デジタルハリウッドが演習ツールに Adobe XDを選んだ理由とは? #AdobeXD

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デジタルコミュニケーションに特化し、クリエイティブとIT技術、ビジネス手法の融合的な学びの場を提供するデジタルハリウッド大学。クォーター制を採用する同学は、今年度の第4クォーターからAdobe XDを演習ツールに本格採用します。その狙いを、同大学でWeb系科目を担当する准教授の栗谷幸助氏と、デジタルハリウッド全体の教材制作に関わるまなびメディア事業部教材・カリキュラム担当の石川大樹氏にお聞きしました。

プロトタイピングはWebデザイン学習の第一歩

おふたりの専門分野を教えてください。

石川:私はオンラインスクールに所属し、主に動画教材の開発を担当するほか、「動画を通じた学びの方法」を研究するという目的もあり大学院の授業も担当しています。今はちょうどAdobe XDの操作方法を教える動画教材を制作しているところです。

栗谷:専門はWebデザインで、大学でWebデザイン関連の授業を担当しています。今回XD導入予定の「Webサイトプロトタイピング演習」も私が担当しています。

Webデザインを学ぶのはどういう学生が多いのでしょう?

栗谷:これはうちに限らない話かもしれませんが、Webデザインをやりたいと大学に入学する学生は少数派なんです。それは3DCGやゲームプログラミングといった具体的な表現ジャンルと違い、仕事の内容が具体的にイメージしづらいことも関係していると思います。学年が進み、就職を考える中で、Webデザインというちょっと面白そうな領域があるので学んでみようかという学生の方が多いですね。

その際に戸惑うのが、「なにを学べばいいのか」という問題です。今、Webデザインの現場は、映像や3DCG、アニメーションの垣根なく、ひとつのものに留まらないコラボレーションが多々起こります。こうした中、「学びの入口」という観点で大きな意味を持つのが、プロダクトの多様なモックアップを作成し、デザインレビューを通して方向性を定める‟プロトタイピング”と呼ばれるプロセスです。どういったものを作ってくのかをイメージし、形にすることで、目標を定める経験を手助けしてくれるのが「プロトタイピングツール」であり、XDを授業で使用することを決めたのも実はこうした考え方が大きく影響しています。

スピード感がスクラップ&ビルドの前提

 

実際の「Webサイトプロトタイピング演習」はどんな授業になるのですか?

栗谷:今、Webデザインの現場では企画段階で大量のプロトタイプを作成し、スピーディなスクラップ&ビルドを通して方向性を打ち出し、一気に仕上げるという流れが一般化しつつあります。すなわち、早い段階でプロトタイプをユーザーに見せ、反応を学び、改善していく。より良いユーザー体験を生み出すための新しい制作フローです。

そのプロセスを8週24時間という演習の枠に圧縮し、ユーザーが求めるものを表現に反映する方法を学ぶことが「Webサイトプロトタイピング演習」という科目の基本的な考え方です。12月にスタートする今年度の演習からは、まず紙を並べてプロトタイプを作り上げていく「ペーパープロトタイピング」を実践した上で、XDでよりリアルに実装するプロトタイプに移行し、インターフェイスデザインやユーザー体験を検証していくという流れを想定しています。簡単に画面生成できるXDの機能を最大限活用して現場に近いスクラップ&ビルドを今から学生に体験させるのが目的です。

「どんどん制作し、足りない部分を見つけ精度を上げていく」そんなスクラップ&ビルドに適した動作の軽さと使いやすさでXDが授業でのツールに選ばれた。

ツールとしてXDを選んだ理由を教えてください。

栗谷:第一の理由は、動作の圧倒的な軽快さです。大量のプロトタイプを短期間で作成する上で、作業速度の向上は大きな意味を持ちます。同様に、Illustrator、Photoshopに関しては1年生時、全学生が学びますので、他のAdobe製品との親和性の高さ、かつ違和感なく操作ができる共通のショートカットなども重要なポイントでした。

XDの操作性について、学生からはどんな反応がありましたか?

栗谷:個人的に活用しているという学生からは、操作についてネガティブな意見はありませんね。またInDesignのように繰り返し作業の効率化に貢献する機能も搭載されているため、慣れてくると手放せなくなるという学生も多いようです。

 

Webデザインでは、クリエイターの個性とUIやUXのバランスも課題の一つですね。

栗谷:ユニークな表現やエッジが立った個性は、あくまでもベーシックなセオリーの上に成り立つものです。教育という観点では、まずはセオリーを確実に伝えることを心掛けています。もちろん演習では、セオリー以外の表現にチャレンジする学生も多いですよ。4年間の学びを通して、セオリーとオリジナリティの双方を追求してもらいたいですね。

最後にXDに期待する点を教えてください。

石川:デジタルのものづくりでは、さまざまな役割のクリエイター、プランナー、ディレクターの共通言語が必要です。実は近い役割を担っていたのがAdobe Flashだったのですが、XDは今後Flashに代わる共通言語になり得ると考えています。Creative Cloudのコンプリートプランを契約していれば誰でも利用できる点も大きいと思いますね。

栗谷:XDは軽い動作で作業速度がアップすることはもちろん、共有編集機能などを使えばグループで進めることも簡単です。また、根本として「プロトタイピングはなんのために行うのか」と考えたときに、やはりXDは優れた特長があると考えています。XDという優れた「道具」を使うことによって、スクラップ&ビルドを重ね、どんどんプロトタイプ作成の経験を積み、UI/UXに大切なことやどういったユーザー体験に訴求力があるのかなどを学んでほしいですね。時を追うごとにツールは変遷していくものと思いますが、進化を続けているXDにはこれからも時代にあったツールであり続けてほしいと願っています」

准教授 Webデザイナー専攻 栗谷 幸助氏
まなびメディア事業部 教材・カリキュラム担当 石川 大樹氏

POSTED ON 2020.08.14