在の学生課技術担当部長であるKevin Watson氏の働きにより、クリエイティブキャンパスとなりました。Watson氏はこのように述べています。「Adobe Creative Cloudを取り入れることは、工学と農学教育を推進してきた伝統的なランドグラント(土地付与)大学としては、少し変わった取り組みでした。初日に1,000人近くが登録したことに、手応えを感じました。学生がもっとクリエイティブスキルを身につけ、個性を際立たせるための取り組みと位置づけています」

現在、Adobe Creative Cloudは、建築設計や土木から、音楽、英語、科学、工学まで、大学全体で活用されています。対面授業でもリモート学習でも、学生と教職員のデジタルスキルを飛躍的に向上させることに役立っています。

左脳思考の科学者のデジタル描画スキル習得

 准教授のJohn Beckmann博士が教える科学イラスト講義では、理系の学生にとって貴重な、他の授業とは異なる右脳スキルの描画教育をおこなっています。

Beckmann氏はこう語ります。「科学者は、研究の発表はただ単にデータを伝えることだと考えています。しかし卒論や論文を発表する際、その半分は図や画像、概念図です。科学者は、それらのビジュアルをわかりやすく示さなければなりません。ビジュアルは、正確なデータやいい文章を書くことと同じくらい重要です。」

学生はPhotoshopの基礎を学ぶために、まず簡単な昆虫の線画を白黒で描きます。そしてすぐにコツを覚え、高度な機能を使用してキノコの繊細な色合いや眼球のつややかな輝き、自然界の様々な質感を表現できるようになります。Photoshopをマスターした学生には、Illustratorを使用してまったく異なる描画方法を教えています。リアルさではなく、対象の本質を抽出し、デフォルメして表現することを目指します。大学院生は、新しいスキルを使って自分の研究対象の科学イラストを描くことが求められます。

デザインカリキュラムの既成概念を取り払う

 グラフィックデザインの准教授であるDavid Smith氏は、Adobe Creative Cloudを導入したことで、あらゆるレベルや専攻の学生の可能性を広げられるようになりました。Smith氏のデザイン思考コースでは、インターフェースがわかりやすいAdobe XDを使い、視覚的に表現することを奨励しています。

Smith氏はこう語っています。「このコースでは、ビデオゲーム、アプリ、webサイトの3つのプロトタイププロジェクトを通じてデザイン思考の概念を探求します。Adobe XDはひとつの目的のために効率化されているため、使い方がわかりやすく、デザインスキルがなくてもすぐに使い始めることができます」

Adobe XDは、グラフィックデザイン専攻の学生へ、インタラクティブデザインの世界を紹介するツールでもあります。Smith氏は次のように語ります。「多くの学生はプログラミングに苦手意識がありますが、Adobe XDを使えばインタラクティブな画面レイアウトを作成でき、実際のモバイルアプリやwebページと同様の外観と動作を確認できます。そのため、コーディングをネックに感じることなく、ユーザーインターフェイスやユーザーエクスペリエンスの向上に集中して取り組める学生が増えました」

学生が楽しく取り組む、社会の持続可能性問題

 オーバーン大学ではAdobe Creative Jamも開催し、35人の学生が参加し、モバイルアプリのベストデザイン賞をめぐって競いました。アドビのツールを学び、デジタルリテラシーを育成しながら、地域の問題への意識を高めるという、5時間の楽しいイベントでした。

Hooper氏はこのように述べています。「学生たちは、オーバーン大学の持続可能性事務局担当者の話を聞いた後、地域の持続可能性問題に対処するモバイルアプリを2 時間かけてデザインしました。Adobe XDのエキスパートから1時間の集中講義を受けたため、未経験でも問題なくイベントに参加できました」

最後に赤十字とディズニーで働くプロのアプリデザイナーが最優秀アプリを選んだ後、学生チームに講評を伝え、デザインが社会の課題をどのように解決できるかについて貴重な学びを与えました。

デザインを超えて – デジタルリテラシーに欠かせないワークフローの効率性

効率化はオーバーン大学の重要な目標であり、同大学の学長はキャンパス全体で可能な限りペーパーレス化するように呼びかけました。学長室IT担当部長のTim Jones 氏が取り組んだのは、Adobe Signによる電子サインの推進でした。電子サインソリューションとしてAdobe Signを選択したのは、手頃な価格であることに加え、Adobe Creative Cloudをすでに導入しているオーバーン大学にとっては自然なことでした。

Jones氏はこう語ります。「我々はもっと戦略的にIT環境を整え、既にあるテクノロジーを最大限に活用したいと考えました。Adobe SignとAdobe Acrobatを標準とすることで、処理時間が短縮され履歴管理が向上するため、どの学部もペーパーレス化のメリットが得られます」

以前は決裁方法を各部門に任せていたため、アドビツールを使用する部もあれば、DocuSign、メール、紙ベースで行う部門もありました。現在は、Adobe Signの使いやすさが浸透し、キャンパス中で採用されています。中でもAdobe Signを最も活用しているのがスポーツ局で、人事やIT管理、施設管理、購買部門などでも活用されています。購買部門では、Adobe Signを使用して請求書を承認し、Bannerシステムに送信して支払いをおこなっています。また、留学生関連や履修登録関連など書類を取り扱う量が多い部門にとっては欠かせないツールにもなっています。

常に学生の将来を見据えるオーバーン大学

 オーバーン大学が目指す高いビジョンは、高等教育の未来をリードし、形成することです。そのビジョンを実現するため、デジタルリテラシー教育に継続的に投資し、学生の将来を見据えた成長支援に力を入れています。オーバーン大学では、キャンパス中のイノベーターやビジョナリーがチームを組み、学生や教職員の日常にデジタルスキルとクリエイティビティを着実に取り入れています。

しかし、これはあくまで探求の過程であり、最終ゴールではありません。Hooper氏の言う通り、「デジタルリテラシーに唯一の正解というものはありません。常に改善して、進化させ続けるものなのです」

オーバーン大学はAdobe Creative Campusとして、Adobe Creative Cloudツールを学生や教職員に提供しています。デジタルリテラシーの強化に取り組み、学生の学びに貢献しています詳細を見る

POSTED ON 2020.08.6