第10回「オブジェクトを複製使用する」#InDesign

Creative Cloud Design

InDesignでは、コピー&ペースト以外にも、オブジェクトの複製利用が可能です。いろいろな方法がありますが、ここでは覚えておくと便利な方法をいくつかご紹介します。とくに、オブジェクトをリンクとして複製する機能を使用すれば、複数のオブジェクトを一括で修正することも可能です。また、一度に複数のオブジェクトを描画したり、オブジェクトとオブジェクトの間隔を調整する機能も用意されています。

オブジェクトを複製する

オブジェクトを複製する際には[ペースト]コマンドがよく使用されますが、それ以外にもInDesignにはいくつかの複製のコマンドが用意されています。[フォーマットなしでペースト]や[選択範囲内にペースト][元の位置にペースト][グリッドフォーマットを適用せずにペースト][複製][繰り返し複製]等がありますが、ここでは[繰り返し複製]と[スニペット]の機能を紹介します。

InDesignの[編集]メニュー。さまざまなペースト機能が用意されている。

[繰り返し複製]コマンド

等間隔にオブジェクトを複数コピーしたい場合に使用するのが[繰り返し複製]コマンドです。目的のオブジェクトを選択して、[編集]メニューから[繰り返し複製]を選択すると、[繰り返し複製]ダイアログが表示されるので、[カウント]と[オフセット]を指定します。[OK]ボタンをクリックすれば指定した距離に、指定した数だけ複数されます。

なお、[グリッドとして作成]にチェックを入れると、[行]と[段数]が指定可能となり、縦方向と横方向に一度に複数できます。

スニペットの作成

スニペットを活用すると、ドキュメント上のオブジェクトを、他のユーザーと手軽にやり取りできます。ドキュメント単位でやり取りする必要がないので、ファイルサイズも軽く済みます。

スニペットを作成する手順は、とても簡単です。[選択ツール]で目的のオブジェクトをデスクトップ上にドラッグするだけです。すると、デスクトップ上に「拡張子.idms」のスニペットファイルが書き出されます。あとは、このスニペットファイルをやり取りすればOKです。使用する際には、このスニペットファイルをドキュメント上にドロップすれば配置(コピー)されます。なお、option(Windowsはalt)キーを押しながらドロップすると、コピー元のオブジェクトと同じ位置に配置(コピー)されます。

スニペットは、オブジェクトをデスクトップ上にドロップすれば書き出せる。
デスクトップ上に書き出されたスニペットファイル。使用する時は、このファイルをドキュメント上にドロップすればOKだ。

コンテンツ収集ツール/コンテンツ配置ツール

InDesignでは、オブジェクトを複製して使用したい場合、単純にコピー&ペーストしたり、[繰り返し複製]を実行したり、スニペットとして運用するなどの方法がありました。しかし、これらの方法はいずれもオブジェクトをコピーして使用しているため、修正が入るとすべてのオブジェクトをコピーし直す必要があります。

このような場合、CS6から搭載された[コンテンツ収集ツール]と[コンテンツ配置ツール]を使用すると便利です。オブジェクトをリンクした状態で運用できるため、修正が入った場合でも、親オブジェクトさえ修正すれば、子のオブジェクトを一括で修正することができます。また、この機能は異なるドキュメント間でも利用可能なので、活用できるシーンも広がります。

コンテンツ収集(配置)ツールの使用方法

①[コンテンツ収集ツール]を選択すると、コンベヤーと呼ばれるパネルが表示され、マウスポインタの形状が変化します。

②複製して使用したいオブジェクト上にマウスを移動すると、青くハイライトされるのでクリックします。

③コンベヤーにオブジェクトが登録されます。なお、ここではオブジェクトをクリックして登録していますが、任意の範囲をドラッグして複数のオブジェクトを一度に登録することも可能です。

④[コンテンツ配置ツール]に切り替えると、登録したオブジェクトが配置可能になります。この時、[リンクを作成]がオンになっていることを確認しておきます。

⑤任意の場所でクリックして配置します。あとは必要な数だけ配置していきます。

⑥修正が生じた場合は、親のオブジェクトを修正します。ここでは、部分的にカラーを変更しました。

⑦子のオブジェクトを見てみると、親のオブジェクトが変更されたことをあらわす警告アイコンが表示されています。

⑧警告アイコンをクリックすると、リンクが更新され、親のオブジェクトの修正が子のオブジェクトにも反映されます。もちろん、[リンク]パネルから[リンクを更新]を実行して、複数のオブジェクトを一気に更新することも可能です。

なお、コンテンツ収集(配置)ツールで運用しているオブジェクトの修正は、必ず親のオブジェクトを修正する必要があります。子のオブジェクトを修正しても、他のオブジェクトに修正を反映できません。どのオブジェクトが親か分からない場合には、いずれかのオブジェクトを選択した状態で、[リンク]パネルから[ソースに移動]を実行します。すると、親のオブジェクトが選択された状態で、ウィンドウ内に表示されます。

CCライブラリを利用した複製使用

[CCライブラリ]を使用することでも、オブジェクトの複製使用は可能です。登録方法も、オブジェクトを[CCライブラリ]パネル上にドラッグするだけと、非常に簡単です。自動的にアドビから割り当てられたクラウドストレージ内に保存されるので、オブジェクトを自分のマシン内で管理する必要もありません。なお、[CCライブラリ]に登録できるのは、グラフィックだけでなく、カラーやスタイル、パターン、ブラシ、テンプレート等、多岐に渡ります。なお、登録されたこれらのアイテムを「アセット」と呼びます。また、アドビの各アプリケーションの[CCライブラリ]は同期しているので、Illustrator上で登録したアセットをInDesignやPhotoshopで使用するなんてことも可能です。

InDesignの[CCライブラリ]パネル。仕事の内容に応じて新規でライブラリを追加し、アセットを管理すると便利。

アセットを使用する時は、[CCライブラリ]パネルから目的のオブジェクトをInDesignドキュメント上にドロップすればOKです。自動的に自分のクラウドストレージ内のアセットとリンクされます。なお、クラウドストレージとリンクされているオブジェクトには、クラウドをあらわす雲のアイコンが表示されます。

アセットを[CCライブラリ]パネルからドキュメント上にドロップすると、クラウドとのリンクオブジェクトとして配置される。雲のアイコンが目印だ。

リンクしたアセットを修正したい場合には、[CCライブラリ]パネル上で目的のアセットをダブルクリックします。すると、作成したアプリケーションでそのアセットが表示されるので、目的に応じて修正します。修正したらドキュメントを保存して閉じると、そのアセットをリンクとして配置したオブジェクトすべてが自動的に更新されます。ただし、何のアラートも表示されずに更新されるので注意してください。

[CCライブラリ]パネルで目的のアセットをダブルクリックすると、作成したアプリケーションでそのアセットが表示される。

このように、[CCライブラリ]にアセットを登録して運用すれば、オブジェクトを効率的に管理でき、直しにも強い複製使用が可能となります。なお、option(Windowsはalt)キーを押しながらアセットをドロップすると、リンクとしてではなく、単なるコピーとして使用することもできます。

複数のオブジェクトの描画と間隔の調整

同じ大きさの複数のオブジェクトを作成したい場合、いちいちオブジェクトを複製しなくても、一度の操作で描画可能です。例えば、同じ大きさの長方形を複数作成する場合、長方形ツールでドラッグしながら矢印キーを押してみてください。押した矢印キーの向きに応じて、描画される長方形が行・列に分割されるはずです。このようにInDesignでは、さまざまなツール使用時において、オブジェクトをグリッド化して描画できます(文字ツールやフレームツール等を選択した場合や、複数の画像をコピーしたり、配置したりする際にも有効です)。なお、分割されるオブジェクトの間隔は、[レイアウトグリッド設定]ダイアログの[段間]、または[マージン・段組]ダイアログの[間隔]に設定されている値が反映されます(これらの設定はリンクしているので、値を変更する場合は、どちらか一方を変更すればOKです)。

長方形ツールでドラッグしながら、上矢印と右矢印キーを2回づつ押した状態。マウスを離すと3×3の同じサイズの長方形が描画される。
グリッド化される際のオブジェクトの間隔は、[レイアウトグリッド設定]ダイアログの[段間]、または[マージン・段組]ダイアログの[間隔]の値が参照される。

間隔の調整は、間隔ツールを使って行うこともできます。オブジェクトとオブジェクトの間隔、およびページの端からオブジェクトの間隔をマウス操作のみで調整できます。この時、何のキーを押しているかによって動作が異なるので、目的の応じて使い分けると、より効率的に作業できます。

間隔ツールを選択し、間隔を調整したい場所にマウスを移動させると、調整可能な間隔がグレーにハイライトされる。その状態でマウスをプレスし、任意の方向にドラッグすると、間隔をつかんで移動させることができる。
通常、同じ間隔で並ぶオブジェクトが複数ある場合、すべての間隔が調整されてしまうが、特定の間隔のみを調整(移動)したい場合にはshiftキーを押しながらドラッグする。
間隔自体のサイズを調整したい場合は、command(Windowsはcontrol)キーを押しながらドラッグする。左(下)方向にドラッグすると間隔は狭まり、右(上)方向にドラッグすると間隔は広がる。

POSTED ON 2019.09.3