マーケティング組織のあらゆるメンバーのために、データを民主化すべき時代が到来

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いつの日か、誰もがパートタイムのデータサイエンティストになる時代がくる。少なくとも、データサイエンスや人工知能(AI)がマーケティングツールやテクノロジーに組み込まれていくにしたがい、そうした時代が望まれている。

今日のマーケターやビジネスリーダーには、技術に関する高度な専門知識がなくても、アルゴリズムや統計を使用したテクノロジーをバックエンドで活用し、マーケティングの効率を高めることが求められているのだ。

あなたが急速に成長しているベンチャー企業のCEOだとしよう。ある朝、机に向かっていると、「収益が下がっています!」と警告するインテリジェントアラートが出る。

このソフトウェアは、人工知能のさまざまな形態、すなわちアルゴリズムやマシンラーニング(機械学習)、ニューラルネットワークを駆使し、企業のデータを監視している。

あなたは慌てふためき、不安を覚えながら、データアナリストが1週間の休暇中であることを思い出す。そこで、ふと、アラートにあるリンクに気づく。リンクにはこう書かれている。「貢献分析を実行して分析してください」。

リンクをクリックすると、即座に説明が表示される。「ソーシャルメディアキャンペーンの予算がなくなりました。設定に従い、キャンペーンは誰にも通知せずに中止されました」と。

ここでの取るべき行動は明らかだ。マーケティング部門に電話をかけ、予算の追加を承認し、キャンペーンを再開させる。収益は再び上がり始め、あなたは大きく一息つくだろう。

これこそ、データサイエンスが組み込まれたツールの持つ威力だ。スクリーンに表示されたアラートは、実は28種類の予測アルゴリズムが作動して異常値を検知した結果であることを、CEOが知る必要はない。

このプロセスによって、企業は通常と異なる値、すなわち、急激な上昇や下降を特定し、なぜそのような変化が起こったかを突き止めることができる。

そのように複雑なツールを使用する際、裏で動いているアルゴリズムや統計のことを考える必要がなくなれば、それはアラートを受け取ったり、リンクをクリックするなど、実行すべき有用な情報を入手するのと同じくらい容易な経験となる。

マーケターはデータ主導型へ

データの塊を分析し、仮説を検証し、ソリューションを反復するのに必要な手順をスキップできるということは、時間の大幅な節約になる。同時に、様々な問題を早期に警告してくれる。

いわゆる「炭鉱のカナリア」のようなこうした警告には、ビジネスにとって計り知れない価値がある。

キャンペーンが行き詰まった際など、異常値の自動検知によってはるか前に問題が発見されただけでなく、修正措置が速やかに実行された。人間の手による分析では、このような措置の実行に至るまでに数時間もかかったことだろう。

マーケターとして期待されるのは、クリエイティブなキャンペーンを実施することだけでなく、結果を出すことだ。しかし、これを達成するのにはデータが必要になる。

そして、データサイエンティストとしての訓練を受けていない場合、これは極めて難しい課題となろう。その一方で、データの専門家でなくても、データに詳しくなれるツールが増えている。

ここで、マーケターのために、人工知能を利用してデータを誰でも使えるようにする3つの主な方法をご紹介したい。

1. 人工知能によるテンプレートがあらかじめ設定された分析を実行

適切なツールを使用してデータを活用する最も効率的な方法は、予め設定した機能を組み込み、実行可能な情報を先を見越してユーザーに知らせるようにすることだ。

例えば、テンプレートを使えば、モバイル獲得、商品購入サイクル、コンテンツ消費パターンなど、マーケターが興味を抱くトピックに対するインサイトが容易に得られる。

さらに、ユーザーがデータをテンプレートにドラッグ&ドロップするだけで幅広い質問に対する回答が瞬時に得られるような、ビジネスにすぐに使えるシステムがあれば理想的だ。重要なことは、考えると同時に分析できるということだ。

テンプレートは、アートとサイエンスを融合させ、美しさと機能性を兼ね備えた成果を作り出すのに役立つ。そこから生まれる結果は優れており、通常の「レポート」といった感覚とは異なる次元のものになる。

それはダイナミックなプロジェクトだったり、予め設定された作業空間だったり、魅力的なビジュアライゼーションや精巧な表などであり、単なるレポートではない。

2. キュレートされたデータ環境が人工知能分析のカスタマイズを支援

さらに優れているのは、カスタマイズされたテンプレートが人工知能やデータサイエンスを活用したツールとなり、それによってデータの分析方法をキュレートできる、つまり、それぞれの状況にとって最も重要な情報を提供できるということだ。

カスタマイズされたテンプレートは、企業の分析部門によって測定基準が定義されており、ゼロから分析を始める必要がない。このため、新規ユーザーが手始めに実行するプロジェクトとしては適切なものになる。

ユーザーはデータを容易に細分化し、様々な面やセグメントに適用して独自の表示をキュレートしたり、顧客ロイヤルティや顧客維持などの質問に対する回答を、より容易に得られるようになる。

あらかじめ設定されたテンプレートをカスタマイズされたキュレーションと組み合わせることで、「特定のビジネス機能やニーズに利用できること」と「使いやすさ」を同時に求めるユーザーにとって大きなメリットとなる。

このようにキュレートされ、テンプレートを使用した環境を構築すれば、データやデータサイエンスを駆使したツールを誰でも使えるようなる。

3. 人工知能でデータセグメントを容易に比較

新規ユーザーとリピートユーザー、購入する人と購入しない人、ディスプレイ広告経由の集客とリスティング広告経由の集客など、マーケターは2種類のユーザーを容易に比較できる。比較が終われば、購入ファネルで脱落する理由を突き止めるのは容易だ。

これは、セグメント比較の主なメリットとなる。例えば、カスタマージャーニーから脱落した顧客と先に進んだ顧客を比較して、アクセスしたページを調べれば、その情報に従って何らかのアクションを起こすことができる。

これも、データサイエンスがキャンペーンやマーケティング効果の最大化を支援する例である。

あらゆる担当者にデータサイエンティストとしての能力を付与

マーケティング分析ツールは、アナリストではないユーザーや、データサイエンティストとは程遠いユーザーが容易に使えるようにしてこそ、その価値を発揮する。そのようなツールの価値を上げるひとつの方法は、できるだけ興味深い形でデータを可視化することにある。

アナリストでなくても使える高性能な可視化オプションを組み合わせることは、企業データを吟味するプロセスを誰にでもわかりやすくすることによって、企業が事業価値を高めるのに貢献する。

可視化はデータサイエンティスト以外のユーザーの養成を支援し、社内の誰もが洞察力のあるデータを使用して日常業務の効率を上げる機会を創出する。

人工知能の力を借りれば、マーケティングに関する意思決定をさらに積極的におこなえるようになる。それを、リンクをクリックしたり、インターフェイスをまたいで情報をドラッグ&ドロップするという作業によって容易に実現できるとよい。

これは取るに足らない作業に思えるかもしれないが、データサイエンスの力を利用してビジネスに大きなメリットをもたらす鍵となるだろう。

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本記事は InfoWorldに掲載された記事の抄訳です。

POSTED ON 2018.11.1

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