デジタルリテラシーを学生の競争力に~ウィンストン・セーラム州立大学

教育

ウィンストン・セーラム州立大学は、米国の伝統的黒人大学(HBCU)のトップ10に名を連ねており、1892年の創設以来、学生が自ら世界を変革するために必要な創造的思考や分析的問題解決、創意工夫を育んできた長い歴史があります。同大学の教授陣は、学生がグローバル人材として成功するにはデジタルリテラシーが重要なスキルとなると考えています。

同大学のイノベーション&トランスフォーメーションインストラクションセンター(CITI)所長のWanda Wihte氏は語ります。「学生の多くは地元ノースカロライナ州の郊外出身です。高速インターネット環境のない家庭もあり、家族の中ではじめての大学進学者という学生も少なくありません。「伝統的黒人大学初のAdobe Creative Campusとして、本学では学生に個人では手に入れにくいツールを提供しています。デジタルギャップを埋めて、競争力のある人材として社会に送り出したいと考えています」

大学は2018年に、5,100人を超える学生、350人近くの教員と300人を超える職員にAdobe Creative Cloudを提供しました。ツールを導入する取り組みの中心となったのがWhite氏とCITI所属の同僚です。他の教員の協力を得て、授業でのデジタルツールの利用を推進し、ツールの認知度を高め、事前に研修を提供するなど尽力してきました。

ファカルティデベロップメント専任担当のBart Ganzert氏はこう語ります。「Adobe Creative Cloudのアプリケーション利活用の旗振り役として、先頭に立って利用して他の教員をリードする役回りを引き受けてくれた教職員向けに、アドビの協力でブートキャンプを実施しました。またデジタルリテラシーを高める目的のワークショップシリーズも実施して、教職員がAdobe SparkからAdobe Audition、Adobe Premiere Rushに至るまで使いこなせるようにしています」

既に、学生の40%と教員の28%が各種ツールの使い方を身に付けるという期待をはるかに上回る普及ぶりで、学生も教員もさっそく新しいスキルを活用して豊かな才覚と創造性を発揮しています。

1年次導入コースでデジタルスキルを高める

Adobe Creative Cloudを最初に取り入れた科目のひとつが1年次導入コ―ス、もうひとつが1年次ライティングコースでした。どちらも新入生と編入生全員の必修科目のため、多くの学生がツールと接点を持てる利点があります。

Keith Penn氏(大学プログラムスペシャリスト、1年次導入コースインストラクター)はこう語ります。「我々の仕事は、学生が大学生活、学修方法、大学内のリソース、そして本学の社会正義に対する考えかたに馴染み、卒業後のキャリアのために何が必要かを学べるようにすることです。アドビのツールで自分が目指すものを表現するスキルを身につけることが、キャリアパスの入り口であると学生に伝えています」

Penn氏は同僚でインストラクターのJoe Baker氏とともに、Adobe Sparkを新入生に紹介し、効果を上げています。両氏が担当する年間コースの2学期では、Adobe Sparkを使用して社会正義のひとつの信条を発表するのが必修課題です。

Penn氏はこう言います。「学生たちがビジュアルプレゼンツールを使いこなして自分たちの意見を表現する姿を見るのはうれしいものです。Adobe Sparkを使えば、プレゼンにビデオや画像を埋め込むことができ、表現力が飛躍的に高まります」

インストラクターの両氏は、入学志望の高校生向けに、数学科学教育ネットワーク(MSEN)というSTEAM教育の夏期プログラムも担当しています。このプログラムでは、Adobe Sparkを使用して招待状やビデオ、プレゼンやソーシャルメディアポストを作成します。また、Adobe Premiere RushとAdobe Photoshopを使用して、プログラムにビデオ制作演習を組み込むことも計画しています。

Adobe Premiere Rushで生物学がクリエイティブに

一方、生物学の授業でアドビのツールを積極的に利用しているのが、ウィンストン・セーラム州立大学の生物科学学部細胞分子学准教授であるCarly Kemmis氏です。大学がAdobe Creative Campusになったときに、Adobe Premiere Rushのワークショップへの参加を勧められたのがきっかけでした。その後、新型コロナウィルス感染拡大防止のための遠隔授業で、Adobe Premiere Rushは必須のツールとなりました。

Kemmis氏はこう述べます。「生物学の担当クラスには80人の学生がいますが、その全員が確実に教材にアクセスできるようにしなければなりません。オンライン講義で役立ったのが、スライドを作成し、Adobe Premiere Rushでプレゼンを録画する方法です。その上で、Zoomでのリアルタイム講義は、教材の復習と質問対応に使いました」

Kemmis氏は、Adobe Creative Cloudツールを活用して、学生たちが楽しめる取り組みもおこなっています。

「マジック・ウオッシュベリーというものをたまたま見つけたので、このベリーが洗濯に使えるという話を実際に試してみようと思いました。私の実験をPremiere Rushで動画にして、その結果を学生に分析してもらいました。また、我が家のキッチンでビール、ヨーグルト、ホットソース、キムチなどの発酵過程を撮影したビデオも作りました」

普段の講義に動画を取り入れたことで、新たな視点が加わり、学生の生物学に対する考え方にも変化が起きています。Kemmis氏はPremiere Rushを提出課題にも取り入れ、学生に生物学のビデオを作成するよう勧めています。

デジタルワークフローで事務作業を効率化

ウィンストン・セーラム州立大学のデジタルリテラシーへの取り組みは、教室内にとどまりません。Adobe Acrobat DCのキャンパス全体での活用に率先して取り組んでいるのが、生物科学学部生理学准教授のManju Bhat氏です。

Bhat氏はこう語っています。「本学はAdobe Creative Campusとして、デジタルツールを活用して紙ベースの時代遅れのプロセスを一掃し、デジタルワークフローに変換する必要があります。既に多くの人が使い慣れているAdobe Acrobatは、その第一歩として最適です」

Bhat氏は、解剖学と生理学で120人規模の授業を担当しています。自称デジタルツールマニアであり、写真家でもある同氏は自身のプロジェクトでAdobe PhotoshopとAdobe Lightroomを活用しています。授業では、学生にAdobe SparkとAdobe Rushを使用して健康状態に関する動画の課題を出そうと計画しています。しかし、何より意欲を燃やしているのはAdobe Acrobatです。

Bhat氏はこう語ります。「学部長として数多くの書類を承認していますが、Adobe Acrobat Proを使用することで、デジタルワークフローにより回覧と署名を高速化できます。読むだけでなく、編集、テキストの挿入、文書の結合、電子署名にも活用できます」

例えば、学生が専攻を変更する場合、学部ではAdobe Acrobatのフォームを使用して処理するようになり、学生や教員、職員を含む関係者全員の作業負荷が軽減されました。また、新型コロナウィルス感染症の感染拡大によりキャンパスが閉鎖されてからは、ワークフロー全体をオンラインに移行しました。Bhat氏は世界的流行が収束しても紙ベースのプロセスが復活することはないと予測し、Adobe Acrobatの新しい活用方法を検討し始めています。

Bhat氏はこう説明します。「コースのシラバスは10ページに及ぶこともあり、学生に配布するためそれを120部も印刷しなければなりません。電子版を作成して学習管理システムに掲載すれば、いつでも参照でき、はるかに使いやすいシラバスになるでしょう。Adobe Sparkを使用して、コースの予告編のようなビデオや画像、ナレーションを組み込むことも始めています」

デジタルリテラシーで将来のリーダーを育成

ウィンストン・セーラム州立大学のモットーは、「学ぶために来て、貢献するために旅立て」です。大学は学生が明日のリーダーとなり、問題解決者としての役割を果たすための準備の場であり、デジタルリテラシーはその最も重要なスキルのひとつです。同大学による全校を上げてのデジタルリテラシーへの取り組みにより、すべての学生に等しく活躍の場を与えることができ、学生は卒業後のキャリアで高い競争力を発揮するでしょう。

また、現在も多くの方々が新型コロナウイルス危機の影響を受けられています。心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い事態の終息をお祈りします。この困難な時期にあっても変わらず力づけてくださる皆様、アドビ製品のお客様、世界中のすべてのクリエイターに、アドビ一同、深く感謝いたします。

POSTED ON 2020.11.19