第9回「オブジェクトとカラーの操作」#InDesign

Creative Cloud Design

InDesignでは、オブジェクトに対して「カラー」や「線幅」を指定でき、さらにドロップシャドウをはじめとする「効果」を適用できます。また、特色を掛け合わせて使用することが可能なため、実際に印刷で使用する特色を使用してデータを作成し、クライアントにも近似色で仕上がりイメージを確認してもらうことが可能です。

塗りと線、角のコントロール

InDesignでは、すべてのオブジェクトに対して「塗り」や「線」の設定が可能です。カラーやグラデーションの指定は[カラー]パネルや[グラデーション]パネル、[スウォッチ]パネルから実行し、線幅の指定は[線]パネルから実行します(これらの設定は[コントロール]パネルや[プロパティ]パネルからも可能です)。

カラーの指定は[カラー]パネルや[スウォッチ]パネルから行います。
グラデーションの指定は[グラデーション]パネルから行います。なお、[スウォッチ]パネルからグラデーションスウォッチを作成してオブジェクトに適用することもできます。

ただし、InDesignでスウォッチを使用する際には覚えておいて欲しいことがあります。それは、InDesignのスウォッチは、Illustratorのグローバルスウォッチと同じ動作をするということです。例えば、InDesignのカラースウォッチを適用したオブジェクトが複数個あるとします。スウォッチ自体のカラーを変更すると、そのスウォッチを適用したオブジェクトすべてのカラーが一気に変更されるのです。Illustratorの通常のスウォッチとは動作が異なるので注意してください。

InDesignでは、スウォッチ自体のカラーを変更すると、そのスウォッチを適用しているオブジェクトのカラーを一気に変更できる。

また、「線」にはグラデーションの指定、および線のどこを中心に[線幅]を適用するのかや、線の[種類]や[始点][終点]の指定もできます。[種類]に点線や二重線を指定した場合には、[間隔のカラー]と[間隔の濃淡]も指定できます。

InDesignの[線]パネル。
[線]パネルのパネルメニューから[線種]を選択することで、オリジナルの[線種]を作成することもできます。図は[新規線種]ダイアログ。

なお、[線]パネルの[線の位置]では、線幅を適用する際にどのように線を太らせるかを指定できます。下の図は同じサイズの正方形のパスに線幅を適用したものですが、それぞれ線の太り方が異なります。

左から[線の位置]に[線を中央に揃える][線を内側に揃える][線を外側に揃える]を指定したもの。

角の効果は[オブジェクト]メニューの[角オプション]から設定できますが、マウス操作のみで直感的に角を設定することも可能です。ここでは簡単に手順を解説します。

①オブジェクトを選択した際に表示される黄色の四角形をクリックします。

②すると、各コーナーに黄色のダイヤモンド状のアイコンが表示されます。

③黄色のダイヤモンド状のアイコンをドラッグすることで、角の効果を適用できます。この際、[コントロール]パネル等で数値を入力すれば、正確な値を指定できます。また、shiftキーを押しながらダイヤモンド状のアイコンをドラッグすればその角のみ、option(Windowsはalt)キーを押しながらダイヤモンド状のアイコンをクリックすれば異なるシェイプに、option+shift(Windowsはalt+shift)キーを押しながらダイヤモンド状のアイコンをクリックすれば各コーナーそれぞれに異なる効果を適用するといったことも可能です。

なお、角の効果は、[オブジェクト]メニューから[角オプション]を選択すると表示される[角オプション]ダイアログからも設定できます。

効果を適用する

InDesignでは、オブジェクトに対して不透明度をはじめ、「ドロップシャドウ」や「ベヘルとエンボス」など、いくつかの効果を適用できます。また、これらの効果はオブジェクト全体に対してだけでなく、[線][塗り][テキスト]のそれぞれに対して適用することも可能です。用途に応じて使い分けることで、デザインの幅も広がります。

不透明度を設定することで、背景を透かして表現することができます。図は蝶のイラストに[不透明度]を「60%」適用したものですが、背景が透けて見えているのが分かります。
効果の適用は、[効果]パネルのfxアイコン(あるいはパネルメニュー)、あるいは[オブジェクト]メニューから適用します。
[効果]ダイアログの[設定の対象]を切り替えることで、[オブジェクト][線][塗り][テキスト]のそれぞれに対して効果を適用することができます。
[オブジェクト][線][塗り][テキスト]のそれぞれに対してドロップシャドウを適用した例。

特色を掛け合わせたカラーを使用する

InDesignでは、特色を掛け合わせることが可能です。Illustratorのように、オーバープリントを適用して特色の掛け合わせを表現したり、特色をプロセス版に置き換えたりして作業する必要はありません。InDesignでは、特色と特色、特色とプロセスカラーの掛け合わせが可能で、この掛け合わせカラーを「混合インキ」と呼びます。複数の混合インキをグループとして作成することも可能で、特色が変更になった場合でも簡単な手順で変更が可能です。仕上がりイメージも確認しやすいので、ぜひ活用してほしい機能のひとつです。

「混合インキ」を運用するには、まず使用する「特色」を[スウォッチ]パネルに追加します。[スウォッチ]パネルのパネルメニューから[新規カラースウォッチ]を選択し、[新規カラースウォッチ]ダイアログが表示されたら[カラータイプ]に[特色]を選択し、目的の特色スウォッチを追加します。

[新規カラースウォッチ]ダイアログ。[カラータイプ]に[特色]を選択すれば、特色スウォッチの登録が可能となる。図では、[カラーモード]に「DIC Color Guide」を選択している。

混合インキは、[スウォッチ]パネルのパネルメニューから[新規混合インキスウォッチ]を選択し、表示される[新規混合インキスウォッチ]ダイアログで作成します。掛け合わせたいインキを2つ以上(最低でも1つの特色が含まれている必要があります)選択し、それぞれ濃度を指定します。

[新規混合インキスウォッチ]ダイアログ。

複数の混合インキを一気に作成したい場合には、[新規混合インキグループ]ダイアログを使用します。掛け合わせたいインキの選択と[初期][繰り返し][増分値]を設定します。図のように設定すると、20%刻みで5回繰り返して掛け合わせることになるので、6×6で計36個の混合インキが一度の操作で作成されます。

[新規混合インキグループ]ダイアログ。

使用している特色を変更したい場合には、混合インキグループの親スウォッチをダブルクリックして、[混合インキグループオプション]ダイアログを表示させ、インキを変更すればOKです。混合インキグループすべのスウォッチが変更され、ドキュメントで使用しているカラーも自動的に修正されます。

「混合インキグループ」で使用している特色を変更すれば、そのグループ内の「混合インキ」を適用しているオブジェクトのカラーが自動的に更新される。

アンカー付きオブジェクトを使用する

InDesignでは、テキスト中にオブジェクトを挿入して、そのオブジェクトをテキストのように扱うことも可能です。画像やテキストフレーム、パスオブジェクト、さらにはグループ化されたオブジェクト等、あらゆるものをインラインとして挿入することができます。この機能を「アンカー付きオブジェクト」と呼びます(以前は、インライングラフィックと呼ばれていました)。

例えば、下の図のようなテキストがあったとします。テキストが増減した場合、Illustratorであれば手動で飛行機やバスのグラフィックの位置を調整する必要があります。

しかし、InDesignの「アンカー付きオブジェクト」になっていれば、グラフィックもテキストと一緒に動くので調整する必要はありません。

「アンカー付きオブジェクト」を作成する手順は非常に簡単です。

  1. 挿入するオブジェクトをコピー
  2. テキストの目的の位置にカーソルを置く
  3. ペーストする

これだけです。あとは挿入したグラフィックのサイズの応じて、ベースラインシフトの機能を使用して位置を調整すればOKです。

また、InDesignではテキストフレーム外にあるオブジェクトも簡単な操作でアンカー付けが可能です。例えば、下の図の「POINT」というグループオブジェクトを、4行目の「アンカー付き〜」というテキストにアンカー付けしてみましょう。まずは、「POINT」のオブジェクトの位置を整えておきます。

次に、選択ツールで「POINT」のオブジェクトを選択します。すると、オブジェクトの右上にレイヤーカラー(下の図では青)の■が表示されます。

マウスポインタでこの■を掴んで、アンカー付けしたいテキストにドラッグします。すると、黒く太い線が表示され、アンカー付けされる位置を指定できます。ここでは、4行目行頭の「ア」の文字の前にドラッグしました(下図)。

マウスを離せばOKです。もうこれで、アンカー付けが終わりました(下図)。ポイントは、あらかじめアンカー付けしたいオブジェクトの位置を整えておくことです。

アンカー付けされていれば、テキストに増減があっても、アンカー付けしたオブジェクトはテキストとの位置関係を保ったまま動きます(下図)。

なお、アンカー付きオブジェクトの動作についてもっと詳しく知りたい方は、筆者のサイトをご覧下さい。
InDesignの勉強部屋 InDesign CS2『No.14 アンカー付きオブジェクト
InDesignの勉強部屋 InDesign 2.0『No.65 インライングラフィックと行送り・文字揃え

POSTED ON 2019.08.23