クロスデバイスマーケティング:成功への3つのポイント

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成人の約60%が1日に2種類以上のデバイスでやり取りをしている今日、マーケティングキャンペーンは、デバイスではなく人をターゲティングしなければならない時代になりました。
匿名の顧客IDをFacebookやGoogleが管理する領域に直接送信する場合においても、また、それを自社のデータ管理基盤(DMP)の中で安全に管理する場合でも、クロスデバイスマーケティングを効果的に実施することは困難です。

加えて、この問題を未解決のまま放置しておくことのツケは大きいと言わざるを得ません。Forresterによれば、米国のミレニアル世代は、今年、ひとり平均5.5台のデバイスを使用して6,000億ドル以上を消費します。eMarketerが発表した最新のウェビナー「Cross-Device Targeting—What to Watch for in 2017(クロスデバイスターゲティング―2017年に注目すべき点)」では、一貫性を備えたクロスデバイス体験の提供を求められているマーケターが、今後直面するトレンドや主な課題などを解説しています。

クロスデバイス -3つのコツクロスデバイスの課題に対処するためのソリューションとしてよく話題になっているのが、デバイスグラフの構築と購入です。デバイスグラフとは、デバイスごとに発信されるシグナルの共通点を解析し、ひとりの人間が使用している複数の匿名デバイスを特定できる一連のIDマッピングのことです。このようなシグナルは、IDの同一性を示します。

その最も確実なシグナルは、顧客によるログイン行動(webサイトやアプリへのログインなど)ですが、IPアドレスやデバイスがもたらすメタデータなどのシグナルも利用できます。このようなデバイスグラフを、デバイスのIDから構成されるオーディエンスセグメントに重ね合わせれば、オーディエンスセグメント(一般的には個人または家庭単位)が使用している複数のデバイスに共通するIDを匿名のまま認識できます。

これを利用することにより、マーケターはオーディエンスセグメントごとに、個人またはグループを対象にカスタマイズされ、デバイスをまたいで一貫性を備えた顧客体験を提供できるようになります。とはいえ、規模や精度、プライバシー、コントロールといった要因に左右されるため、使用すべきデバイスグラフやそれに最適なプラットフォームを見つけ出すのは極めて困難です。

デバイスグラフマッピング

デバイスグラフを使用し、最適なクロスデバイス体験を届けるために、重要となる3つのポイントを提案します。

1.柔軟な対応

デバイスグラフには、それぞれ独自の強みがあるので、あらゆるデバイスグラフを活用できる環境を整えておきましょう。自社のwebサイトやアプリから集めたシグナルのみにもとづき、独自のデバイスグラフを構築すれば、その構築内容や使用方法を確実にコントロールできますが、規模はどうしても制限されてしまいます。

FacebookやGoogle、Twitterといったパブリッシャーが管理する領域の中でデバイスグラフを使用する場合、規模は拡大できますが、各パブリッシャーが定義するオーディエンスにしか適用できません。パブリッシャーが販売するインベントリー内での使用に限定されるため、パブリッシャーが管理するエコシステムの外では、このデバイスグラフは使用できなくなります。

この問題の解決するためには、プラットフォームに縛られない環境でオーディエンスセグメントを構築することが必要です。その場合、独自のデバイスグラフの作成、共有デバイスグラフの選択、サードパーティによるデバイスグラフの使用などが可能になります。このような環境に最適なのは、DMPです。

DMPは、主要なあらゆるターゲティング基盤やパブリッシャー、データプロバイダーなどと連携できるため、定義されたオーディエンスに対して最適な規模や精度で一貫性を確保できます。アドビのDMPである Adobe Audience Managerでは、実装されているID管理機能を使用して、マーケターやパブリッシャーは自社のファーストパーティデータを利用して独自のデバイスグラフを作成できます。さらに、Audience Managerは、アドビのMarketing Cloud Device Co-op、LiveRamp、Tapadデバイスグラフなど、複数のデバイスグラフベンダーと連携しています。

Adobe Audience ManagerのID管理

2.規模がもたらすインパクトの理解

匿名化されたファーストパーティデータから作成した独自のデバイスグラフを使用して、ターゲティングやリターゲティングを実施することは、ピープルベースドマーケティングの世界では一般的です。ここで問題となるのは、その名が示す通り、デバイスグラフに含めることができるのは、自社が把握しているデバイス、すなわち、デジタルプロパティをまたぐアクションにもとづいて既知の顧客に紐付けできるデバイスだけであるという点です。

リーチをさらに拡大し、既知の顧客だけでなく未知の見込み客までをターゲティングしたい場合、必要となるデバイスグラフの規模は大きくなります。ここで役立つのが、Adobe Device Co-opです。このDevice Co-opとは、デバイスグラフを他社と共有したい複数の企業から集約されたデータによって構成されるデバイスグラフです。

重要な点は、1社が自身のデジタルプロパティで把握できるデバイスなどより、はるかに多くのデバイスがグラフに含まれていることです。そのため、企業はキャンペーンの範囲を拡大し、ひとつのデバイスでしか識別されていない顧客に対しても、その顧客が使用している複数のデバイスをまたぐターゲティングが可能になります。

現在、Adobe Device Co-opは北米で最大規模のデバイスグラフとなっており、マーケターが規模に妥協することなく、個人単位のオーディエンスセグメントを作成し、その効果を測定するために役立っています。

Adobe Device Co-opの仕組み

3.確実なコントロール

マーケティングキャンペーンの定義やターゲットの設定、効果測定などにデバイスグラフを使用する場合、グラフがどのように使用されているかを確実に管理できる必要があります。Audience Managerのプロファイル結合ルールを使用すれば、マーケターは複数のマーケティングシナリオにおいて、各セグメントに含める顧客をデバイスグラフにどう定義させるかに関する洗練されたロジックを構築できます。

例えば、あるルールでは、ファーストパーティのデバイスグラフを利用した既知の顧客セグメントを使用するようにしたり、また、別のルールでは、サードパーティのデバイスグラフを利用して匿名の見込み客を定義するように設定することなどが可能です。また、自社のプライバシーポリシーに即して、デバイスグラフを使用したセグメントのエクスポート先プラットフォームを、プロファイル結合ルールで定義することも可能です。

消費者のプライバシーに関する新しい法律や規定を制定する政府や団体が増えている中で、使用するデバイスグラフをきちんと定義し、その使用を企業全体で確実にコントロールすることは必要不可欠になっています。

Adobe Audience Manager Profile Merge Rules

顧客は、ひとつのデバイスで得た顧客体験が2つ目、3つ目のデバイスでも継続されることを期待しています。これまで説明してきた、柔軟な対応、規模がもたらすインパクトの理解、確実なコントロールという3つの原則に従い、マーケターは一貫性のある顧客体験を提供し、新たなクロスデバイスマーケティングの戦術を現実化することによって、顧客の期待に応え、ROIの改善へとつなげることができます。

POSTED ON 2018.05.18