Adobe Illustrator Drawで描くデジタルアート(応用編)〜Adobe Captureでオリジナルシェイプを作ってイラストに利用する方法〜

Design

Adobe Illustrator Drawを使ったイラストの描き方を紹介致します。今回は応用編ということで、基礎編では紹介しきれなかった〈シェイプ〉と〈グリッド〉という機能を使いながらイラスト制作する手順を紹介します。

▽基礎編はこちら。
【基礎編】

▽Adobe Photoshop Sketchで描くイラストの作画方法はこちら。
【基礎編】/【応用編】

※今回紹介するIllustrator Drawの基本的な機能はこちらのページで紹介されています。

作画手順

・新規プロジェクトを立ち上げる


Illustrator Drawを起動後、画面右下に表示されている「+」をタップ。任意の形式を選択しましょう。※今回の作例は〈iPad Pro(横)〉という形式を選択しています。

・作画元になる写真を配置


新しいプロジェクトの画面が開いたら、画面右側にあるレイヤーの「+」をタップし、「画像レイヤー」から作画元になる写真を配置しましょう。

・下書き


画面左側にあるブラシツール最上段の「ラウンドブラシ」を使って下書きを描いていきましょう。※写真レイヤーにそのまま描き始めるだけで自動的に描画レイヤーが生成されます。

ブラシのサイズや色の濃さは使用するブラシを選択後、もう一度同じブラシをタップすると出てくる、ブラシオプションにて自由に変更可能です。描きやすい設定に調整してみましょう。

下書きが描けたら、レイヤーアイコンをタップしてレイヤーオプションを開き、「不透明度」を30%程度まで下げましょう。これで本番の線と見分けが付きやすくなります。

・ペン入れ


画面右側にあるレイヤーの「+」をタップし、下書きレイヤーの上に新しい「描画レイヤー」を作り、ペン入れをしていきます。今回はラウンドプラシでザクザクとライン取りをしていくスタイルのイラストです。


《ワンポイントアドバイス》

画面を二本指でピンチイン、ピンチアウトするとアートボードをズームにすることができます。細かい部分は描きやすいようにズームにしてみましょう。

ひととおりペン入れが完了したら、下書きレイヤーをダブルタップして非表示にします。

次は色を塗っていきますので、色で主線をかき消してしまうことがないように、主線を描いたレイヤーをコピーします。

ペン入れをしたレイヤーを一度タップし、レイヤーオプションから「複製」を選択します。この操作を繰り返し、3回ほどコピーします。

・色ぬり


色を塗っていきます。Illustrator Drawは囲われた範囲内を長押しすることで「塗りつぶし」機能が使えます。広い範囲を一瞬で綺麗に塗りつぶせる便利な機能ですが、塗りつぶしたい範囲を囲っている線が途中で途切れている場合は塗りつぶすことができません。

そのため、まずは塗りつぶしたい色で線の途切れた部分を繋げていきます。

途切れている部分がなくなったら、塗りつぶしましょう。

ラウンドブラシのカラーをホワイトにして、ハイライトを描き加えました。

カラーはブラシをダブルタップし、「カラー」をタップすることで、「テーマ」や「ピッカー」からお好みの色を選択することができます。

ひとつ上の階層にあるレイヤーを選択し、髪の毛や服の色を塗ってきましょう。

このように人物のイラストができました。

画像レイヤーをダブルタップして非表示にしたら人物の部分は完成です。

・Adobe Captureを使ってTシャツの柄を作る


ホワイトの無地のTシャツもスタイリッシュで素敵ですが、今回はAdobe Captureを使ってこのTシャツにオリジナルの柄を入れてみたいと思います。

まず、画面上部にある「シェイプ」アイコンをタップし、シェイプウインドウの右上にある「+」をタップしてください。


するとこのようにCaptureアプリが開きカメラ画面が立ち上がります。

Captureはカメラで撮影したモチーフや、あらかじめ撮影しておいた画像の輪郭を瞬時に読み取り、オリジナルシェイプに変換してくれるとても楽しいアプリです。Creative Cloudアカウントをお持ちの方は無料でご利用いただけますので、是非インストールしてみてください。
https://www.adobe.com/jp/products/capture.html

今回はこのイラストのモデルの元写真を使います。画面右上にある写真のようなアイコンをタップし、Captureに写真を読み込ませてください。

このように、写真の陰影を自動で抽出してくれます。ただ、このままだと全体が白く飛んでしまっているので、画面右側のスライダーを上下して、明度を調整してみましょう。

このように調整しました。
《ワンポイントアドバイス》
Captureでは画面左下の画像調整アイコンをタップすると、ワンタッチで様々な加工をすることができます。


用途に合わせて色々な効果をお楽しみください。

・シェイプを活用する


画像調整が完了したら画面右上の保存をタップすると自動的にIllustrator Drawの画面に戻ります。Captureで作ったオリジナルシェイプが画面に表示されていますので、自由にサイズを調整し、お好みの位置に移動させてください。

レイヤーの最上層に「描画レイヤー」を一枚追加し、配置したシェイプを長押しします。


Tシャツからはみ出た部分を消しゴムで消して完成です。

・遠近グリッド


背景の作画には「遠近グリッド」を利用します。画面右上の「設定」アイコンをタップし「グリッド」の「追加」をタップします。「遠近」と「グラフ」が選択できますので今回は「遠近」を選択します。

するとこのように画面上に遠近グリッドのガイドラインが現れます。表示されている遠近グリッドはサイズや角度を自由に調整することが出来ます。グリッドの調整が完了したら、画面右上の「完了」をタップしてください。

背景の色はブラシオプションの「カラー」で「テーマ」を選択し、下にスクロールすると出てくる「コミュニティテーマ」から選んでみます。「コミュニティテーマ」ではバランスの良い色の組み合わせが横並びでたくさん紹介されていますので、色選びに困った時は参照してみてください。


「シェイプ」をタップし、左上の定二本線のシェイプを選択します。こちらは通常ですと二本の平行線が引けるシェイプですが、遠近グリッドを使用中は消失点から放射状にグリッドに沿って直線を描けるシェイプに自動的に変換されます。


また、シェイプの範囲内に表示されている立方体のアイコンをタップすると、シェイプをグリッドのどの面に沿った表示にするか切り替えることができます。


レイヤーの最上層に新しい「描画レイヤー」を一枚追加し、左の消失点から放射状に線を引きます。中央に縦線を一本引き、最後に塗りつぶすと、向かって右側の壁が描けました。


同じように今度は右側の消失点にシェイプを合わせて、左側の壁を描いていきます。

あとは上下にも色を塗れば、立体的なお部屋が完成です。


背景を描いたレイヤーを人物が描いてあるレイヤーの下に移動させます。(天井の色を変えました)
※レイヤーを長押しすると前後を自由に入れ替えることができます。

これだけでは少し殺風景なお部屋に見えるので、壁に壁画を描いていきましょう。


Captureを使って、お好みの画像からオリジナルシェイプをいくつか作ります。

お部屋の壁に好きなだけ配置してみましょう。既存のシェイプが遠近グリッドに沿って表示できるのと同じく、オリジナルシェイプもまた、遠近グリッドに自動的にパースを合わせてくれます。

最後に背景のコントラストを調整したら完成です。

描いたイラストを活かす


Illustrator Drawで描いたイラストは様々な使い方ができます。

・イラストを保存、共有する

Illustrator Drawでは、プロジェクトに加えた編集は自動的に保存されます。いつでも「閉じる」をタップすれば、「プロジェクト」ビューに戻れます。「+」をタップして、プロジェクトに新しいドキュメントを追加することも可能です。また、「…」をタップして対象のドキュメントを選択し、複製や削除、または他のプロジェクトに移動することができます。「作品」ビューでは、選択したプロジェクトを一括して削除、複製することも可能です。

画像をカメラロールに保存することもできます。また、PSDまたはPDFの形式でCreative Cloudに保存することも、リンクを作成してプロジェクトを他の人と共有することも可能です。

・Behanceとの連携

コミュニティギャラリーで世界中のアーティストやデザイナーの作品を参照できます。また、Illustrator Drawで制作中の作品をBehanceに公開して、アプリ内ですぐにフィードバックを得ることも可能です。

IllustratorPhotoshopに直接送信

作成したイラストをIllustratorに送り、ベクターデータとして編集することが可能です。また、レイヤー付きのPSDファイルとしてPhotoshopに送り、イラスト、背景、画像をそれぞれ個別のレイヤー上で編集できます。

・タイムラプス機能

Illustrator Drawでは作画の全行程が自動的に録画され、タイムラプス機能を使って手順を一から振り返ることができます。

タイムラプスのビデオもまた、保存と共有が簡単にできます。

Illustrator Drawは無料でご利用いただけます

Illustrator DrawはCreative Cloudのアカウントをお持ちの方ならどなたでも無料でご利用いただけます。
イラスト制作からちょっとしたメモ書きまで、使い方は無限大ですので是非インストールしてご利用ください。
https://www.adobe.com/jp/products/draw.html

タイムラプスを編集した動画

今回紹介したIllustrator Drawで描いたイラストのタイムラプスを編集して解説を加えた動画がありますので良ければご覧ください。

POSTED ON 2018.11.15