アドビ、カスタマージャーニー分析のAI機能強化を発表

Experience Cloud

アドビが、Adobe Analyticsの新機能として初めてカスタマージャーニー分析を導入したのは、組織の盲点を見極める手助けをすることが目的でした。私たちのチームは、不完全なデータや、顧客行動を理解するには不十分な表層しか捉えていない大まかな数値指標をもとに下される重要な意思決定の例をあまりにも多く見てきました。小売業界を例にとれば、企業はオンラインで展開した販促活動が店頭での購入にどう結びついたのかを把握するのに苦労していました。

問題の一部は、デジタルが長らく脇役扱いだったことにあります。しかし、ここ数か月でその認識はほぼ覆りました。現在も継続するパンデミックは、私たちをデジタルファーストからよりデジタルオンリーの現実へと移行させたのです。今後、以前の平常を一部取り戻したとしても、今の状況はある意味続いていくでしょう。企業にとって、消費者との関わりをチャネル横断で理解することは、今回起きたデジタル普及の加速でさらに重要になると考えられます。

ここ数か月、私たちは、多くの企業がカスタマージャーニー分析でその第一歩を踏み出すのを目にし始めています。実店舗のPOSデータをWebサイトやアプリから得たデータと統合できるようになりました。コールセンターのインサイトも、ロイヤルティプログラムやデジタルデータと統合し始めています。これらの取り組みを支えているのがAdobe Experience Platformで、異種のカスタマーデータセットを共通言語の下に集約するという集中的なタスクを処理しています。これにより、チームはすぐに行動を起こし、顧客体験を向上させるためのアクションを起こすことができます。

このたび、アドビは、リソースの制約を解消しながら、AIの活用でより深いインサイトを提供する、カスタマージャーニー分析の機能強化を発表しました。今回のアップデートでは、ユーザーが愛用しているAdobe Analyticsの高度な機能を活用し、Webサイト以外のオムニチャネルのデータセットも対象に含めることが可能になります。企業は、Adobe Senseiを通じて実績あるアルゴリズムにアクセスし、顧客体験の質やビジネスパフォーマンスをより正確に把握するためのインサイトを得ることができます。

新しいAIの機能強化には以下が含まれます。

  • 異常値検出(129日より提供開始):Adobe Analyticsの最も人気のある機能のひとつである異常値検出は、従来からWebサイトのアクティビティに活用されてきました。この機能は、売上を促進している、または阻害しているWeb体験の領域を見つけ出し、チームがリアルタイムで特定のキャンペーンを展開したり、迅速な修正で対処することを支援します。アドビは、この異常値検出をカスタマージャーニー分析でも提供開始しました。これによりユーザーは、カスタマーサポートなどのチャネルとモバイルアプリ相互のイベントの因果関係をよりよく理解することが初めて可能になります。この目的に特化したAIで、問題点やエクスペリエンスを改善できる領域の特定をおこないます。消費者にとっては、よりつながりがあり直感的に感じられるインタラクションが得られるようになることを意味します。
コールセンターで検出された異常値の例
  • 貢献度分析(スニークプレビュー):チームがデータセットに異常を発見した場合、その根本原因を追加分析することで恩恵を受けられる場合があります。例えば、ユーザーのエンゲージメントが著しく低下しているメディア企業を考えてみましょう。貢献度分析を使用し、特定のブラウザが第一容疑者であることが判明したら、チームはさらに調査を進める手がかりを得たことになります。私たちはこの機能をカスタマージャーニー分析にも導入する予定です。ロイヤルティプログラムのエンゲージメントが大幅に低下しているシナリオを考えてみましょう。カスタマージャーニー分析の貢献度分析を使えば、顧客の会員特典の内容が、顧客がオンラインで見たものと、担当者の対面での説明とで一致していないことをチームがよりよく理解できるでしょう。
  • Intelligent Alerts(スニークプレビュー):Adobe AnalyticsのAIと機械学習機能を開発するにあたって、私たちは早い段階で、チームは自分たちが知らないことを知り得ないことことに気が付きました。シグナルはデータの奥深くに隠されており、熟練したデータサイエンティストでさえ、組織の分析指針を構築する際にその範囲までを十分にカバーできていないことがあります。Adobe AnalyticsのVirtual Analyst機能の一部であるIntelligent Alertを使えば、企業はAdobe Senseiを活用して「隠された未知」を発見することができます。チームが扱うデータはチャネル統合によって増加するため、これはカスタマージャーニー分析に組み込むべき重要な機能でした。ユーザーに尋ねなくても、カスタマージャーニー分析のインテリジェントアラートは、そうでなければ気づかれなかったであろうインサイトを自動的に表面化させます。そして、チームがアラートに関与し始めると、AIはより賢くなり、提示する内容をパーソナライズし始めるのです。

※本記事は、2020年12月9日にアドビのAdobe Analytics製品管理ディレクターであるジョン ベイツ(John Bates)が投稿したブログの抄訳版です。

POSTED ON 2020.12.10