グラフィックデザイナーのための3Dツール Dimension CCはじめの一歩!【Adobe MAX Japan 2017セッションレポート 】

Creative Cloud

Adobe MAX Japan 2017のブレイクアウトセッションから、Adobe Dimension CCに関するセッションをレポートします。プレゼンターは、Creative Cloudエバンジェリスト 仲尾 毅が務めました。

Dimension CCは、2016年のAdobe MAXで「Project Felix」という名称で初披露され、ベータ版として提供されてきました。その後、世界中のクリエイターのフィードバックを得ながら開発が進められ、2017年のAdobe MAXにおいて正式な製品版としてリリースされました。

オープニングのキーノートでもCreative Cloudの新しいアプリケーションの1つとして紹介されたこともあり、セッション会場は定員を上回る大勢の来場者で埋め尽くされました。

※キーノートの模様はこちらの動画(をご覧ください。

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/events/maxjp-video-archive.html#x

グラフィックデザイナー向け3Dツール

ちなみに、Dimension(ディメンション)と聞いて、おやっと思われた方も多いでしょう。ひと昔前にアドビから提供されていた3Dソフト、Adobe Dimensions(こちらはディメンジョンズ)を連想してしまいますが、全く別の製品です。

Dimension CCは3Dツールという肩書きはあるものの、対象はあくまで3D経験のないデザイナー、特にグラフィックデザイナーに向けた製品であるということです。

例えば、製品やパッケージに施すデザインやロゴを、IllustratorPhotoshopを使って作成したとします。ただそれをクライアントに提案する際には、実際のプロダクトにはめ込んだ状態で見せるほうがはるかに説得力があります。そうした場合、3Dで作られたプロダクトの画像もしくはそれに近い画像を探して、IllustratorやPhotoshop上でパースをもたせながら作り込んでいくわけです。なかなか時間と手間のかかる作業です。

そうした作業を実に簡単にしてくれるのが、このDimension CCです。では、実際にDimensionを開いて、どのようなことができるかを見ていきましょう。

3Dモデルをあらかじめ用意

ここからは、セッションで行われたデモの内容を、実際に自分のコンピューターで試しながら、おさらいしたいと思います。

まず新規プロジェクトを開くと、下のように何もない3D空間が表示されます。ちなみに現行バージョンでは、1つのプロジェクトしか開くことができません。今後のバージョンで、複数開けるようになるとのことです。

Dimentionは3Dソフトではありますが、この中で3Dのモデルなどを新たに作成することはできません。ではどうするかというと、画面の左側に「アセット」というパネルがあります。この中に、3Dのモデルがあらかじめ用意されています。シンプルな立方体や円柱から、ボトルやバッグ、食品パウチ、ノートPCやスマートフォンといったようなものまで、使えそうな素材がいくつもあります。

この他、Adobe StockにもDimensionに最適化された3Dアセットが豊富に揃っているので(無償版もあります!)、ダウンロードしてすぐに使うことができます。

  • Adobe Stockの3Dアセットはこちらのページから。

https://stock.adobe.com/jp/3d-assets

もちろんオリジナルで作成された3Dモデルも読み込んで使えます。現状では、OBJ形式のみがサポートされていますが、こちらも順次拡張されていくのではないかということです。

3Dモデルを操作する

3Dモデルを空間に配置してみましょう。アセットパネルで「ボトル(角)」というモデルをクリックすると、3D空間の中央に配置されます。ドラッグ&ドロップで好きな場所に配置することもできます。

この3Dモデルを操作していく上で、まず覚えておきたいショートカットキーがあります。次の4つです。

[V] 移動ツール:オブジェクトを選択して、3D空間内を自由に移動させます。

[1] 起動カメラツール:ドラッグしてシーン内のビューを全方位に回転させます。

[2] ハンドツール:クリック&ドラッグするとカメラが上下左右にパンします。

[3] 遠近ツール:クリック&ドラッグするとカメラが前後に寄ったり引いたりします。

これらのツールを素早く切り替えることで、3Dモデルをいつでも好きなアングルから操作することができます。

右側下にある「プロパティ」パネルで、選択されたオブジェクトの位置や回転、拡大率などを数値で指定することも可能です。

マテリアルを適用する

今度は3Dモデルに対して、マテリアルを適用してみます。アセットパネルの「マテリアル」をクリックすると、様々なマテリアルが表示されます。ガラス、プラスチック、木目、アルミなど、色々あります。ここはわかりやすく、「黒のプスチック」をクリックしてみます。(実際のセッションでは、大胆に「メタル」を適用していました)

ボトル全体に黒いプラスチックのマテリアルが適用されました。ふたの部分だけ違うマテリアルにしたいという時は、右側の「シーン」というパネルを見てみます。「ボトル(角)」の左側にある >マークをクリックして展開すると、この3Dモデルは「ふた」「ボトル」「安全環」という3つのパーツから構成されていることがわかります。レイヤーパネルのようですね。

その中の「ふた」を選択して、マテリアルの「白のプラスチック」をクリックします。ふたの部分だけ白いプラスチックになりました。

適用したマテリアルを調整することもできます。例えば、「ボトル」の右側の◀︎をクリックして展開し、「黒のプラスチック」を選択します。すると下の「プロパティ」パネルに、カラーや発光、不透明度などを調整するツールが表示されます。「ベースカラー」の右側にある現在のカラーをクリックすると、カラーピッカーが開くので、好みのカラーを指定します。

もし、3Dモデルがパーツ分けされていない統合データであった場合、左側のツールボックスを見てみると、どこかで見たことのあるツールがあります。Photoshopでもお馴染みの「自動選択ツール」。これを選択して、オブジェクトの任意の部分を選択し、その部分にマテリアルを適用したり、プロパティを調整したりできます。

ライティングを調整する

ここまで、3Dのモデルとマテリアルについて説明してきましたが、Dimention CCで扱う3D要素のもう1つ、ライティングについて見ていきましょう。

「アセット」パネルで、今度は「ライト」をクリックします。ライトのプリセットがいくつか出てきました。同じようにクリックまたはドラッグ&ドロップして、様々なライティングのシミュレーションを試すことができます。

また、「プロパティ」パネルの中の「日光」にチェックを入れると、太陽の高さや位置、日差しの強さなどを調整することができます。

ところで、Dimensionの「デザイン」モードのカンバスに表示されるシーンは、あくまで目安に過ぎません。最終的な仕上がりを確認するにはレンダリングが必要になります。レンダリングは、3D情報を2D画像に変換する処理のことで、これには時間がかかります。そこで、カンバスの右上にある「レンダリングプレビューを表示」をクリックすると小さなウィンドウが開き、最終的なレンダリング結果に近い状態を確認できます。

自作のマテリアルを追加する

マテリアルもライトも、3Dモデルと同様にAdobe Stockから探して使うことが可能です。さらに、マテリアルに関しては、自分で作成したマテリアルをDimensionに読み込んで使用することもできます。

これには、Creative CloudモバイルアプリのCapture CCを使います。スマートフォンで撮影した写真からベクターシェイプやブラシ、カラーパレットなどを作成できるアプリですが、新たにマテリアルを作成する機能が追加されました。

セッションのデモでは、手持ちの皮ケースをiPhoneで撮影し、Capture CCに取り込みました。表面の粗さやディテールなどを調整し、保存すると、これだけで皮のマテリアルが完成しました。このマテリアルは、任意のCreative Cloudライブラリに自動的に保存されます。

ここでDimensionに戻ります。「アセット」パネルから、「バッグ(線材の持ち手)」をクリックして空間に配置します。次に、「アセット」パネルの下にある、「Creative Cloudライブラリ」をクリックして展開します。ドロップダウンメニューから、マテリアルを保存したライブラリーを選択すると、作成した皮のマテリアルが入っています。

バッグを選択して、皮のマテリアルをクリックすると、紙袋がたちまち皮張りのバックに大変身しました。

デザインを貼り付ける

さて、IllustratorやPhotoshopで作成したデザインを、どのように3Dモデルと合成するのか。デザイナーの方はここからが気になるところですね。

下は、Illustratorで作成したブランドアセットです。ロゴや画像などがあります。これらのアセットを選択し、「ライブラリ」パネルの下にある「+」をクリックします。「グラフィック」にチェックを入れて「追加」をクリックすると、アセットがCreative Cloudライブラリに保存されます。

Dimensionに戻って、「アセット」パネルの「Creative Cloudライブラリ」から、任意のフォルダーを表示します。Illustratorで保存したアセットが入っていますね。3Dモデルは、シンプルな長方形のボックスを使ってみましょう。

「シーン」パネルで、「ボックス(高)」→「ボックス」→「ボックスのマテリアル」と展開し、「プロパティ」パネルの「ベースカラー」のサンプルをクリックします。上部の「イメージ」をクリックしてタブを切り替えます。そして点線の四角の中に、ライブラリ内の画像をドラッグ&ドロップします。

ボックスの形状とパースに合わせて、長方形すべての面に画像が貼り付けられました。

今度は、ロゴのアートワークを直接3Dモデルにドラッグ&ドロップします。ボックスのパースに合わせてロゴが配置されます。配置する面をまたいでも、パースが自動的に調整されます。ハンドルを操作してアートワークの大きさと位置を調整すれば、もうパッケージのカンプが完成です。ここまでの作業をIllustratorやPhotoshopで行うことを想像してみてください。これだけでもDimensionを使うメリットがあるかと思います。

ここでデモは終了しましたが、背景画像と合成することで、クライアントやチームメンバーとよりリアルなイメージを共有することができます。ちなみに、背景画像をシーンの中に配置すると、画像の情報を解析して、シーンのライトやパースが自動的に設定されます。これにはあのAdobe SenseiのAI技術が活用されています。

今日から始める

Creative Cloudメンバーの方なら、今すぐこのDimensin CCをダウンロードして使い始めることができます。まだリリースされたばかりの製品なので、それほど多くの情報が出回っていないかと思います。アドビのサイトにアクセスすると、Dimentionの機能説明や使い方のチュートリアルなど豊富なリソースが揃っているので、ぜひこれらを参考に試してみてはいかがでしょう。

POSTED ON 2017.12.20

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