CMSとクリエイティブのコラボレーション

Experience Cloud ベストプラクティス

 本ブログのテーマはAdobe Marketing Cloudですが、一般にアドビはクリエイティブ製品で知られており、Web制作の現場でも、Photoshop、Illustrator、Dreamweaver等のクリエイティブ製品が多く活用されていることと思います。一方Webサイト制作ではCMS(コンテンツ管理システム)が徐々に一般的になってきましたが、「CMSっぽいサイト」という言葉があるように、画一的なデザインになりがちなCMSにクリエイティブな要素を取込んでいくという点については、まだ手探り状態のところがほとんどなのではないでしょうか。

アドビの提供するコンテンツ管理システムであるAdobe Experience Manager(以前までは「Adobe CQ」と呼ばれていましたが、2013年リリースのバージョンからこの名称となりました)では、こうしたクリエイティブのやり取りにAdobe Creative Cloudを活用し、外部制作会社などが作成したクリエイティブコンテンツをCMSに自動で移行することが可能となります。これにより、これまでクリエイティブのやり取りで発生していた煩雑なプロセスが効率化されるとともに、Webサイトを中心にクリエイティブまで含めた制作のワークフローを構築することが可能となります。

Adobe Creative Cloudの活用

Adobe Creative Cloudはアドビのクリエイティブ製品を月額課金にて使用可能なサービスで、Photoshopなどのアプリケーションが使用可能なだけでなく、アドビのクラウド上に用意されたストレージにクリエイティブをアップして共有することなども可能です。

Adobe Experience Managerには、このCreative Cloudのオンラインストレージと同期する機能が標準装備されています。これにより、Creative Cloud上のストレージとAdobe Experience Manager上のDAM(Digital Asset Management)領域を自動的に同期し、インフラ側で特別な開発を行うことなしに、クリエイターとのファイルのやり取りにクラウドサービスを利用することが可能となります。

 Blog_Sakamoto_クリエイティブ

実際の使用ケースを考えてみましょう。例えば制作会社がPhotoshopを使ってバナー画像を制作します。Creative Cloudデスクトップを使うとローカルPCに保存したファイルが自動的にCreative Cloudストレージにアップされます。さらにそのファイルは自動的にAdobe Experience ManagerのDAM領域に既に取り込まれているため、Webサイト制作者は即座にバナーをWebサイト上に配置し公開することが可能になるということです。もちろん、同期フォルダの指定やワークフローなどにより自動同期を制御することで、納品前の制作中画像が同期されてしまうといったことは防ぐことが可能です。

Adobe Experience ManagerとCreative Cloudを連携するには

では実際の連携設定を見てみましょう。Creative Cloudとの連携設定は非常に簡単です。連携に使用するAdobe IDを準備し、次の手順を実行します。

  1. Adobe Experience Managerのトップページよりツール⇒クラウドサービスをクリックします。(緑色のクラシック画面の場合は右側の一覧からクラウドサービス)
  2. Adobe Creative Cloudの「Configure now」をクリックします。
  3. 設定作成用のダイアログが表示されるので、任意のタイトルと名前を入力し「作成」をクリックします(名前欄は半角英数字である必要があります)。
  4. アカウント設定ダイアログが表示されるので、次の情報を入力します。
    • Adobe ID(Creative Cloud連携で使用するAdobe ID)
    • パスワード
    • 間隔(Adobe Experience ManagerからCreative Cloudに定期的に問い合わせる間隔を秒単位で設定)
    • 有効(すぐに有効にする場合はチェック)
  5. OKをクリックすると連携用アカウント設定が完了します。

setting-cc-1

次に、Creative Cloud上のフォルダとDAM上のフォルダのどこを同期するかを設定します。

  1. 作成したCreative Cloud設定ページにある、使用可能なマッピングの[+]リンクをクリックします。
  2. マッピング設定用のダイアログが表示されるので、次の情報を入力します。
    • タイトル
    • 説明
    • ターゲット(同期したいDAM上のパス)
    • 同期コレクション(同期したいCreative Cloud上のフォルダ)
    • 有効(すぐに有効にする場合はチェック)
  3. OKをクリックするとマッピング設定が作成されます。

setting-cc-2

以上で同期設定は完了です。設定した時間間隔で定期的に同期が行われ、Creative Cloudで追加されたファイルがAdobe Experience ManagerのDAMで使用可能となります。逆にDAM上に追加したファイルもCreative Cloud上に自動的にアップロードされます。


参考情報:

Integrating with Adobe Creative Cloud
http://dev.day.com/docs/en/cq/current/administering/integrating-with-adobe-creative-cloud.html

Creative Cloud デスクトップアプリケーションについて
http://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/kb/cq07032141.html


筆者:坂本 広志 アドビ システムズ株式会社 コンサルティングサービス部

大手外資系ソフトウェアベンダーにてSEとして、コンテンツ管理系を中心に大手企業に製品導入を推進。2012年よりAdobe Experience Managerのコンサルタントとして複数のプロジェクトで導入支援を行っている。

POSTED ON 2014.04.15