レイバーデー(労働者の日)直前の予約急増にみる、ホリデーシーズンの旅行動向 #DigitalEconomyIndex 8月版レポート

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Adobe Analyticsを使用して米国のEコマース動向を追跡するデジタル指標、Digital Economy Index(DEI)(英語)によると、夏季期間中の外出を控えていた中で到来した2020年のレイバーデーでは、直前の2週間とその前の2週間を比べると、直前になって60%も多くフライトが予約されたことが明らかになりました。

レイバーデー(労働者の日、9月の第一月曜日)の動向からは、消費者が再び旅行に積極的になった様子が読み取れます。今年のホリデーシーズンにおいてもこの傾向は変わらないと想定されますが、実際に消費者が予約を取るタイミングは直前となる可能性が高いでしょう。

この予約数の伸びは、2019年の同時期では45%増に留まっていました。これは、今年の旅行者がフライトの予約についてぎりぎりまで逡巡していたことを示唆していると、アドビのマーケティングおよびカスタマーインサイト担当バイスプレジデントであるジョン コープランド(John Copeland)は指摘します。

「今年11月と12月のホリデーシーズンにおける旅行需要を示すポジティブな兆候かもしれません」と、彼は続けます。

直前のフライト予約の急増はあったものの、今年のレイバーデーの旅行予約全体は依然としてCOVID-19の大きな影響下にあったとコープランドは述べます。国内線の予約は前年比58%減、ホテルの予約は同20%減でした。

レイバーデーの旅行に関しては、中西部の人々の旅行意欲の高さが際立ちました。旅行に最も消極的な北東部からのフライトが前年比61%減であったのに対し、中西部を起点とするフライトの減少は前年比36%でした。

レイバーデー期間中に大幅なオンラインセールス増は認められず

COVID-19やロックダウンがない中でも、レイバーデー期間中のオンライン売上高は予測を下回って推移しました。その前の1週間のEコマース消費額は前年比33%増でしたが、レイバーデー休暇期間は、前年比12%増の26億ドルに留まっていす。

「レイバーデーにおける比較的低調なオンラインの消費活動は、ここ数年示されてきたパターンと逆行しています。これまでは、ほとんどの場合においてホリデーシーズンには通常よりも急速な売上増が観測されていました。COVID-19によるオンラインショッピングの増加幅が大きいために、特定の休日やイベントにおけるショッピング増加の影響が薄れているのだと考えられます」と、コープランドは説明します。

各州の経済活動再開に伴い、鈍化を続けるEコマースの成長率

8月は消費者の旅行意欲が示されただけでなく、経済活動の再開が続行するなか、実店舗にもより多くの消費者が押し寄せました。月間のオンライン消費は合計で630億ドルでしたが、オンライン売上の前年比成長率は42%で、6月の76%や7月の55%と比較すると、Eコマースの前年比成長率の低下が3か月連続で観測されたことになります。

「前年比42%増というのは、通常の8月の成長率よりもはるかに高いものの、経済活動再開に伴ってオンライン消費の伸びが後退していることが読み取れます。これは、2020年末のホリデーショッピングを占うのに役立つ予兆かもしれません。経済活動の再開とCOVID-19の感染状況が同じレベルに留まる、ないしは改善すると仮定した話ですが」と、コープランドは述べます。

DEIによると、8月のEコマース全体の売上減少には、前年比でのアパレル支出の減少が影響していることが明らかとなりました。また、米国の1,000人以上の消費者を対象にした補完的な調査では、52%が8月にアパレルのオンラインショッピング支出が減ったと回答しています。

8月のDEIではEコマースの売上高の減少が認められたものの、2020年のオンラインショッピング全体としてはこれまでになく高い水準を保っています。2019年、ホリデーシーズン以外で売上高が20億ドルを越えた日が2日間しかなかったのに対し、2020年にはすでに130日を数えています。さらに今年は、ホリデーシーズン以外で30億ドルの大台を越えた日が5月4日、5月18日、5月25日と3日もあります。これは昨年にはなかった現象です。

モバイルが王者として君臨し、BOPISの利用率は急上昇

8月のオンライン小売Webサイトの訪問者の過半数にあたる60%はモバイルデバイスからのもので、現在すべてのオンライン販売額の40%がモバイルで占められています。今年に入ってこれまでに1,900億ドルがスマートフォン経由で消費されたことになります。DEIでは、オンライン販売額におけるスマートフォン比率が2022年9月までに50%を超えると予測しています。

オンラインで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)の利用は8月に入って急増し、7月と比較して59%増、前年同月比259%増となりました。コープランドは、消費者の外出への抵抗感が薄れていることと、小売業者がBOPIS体験を継続的に改善し続けていることがその要因だと見ています。アドビの調査によると、宅配よりもBOPISや店舗前受け取りを好むオンライン消費者が30%にのぼっています。

「2020年のホリデーシーズンはこれまでにない様相を呈する可能性があります」と、コープランドは指摘し、こう締めくくります。「ここ数年とは異なる顧客体験が店頭とオンラインの双方で提供されることでしょう。ソーシャルディスタンスを遵守するために店舗の非接触化が推し進められ、デジタルチャネルでは買い物客を購買につなげるための取り組みが強化されています。そして、去年のホリデーシーズンの到来が意外に早かったと感じた人は、今年はさらに早まったと感じるでしょう。私たちにとって苦しかった2020年を振り返り、消費者は一息つけるホリデーシーズンを待ち望んでいるからです。」

*本記事は、2020年9月14日にアドビのエンタープライズソートリーダーシップエグゼクティブエディターのジゼル アブラモビッチ(Giselle Abramovich)が投稿したブログの抄訳版です。

POSTED ON 2020.09.25