第2回「ページに関する機能」#InDesign

Creative Cloud Design

ページという概念を持つInDesignでは、[ページ]パネルを用いてページをコントロールします。ページの追加や移動、削除といった作業も直感的に行え、またマスターページを使用することで、ノンブルや柱といったアイテムも効率的に管理できます。

ページをコントロールする

InDesignがIllustratorと大きく異なる点、それはページという概念を持っていることです。それゆえ、InDesignにはノンブルや柱、目次、索引といった、ページ物制作に欠かせないアイテムを作成するためのさまざまな機能が搭載されています。また、ページの追加や削除、移動といった作業も[ページ]パネルから直感的に行え、効率的なページ管理ができます。

新規ドキュメントを作成する際にも、左開き、右開きの指定ができるのはもちろん、最大で10ページまでのスプレッド(見開き)を作成することも可能です。さらに、ページ数の多いドキュメントの場合には、ファイルをいくつかに分けて制作し、ブック機能でドキュメントをまとめて管理するといった使い方もできます。もちろん、ノンブルやスタイルの一括管理も可能です。InDesignでは、「直感的で分かりやすいページネーションが可能!」なのです。

ページに関する操作を行う[ページ]パネル。ページアイコンはサムネール表示が可能で、ページの追加もマスターアイコンをドラッグするだけと、非常に簡単な操作で実行できます。
一度に多くのページを追加したい場合には、[ページ]パネルのパネルメニューから[ページを挿入]を実行します。
ブック機能を使用することで、複数のドキュメントを統一して管理できます。

InDesignのページ操作で注意してほしいことが1つあります。それは「選択」と「ターゲット」の概念です。InDesignでは、ページ数の表示が青くハイライトされた状態を「ターゲット」、ページアイコン自体の表示が青くハイライトしている状態を「選択」と呼びます。

図の例では、4-5ページが「ターゲット」、2-3ページが「選択」された状態。

例えば、ページアイコンをダブルクリックすると、そのページに移動し、画面上に表示されます。この時、そのページアイコンはハイライトされており、ページ数の表示もハイライトされています。つまり、「ターゲット=選択」となった状態と言えるわけです。この状態から、他の見開きページのアイコンをクリックしてみましょう。すると、「ターゲット」はそのままで、「選択」は異なるページになるのが分かるはずです。この状態から、[選択されたページを削除]ボタンをクリックすると、現在、画面上に表示されているページではなく、選択していたページが削除されます。作業者は、現在、画面上に表示されている「ターゲット」ページを削除したかったのかもしれませんが、「選択」されていた他のページが削除されてしまうわけです。見えていないページに何かコマンドが実行されるのは避けたいですよね。

このように、InDesignでなんらかのコマンドを実行する場合、「ターゲット」ページに適用されるものと、「選択」ページに適用されるものがあるので要注意です。意図しない結果になってしまわないよう、「ターゲット=選択」となった状態で作業するようにしましょう。慣れないうちは、ページアイコンは常にダブルクリックして(シングルクリックしない)作業するのがお勧めです。

マスターページとは

レイアウトソフトのページ機能に欠かせないのが、マスターページです。例えば、ノンブルや柱といった毎ページに共通するアイテムをすべてのページに手作業で作成していては効率良くありません。このような場合、「マスターページ」と呼ばれるページ上にこれらアイテムを作成し、ドキュメントページ(通常作業を行うページ)に対してこのマスターページを指定します。これにより、ドキュメントページには自動的にノンブルや柱といったアイテムが反映されます。ドキュメントページにマスターページという透明のフィルムを重ねて作業していると考えると分かりやすいでしょう。ノンブルや柱に対して修正が必要になった場合でも、マスターページ上で修正を行えば、その修正内容は自動的にドキュメントページにも反映されます。ページ物に欠かせない機能、それがマスターページなのです。

ドキュメントページに対してマスターページを適用するという作業は、マスターページという透明なフィルムをドキュメントページに重ねる作業だと考えると分かりやすい。

ノンブルや柱を作成する

マスターページ上には各ページに共通するアイテムを作成しますが、もっとも頻繁に作成するのはノンブル(ページ番号)と柱(セクションマーカー)ではないでしょうか。ここでは、ノンブルと柱の作成方法を解説していきます。

①[ページ]パネルでマスターページ(ここでは「A-マスター」)アイコンをダブルクリックして、マスターページに移動します。


②文字ツールでマスターページ上にノンブルや柱用のテキストフレームを作成します。

③テキストフレーム内にカーソルを表示させた状態で、[書式]メニューから[特殊文字の挿入]→[マーカー]から目的のもの(ノンブルであれば[現在のページ番号]、柱であれば[セクションマーカー])を選択します。

④テキストフレーム内に特殊文字が入力されるので、フォントやサイズなど、書式を整えます。ドキュメントをスプレッド(見開き)で作成している場合には、同様の手順で対向ページにもノンブルや柱用のテキストフレームを作成します。なお、入力された文字は実際の文字ではなく、ページ番号やセクションマーカーをあらわす特殊文字です。例えば、「B-マスター」上に作成した自動ページ番号であれば「A」ではなく「B」と表示されます。

⑤ノンブルや柱をスタートしたいドキュメントページに移動し、[ページ]パネルのパネルメニューから[ページ番号とセクションの設定]を選択します。

⑥[ページ番号とセクションの設定]ダイアログが表示されるので、各項目を設定し、[OK]ボタンをクリックします。ノンブルの設定の場合、[ページ番号割り当てを開始]にチェックを入れ、スタートしたいページ番号やスタイルを、柱の設定の場合には、[セクションマーカー]に柱として使用するテキストを入力します。

⑦ドキュメントにノンブル(ページ番号)や柱(セクションマーカー)が反映されます。

マルチプルマスタページを活用する

InDesignでは、親子関係を持つマスターページが作成可能で、これをマルチプルマスタページと呼びます。この機能を活用することで、高度なマスターページの運用が可能となります。

例えば、章ごとに帯のカラーが変わる書籍があったとしましょう。帯のカラーは章ごとに変わりますが、ノンブルや柱はすべてのページの同じ位置に必要といったケースです。このような場合、まずノンブルや柱をマスターページ上に作成します。これを仮に「A-マスター」としましょう。次にこの「A-マスター」を親として「B-マスター」や「C-マスター」を作成します。「B-マスター」や「C-マスター」には、それぞれの章のカラーに合わせた帯を作成しますが、どちらのマスターページも「A-マスター」を親に指定したため、「A-マスター」に作成したノンブルや柱は自動的に「B-マスター」や「C-マスター」にも適用されます。ノンブルや柱に修正が必要になった場合でも、「A-マスター」だけを修正すれば、その修正内容は即座に「B-マスター」や「C-マスター」にも反映されます。

このように、マルチプルマスタページを活用することで高度なマスターページの運用が可能となるのです。なお、子、孫、ひ孫といったように、さらに高度な親子関係を持つマスターページを作成することも可能です。目的に応じて使い分けてください。

「ページ」パネルのパネルメニューから「新規マスター」を選択すると「新規マスター」ダイアログが表示されます。このダイアログの「基準マスター」に指定したマスターページが親となります。
「A-マスター」を親とする「B-マスター」と「C-マスター」。「A-マスター」上に作成したオブジェクトは、「B-マスター」や「C-マスター」にも自動的に反映されます。

10ページまでのスプレッドが可能

InDesignでは、2ページのスプレッド(見開き)だけでなく、最大で10ページまでのスプレッドが作成可能です。さらに、ページごとに異なるサイズを指定することもできるため、例えばA4の三つ折りであれば「210mm+210mm+197mm」のスプレッド、A4の観音折りであれば「197mm+210mm+210mm+197mm」のスプレッドといったように、用途に応じたドキュメントの作成が可能です。

また、「表紙+背+裏表紙」といったブックカバーのデザインをする場合でも、スプレッドとして簡単に作成できるので効率的に作業できます。もちろん、プリント時には各ページに応じたトンボも付けられるため、手動でトンボを描く必要もありません。

最大で10ページまでのスプレッドが可能。
三つ折りドキュメントの例。[ドキュメントページの移動を許可]あるいは[選択スプレッドの移動を許可]をオフにすることで、3ページ以上のスプレッドも可能。なお、ページツールを使用することでページの横幅をサイズ変更できる。
ブックカバーの背のように、ページの横幅が狭いケースでは、マージンを小さくしておかないと思い通りのサイズに小さくできないので要注意。

CC道場「#269 エバンジェリストに聞け!森裕司 | InDesign、ワンクリックで実現できる目を引く見出しの作り方

POSTED ON 2019.07.5