第13回「さまざまなフォーマットへの書き出しが可能」#InDesign

Creative Cloud Design

InDesignでは、さまざまなファイルフォーマットへの書き出しが可能です。PDFはもちろんのこと、IDMLやHTML、SWF、JPEG、さらには電子書籍用にEPUB等のファイルを書き出すことも可能です。どのようなフォーマットのファイルをどのように書き出せるのかを理解しておきましょう。

PDF書き出し

現在では、校正用途や出力用途だけでなく、インタラクティブPDF等、ますますPDFの使用も増えてきています。InDesignでは、あらかじめ用意されているプリセットから目的のものを選ぶだけで、簡単に用途に応じたPDFを作成することができます。もちろん、各項目を個別に設定してPDFを書き出すことも可能です。ここでは、PDFを書き出す際にポイントとなる設定項目について解説します。用途に応じた最適なPDFを書き出せるよう、しっかりと理解しておきましょう(各項目の詳細に関してはヘルプを参照してください)。なお、カスタムで作成した設定は、プリセットとして保存したり、他のドキュメントで読み込むことも可能です。また、Illustratorではファイル保存時のダイアログからPDFを作成しますが、InDesignでは[書き出し]ダイアログからPDFを作成します。

InDesignの[書き出し]ダイアログ。[形式]では、用途に応じたさまざまな形式を選択できる。

[Adobe PDFを書き出し]ダイアログ

[PDF書き出しプリセット]には、あらかじめいくつかのプリセットが用意されており、目的のものを選択して書き出せばPDFを作成できます。もちろん、[標準]や[互換性]を個別に指定してもかまいません。

それぞれ以下のようなPDFが書き出されます。なお、PDFの各バージョンについての詳細は、以下のURLを参照してください。
http://help.adobe.com/ja_JP/indesign/cs/using/WSa285fff53dea4f8617383751001ea8cb3f-70c0a.html

PDF/X-1a:PDF/X-1aでは、全フォントを埋め込むこと、適切なトンボと裁ち落としを指定すること、カラーをCMYK、特色またはその両方として表示することが必要になります。この規格に準拠したファイルには、使用する印刷条件に関する情報を含める必要があります。PDF/X-1aはPDF 1.3を使用し、カラー画像とグレースケール画像を300ppiに、モノクロ画像を1200ppiにダウンサンプリングします。さらに、全フォントのサブセットを埋め込み、タグなしPDFを作成し、「高解像度」設定を使用して透明部分を統合します。

PDF/X-3:このプリセットはPDF 1.3を使用し、PDF/X-1aを拡張した仕様となっています。CMYKと特色だけでなく、RGBやICCBasedカラーなどのカラー空間の使用も可能となっています。

PDF/X-4:このプリセットはPDF 1.4をベースとし、透明効果をサポートします。PDF/X-4のカラーマネジメント仕様とInternational Color Consortium(ICC)色仕様はPDF/X-3と同じです。

プレス品質:高画質の印刷工程用のPDFファイルを作成します(デジタル印刷やイメージセッターまたはCTPへの色分解など)。ただし、PDF/X準拠のファイルは作成されません。このプリセットはPDF 1.4を使用し、カラーをCMYKに変換し、カラー画像とグレースケール画像を300ppiに、モノクロ画像を1200ppiにダウンサンプリングします。さらに、可能な場合、全フォントのサブセットを埋め込み、(透明をサポートしているファイルタイプにおいて)透明を維持します。

最小ファイルサイズ:Webやインターネットでの表示、または電子メールでの配信に適したPDFファイルを作成します。このプリセットは、圧縮、ダウンサンプリングおよび比較的低い画像解像度を使用します。すべてのカラーをsRGBに変換し、フォントを埋め込みます。また、Webサーバから一度に1ページずつ送信(バイトサービング)するための最適化を行います。

雑誌広告送稿用:雑誌広告デジタル送稿推進協議会によって策定されたデータ制作ルールに基づいて、雑誌広告用のPDFファイルを作成します。

高品質印刷:デスクトッププリンタや校正デバイスでの高画質印刷に適したPDFを作成します。このプリセットはPDF 1.4を使用し、カラー画像とグレースケール画像を300ppiに、モノクロ画像を1200ppiにダウンサンプリングします。さらに、全フォントのサブセットを埋め込み、カラーを変更せず、(透明をサポートしているファイルタイプで)透明部分を統合しません。InDesignではこれに加えて、タグ付きPDFが作成されます。

[一般]タブ

書き出すページ範囲や見開きにするかどうか等を指定します。すべてのページを書き出す場合は[すべて]、範囲を指定する場合には[範囲]を選択して、ページ範囲(連続ページはハイフン、ページ範囲を複数指定する場合はコンマで区切る)を指定します。なお、PDF/Xの場合には指定できませんが、ブックマークやハイパーリンク、インタラクティブなページ効果等を付けて書き出すこともできます。

[圧縮]タブ

カラー画像とグレースケール画像、モノクロ画像のそれぞれにおいて、どのように画像をダウンサンプリングするかを指定します。図のカラー画像の例では、「450ppiを超える画像があった場合には、300ppiまでダウンサンプリングする」ことを意味しています。また[圧縮]方法や[画質]もそれぞれ指定ができます。なお、[テキストとラインアートの圧縮]をオンにすると、ドキュメントのすべてのテキストとラインアートのディテールや精度をほとんど落とさずにFlate圧縮(ZIP圧縮に似た画像圧縮方式)を適用し、[画像データをフレームに合わせて切り抜く]をオンにすると、フレーム内の見える範囲内の画像データだけを書き出します。

[トンボと裁ち落とし]タブ

トンボやページ情報を書き出したい場合に設定します。トンボの種類や太さ、裁ち落とし幅を指定できます。なお、印刷可能領域を含んで書き出したい場合には、[印刷可能領域を含む]をオンにします。

[色分解]タブ

出力先のプロファイルと異なる埋め込みプロファイルが含まれている場合に、カラーをどのように変換するかを指定したり、PDF/Xに書き出す際の出力インテントを指定します。なお、出力インテントとはPDFのカラー再現に使用する最終的な出力デバイスを記述したもので、表示および印刷において作業用スペースより優先されますが、PDF内のカラーの変換は行いません。

[詳細]タブ

ドキュメント内で使用しているフォントの文字数に基づいて、完全なフォントを埋め込むしきい値を設定したり、OPI、透明の分割・統合に使用するプリセットの指定、ジョブ定義形式(JDF)ファイルを作成するかどうかを設定します。

[セキュリティ]タブ

パスワード保護とセキュリティ制限を設け、特定のユーザだけがファイルを開けるようにするだけでなく、内容のコピーと抽出、ドキュメントのプリントも特定のユーザだけに制限することができます。なお、PDF/Xを書き出す際には指定できません。

[概要]タブ

[Adobe PDFを書き出し]ダイアログで設定した内容を確認できます。

インタラクティブPDFの書き出し

InDesignでは、動画や音声をはじめ、ボタンやページ効果といった動きのあるインタラクティブPDFの書き出しも可能です。[ファイル]メニューから[書き出し]を選択し、表示される[書き出し]ダイアログの[形式]に「Adobe PDF(インタラクティブ)」を選択して、[保存]ボタンをクリックします。[インタラクティブPDFに書き出し]ダイアログが表示されるので、目的に応じて設定を行い、[OK]ボタンをクリックすればOKです。

[インタラクティブPDFに書き出し]ダイアログ。どのようなインタラクティブPDFを書き出すのかが設定できる。

また、InDesign上でPDFフォームの作成も可能です。[ボタンとフォーム]パネルを使用して、ボタンの設定や「フォームフィールド」と呼ばれる記入枠を配置することが可能です。作成したPDFフォームは、Adobe Acrobat Reader等を使用して直接入力できるため、申請書類やアンケートなどに使用できます。

ボタンの設定や「フォームフィールド」の配置は、[ボタンとフォーム]パネルから行う。

IDMLの書き出し

InDesignで作成したドキュメントは、基本的に下位バージョンで開くことはできません。何らかの理由により、どうしても下位バージョンで開く必要が生じた際には、「InDesign Markup(IDML)」に書き出して対処します。IDMLは、InDesign CS4以降のバージョンで開くことが可能です。ただし、100%の互換性が保証されているわけではありません。どうしてもといった場合以外は、下位バージョンで開くことはお勧めできません。

[書き出し]ダイアログの[形式]に「InDesign Markup(IDML)」を選択して[保存]ボタンをクリックすると、拡張子.idmlのファイルが書き出される。なお、[別名で保存]ダイアログからもIDMLの書き出しは可能。

EPUBへの書き出し

InDesignでは、電子書籍用のフォーマットであるEPUBへの書き出しが可能です。リフロー型と言われるタイプのEPUBはもちろん、フィックス型(固定レイアウト)のEPUBを書き出すこともできます。目的に応じて、[書き出し]ダイアログの[形式]に[EPUB(リフロー可能)]または[EPUB(固定レイアウト)]のいずれかを選択します。なお、EPUBに関しての詳細は、以下のURLを参照してください。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/using/export-content-epub-cc.html

Publish Onlineで書き出す

CC 2015で追加された機能に「Publish Online」があります。これは、InDesignドキュメントをオンラインで公開して、個別のURLとして共有できる機能です。そのため、「クライアントや共有者にブラウザでドキュメントを確認してもらう」なんてことが可能になります。また、オンラインに公開するドキュメントにはPDFも含めることができるため、「やはりプリントした物で確認したい」というニーズに応えることもできます。
クライアントをはじめ、グループワークの共有者とスピーディにドキュメントが確認できるので、作業効率もグッと上がります。もちろん、ブラウザで確認するドキュメントは、フォントや組版等、InDesignで作成したそのままの状態を確認できます。なお、ビデオやオーディオ、アニメーションといったInDesignのすべてのインタラクティブ機能を含めることが可能です。

Publish Onlineで書き出す手順

[ファイル]メニューから[Publish Online]を選択するとドキュメントをオンラインで公開するためのダイアログが表示されます。このダイアログで、どのように書き出すかを設定します。[一般]タブでは、ページ範囲や単一ページ/見開きページの設定、および[閲覧者がドキュメントをPDF(印刷)としてダウンロードすることを許可]するかどうかを設定します。

[詳細]タブでは、画像の形式や解像度をはじめ、書き出すPDFのプリセットを指定できます。設定ができたら[公開]ボタンをクリックします。

ドキュメントがアップロードされるので、URLを[コピー]して[閉じる]ボタンをクリックします。

コピーしたURLをブラウザで表示させると、InDesignドキュメントを確認することができます。なお、右下に表示される[Download PDF]ボタンをクリックすれば、PDFをダウンロードすることができます(ただし、PDFを書き出す設定をしていた場合のみ)。

[ファイル]メニューから[Publish Onlineダッシュボード]を選択すると、自分がオンラインに公開したドキュメントの一覧がブラウザで表示されます。共有や削除をはじめとしたオンラインドキュメントの管理はもちろん、公開したドキュメントが表示された回数や表示したユーザー数も確認できます。なお、Publish Onlineに関しての詳細は、以下のURLを参照してください。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/using/publish-online.html

Publish Onlineダッシュボード

POSTED ON 2019.09.26