デジタルガバメントサービスのユーザー体験に関するグローバル調査と、日本のデジタルガバメントの展望

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アドビは先日、「デジタルガバメントサービスのユーザー体験に関するグローバル調査」に関する報道関係者向けの説明会を開催しました。当日は、デジタルガバメントの有識者にご参加いただき、海外での状況や日本政府の取り組みに関するお話を伺いました。

デジタルガバメントを実現すれば、新たな価値を見出せる
はじめに、アドビ システムズ 株式会社 政策渉外担当シニアマネージャー 西嶋 美保子が、アドビがWPPグループと行ったデジタルガバメントサービスのユーザー体験に関するグローバル調査の結果を紹介しました。デジタルガバメントサービスはユーザーである国民のニーズや期待を理解しながら進めていく必要があること、活用を促進し最大限の効果を得て新しい価値を創るためにはデザインの重要性、データを利活用したパーソナライゼーション、AIなどの最新技術も活用しサービスの向上につながるリレーションシップに取り組む段階に来ていることを説明しました。

アドビシステムズ株式会社 西嶋美保子

まずは自治体のデータ標準化を
次に、東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 須藤 修教授より、デジタルガバメントへの期待と課題についてお話しいただきました。須藤教授からは、本調査報告で取り組むべき要素として挙げられた国民のニーズや期待を把握する取り組みや、パーソナライズされたサービス提供など先進的に実現しているサンフランシスコ市とデンマークのデジタルガバメントの事例を、紹介いただきました。

東京大学 須藤修教授

須藤教授は、日本は色々取り組んではいるものの、まず自治体のデータ標準化が遅れていると指摘しました。また、現在日本政府が目指しているSociety 5.0(サイバー空間 “仮想空間” とフィジカル空間 “現実空間” を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のこと)に向けて、クラウドとAIをベースにすることと、スマートフォンやタブレットなどのデバイスでデータを閲覧できるようになること、そして、スマートスピーカーなどの音声デバイスへの対応も必須であると解説しました。

産官学連携のデジタルガバメント推進でどのようなことが起こるのか
その後、アドビ システムズ株式会社 専務執行役員の鈴木 和典がファシリテーターとなり、東京大学の須藤教授、三菱総合研究所 社会ICTイノベーション本部 ICT・メディア戦略グループ 主席研究員 村上 文洋氏、そして内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室 内閣参事官 奥田 直彦氏に「日本のデジタルガバメントの展望」をテーマにパネル形式でディスカッションを行いました。

アドビシステムズ株式会社 専務執行役員 鈴木和典

まずは奥田氏より、今年1月に政府から発表された「デジタル ガバメント実行計画」における戦略の3つの柱として、1) 行政サービスの100%デジタル化、2) 行政保有データの100%オープン化、3) デジタル改革の基盤整備についての説明と、この実行に向けたノウハウである「サービス設計12箇条」をもとに、国民中心のサービスに取り組む方向性が紹介されました。

内閣官房 内閣参事官 奥田直彦氏

奥田氏は、「国民目線や利用者目線に立ったサービス設計は今までも行ってきたが、今後は自分も一利用者であることを理解し、自分ごととしてサービスに反映していきたい」と述べました。

続いて、三菱総合研究所の村上氏は、日本の今後の人口減少に言及し、「現在の日本の社会制度は人口が増えている時に作られているものであり、人口が急減することを想定して作り変えなければならない。AIやIoTを活用し、一日でも早く機械ができることは機械に任せて生産性を上げて社会を維持していかなければならず、同時に人口の減少を食い止める必要がある」と述べました。

三菱総合研究所 主席研究員 村上文洋氏

須藤教授は今回の調査結果に触れ、「デンマーク政府が、(今回グローバル全体の課題として挙がった)パーソナライゼーションとリレーションシップに力を入れている」とグローバルの動きに言及しました。

パーソナライゼーションやリレーションシップにはデータの利活用が必須となる中で、情報利活用に関してプライバシーやセキュリティ面で、国民が不安を感じると思われる点に関しては、須藤教授は「データ利活用は個人を特定する情報とは切り離して、技術的には紐づけを省いてデータ利活用を可能にできる」ことを紹介。また、奥田氏は「個人情報の保護とデータの活用におけるセキュリティは両立できると考えている。そのためには自身が提供しているデータがどのように活用されていて、どういったメリットに繋がるのかを説明していく必要がある」との考えを説明しました。

デジタルガバメントにおいて国と自治体、そして民間との連携について、奥田氏は「このデジタルガバメント実行計画によって、国と地方が連携してサービスをワンストップで展開できるようになる。今まではWebサイトで情報が一元化されているだけで、それ以上のことはできないサービスが多い状況であるが、例えば住所変更や死亡・相続などの手続きが官民区別なくその場のワンクリックで終了できるものになれば利便性がかなり向上する」と連携のメリットを紹介。また、新たな公共サービスの在り方として、村上氏より「3つの視点がある。予測・予防が1つ目。2つ目が、マスデータでなく個人を対象にしたサービスを展開すること。3つ目が民間サービスの利用である」と方向性について言及しました。

最後にアドビの鈴木より、「日本政府も国民を中心としたサービス設計、最新のIT技術を活用し、利用者である国民のニーズや反応を理解しながら、デジタルガバメントサービスを進化させていくという方向が改めて確認できた。我々アドビは、カナダ政府や、米・フロリダ州やデンバー市等と共に、デジタルガバメントに取り組んでいるパートナーでもあり、ワークフローのデジタル化においても電子サイン/電子署名を活用したデジタルトランスフォーメーションにも取り組んでいる。このようなベストプラクティスを日本のお客様と共有しながら、産学官連携して、国民中心のデジタルガバメントにおいて新しい価値を作っていきたい」と述べ、説明会は終了しました。

アドビとWPPが行った調査レポート全文は以下のURLよりダウンロードできます。https://landing.adobe.com/ja/jp/solutions/government/ctir-2798-wpp-adobe-global-citizen-benchmark.html

POSTED ON 2018.05.11

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