私はただの気が小さなデザイナーです。もちろん、あなたも。 | アドビUX道場 #UXDojo

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「できるまでは、ふりをしてごまかせ」と言う人たちがいます。それは都合の良い表現ですが、同時に、一旦できてしまえば、不安や疑念は消え去ることを示唆しています。念のために注意しておくと、必ずしもそうではありません。私のように、制作するだけでなく、人々が助言やリーダーシップを求めてやってくる立場の人もいるでしょう。外で講演をしたり、仕事でプレゼンをしたり、記事を公開したり、後輩の面倒を見たりしているかもしれません。外からは、堅実にこなしているように見えるようですが、実際には、いつか人々にこの立場にふさわしい人間ではないと見抜かれるかもしれないと感じ続けていることを思うと、それはとても奇妙なことです。その感情が、今日の自分のいる場所への到達を助けてきたかもしれないという感覚は、更に奇妙なものです。

「インポスター症候群」は、職場で私たちを悩ます自信喪失を包括的に表す言葉として使われます。行動科学の国際的学術誌によれば、70%の人が自分が詐欺師であるという感覚を経験しているそうです。大統領自由勲章を受賞したマヤ・アンジェロウは11冊の本を書きましたが、毎回こう思ったそうです。「ああ。今度こそ気づかれてしまう。私がみんなを騙していたことを。誰もが、本当の私がどの程度の人間なのか、見つけてしまうことになるだろう」。もしアメリカ合衆国大統領就任式での自作の詩の朗読が、こうした感情を消し去るのに不十分であるのなら、もうそれが消え去ることはないと認めるしかなさそうです。

ただ、それは必ずしも悪いことではないかもしれません。おそらく、そうした負の感情を無視しようと試みたり、なんとか打ち勝とうとするよりも、それを受け入れ、自分の役に立つようにするべきではないでしょうか。この記事では、そうした消えることのない不安を何か役立つものに変える方法を紹介しましょう。

「私はこの場にふさわしくない」

そうじゃないかもしれません。でもそれは本当に重要なことでしょうか?あなたの立場があなたの仕事です。辞める予定がない限りは、あなたの仕事を可能な限り価値あるものにするべきでしょう。もし誰かが助けを求めてきたら、自分にできることをするために時間をとりましょう。私の肩書である「ディレクター」にはいくつかの役割があり、いまでも単純な制作作業や、校正のコピーや、時には冷蔵庫の掃除もします。

チームに貢献すれば、どういう経路をたどるにせよ、自分の場所を得られます。自分の場所の確保は、決して止めるべきではない行為です。

「私は自分が何をしているのかよくわかっていない」

そう思うあなたには良い仲間がいます。スターバックスのCEOだったハワード・シュルツはかつてこう言いました。「今日、自分がその席に十分相応しいと信じているCEOなどほとんどいない。誰かにそう話したりはしないだろうが、それが真実だ」。どれだけ仕事に通じていようが、常に可能な限り学び続けるのは、あなたの責務です。

私はこれまでいくつもデザインチームを率いてきました。着任したての時期はいつも、今度こそ誰かが私の正規のデザイン教育の欠如を問題にするのではないかと疑いました。彼らの信頼を失い、恥をかいて、役立たずになるのではないかと心配しました。まだそれは現実になっていませんが、とにかく、私は読んだり訓練したり、楽をしないよう自分自身を追い込むことで、可能な限り学び、時流に乗り遅れないようにしています。オバマ大統領は毎日1時間読書をして、いつか自分のしていることを理解できるよう学び続けたそうです(おそらくすでに理解していたでしょうが)。

「私はあの人ほど賢くない」

ナタリー・ポートマンはハーバードの新入生でいることについて、「何か間違いがあったかのように感じました。私はこの集団の中にいられるほど賢くないと」と話しています。比較対象があなたの友人でないのなら、新しく雇った若くて熱心で最新のツールやテクニックに熟達した誰かかもしれません。良いお知らせは、成功するために最も賢かったり最も才能豊かである必要がないことです。ですから、謙虚さを進んで取り入れ、すべてのことに一番ではないだろうということを受け入れましょう。

直観に反して、最も優秀な人々に囲まれているほど、チームの一部、あるいはリーダーとして、より個人的に成功するものです。自分よりも賢かったり才能があると認識している人々を恐れず、代わりに、彼らと関係を育み支援しましょう。上げ潮はすべてのボートを持ち上げるものです。

「私は恥をかくに違いない」

あなたの直感は、おそらくこれに関しては正しいでしょう。私たちは誰でも時々恥をかきます。しかし、それが人間というものです。私が初めてのカンファレンスでした講演のタイトルは「ユーザー体験は存在しない」でした。明らかにユーザーは存在し、彼らは体験します。つまりこのタイトルはつじつまが合いません。この時のことを思い出すと本当にうんざりします。それでもそれを始まりとして、国内のあちこちのカンファレンスで、適度に意味をなすいくつかの講演をしてきました。

リーダーシップには自信が必要です。とはいえ、幾分かの弱さを見せることは心を引き付ける効果を持っています。毎日繰り返すのは嫌だとしても、恥ずかしいことをしてしまうのは最悪の状態ではありません。実際、人々と近しくなる助けになるかもしれません。うっかり何か台無しにしたときは、ちょっと微笑んで、それを認め、軌道修正しましょう。

「これまでに大した仕事をしたことがない」

多くの才能ある人々が、過去の仕事について聞かれたときにはすくんでしまいます。デザインのポートフォリオでも、書いた記事でも、設立した企業のことでも、聴衆にとっては優れた、場合によっては桁外れに優れた何かについて、言い訳をちりばめた説明をする彼らを見るのはつらい体験です。自分の上手な売り込み方を学ぶことが可能でしょうが、この感情は少量であれば必ずしも悪いものではありません。もし、10年前の仕事が今でも驚くほど素晴らしいと思うなら、その後どれだけ自分の仕事を成長させることができているでしょうか?その時に手にしていたものを考えれば良かったと言えるかもしれません。でも、それ以来多くを学んだあなたの今の仕事はさらに優れていることでしょう。

改善する意欲を持つことは健全です。過去に行った仕事を嫌ったり言い訳する必要はありませんが、その後学んだことを使えばもっと良くできたと考えることは理に適っています。私の最初のポートフォリオサイトにはBGMが付いていました。…もう何も言う必要はないでしょう。

対抗するのではなく、利用する

もちろん、ここで挙げたような感情は、生活の中でネガティブな働きをすることがあります。しかし、あなたは、完全に打ちのめされることなく、今日いる場所に到達しました。ですから、そのままやり遂げましょう。疑念を無視せず、ただし真実として受け入れないように。代わりに、それが教えてくれることに集中しましょう。謙虚で、役に立ち、周囲を助け、好奇心を持ち、慕われ、改善の意思を持つ方法を学ぶのです。成功した人々の多くがこうした感情を持っていると告白する理由は、もしかすると、彼らが良いリーダー、良い友人、そして幸せで健全なペテン師になる方法を学んだからかもしれません。


この記事はI’m a Total Fraud, and So Are You(著者:Kurt Krumme)の抄訳です

POSTED ON 2019.04.8