経済活動の再開に伴い、米国のEコマースの売上は鈍化傾向に #DigitalEconomyIndex 7月版レポート

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「上がるものは必ず下がる」とよく言いますが、Eコマースもその例外ではありません。

アドビがAdobe Analyticsを使用してEコマースの最新状況を追跡するデジタル指標、Digital Economy Index(DEI)(英語)の2020年7月版レポートによれば、同月のオンラインショッピングは663億ドルに達し、前年同月比で55%増となりました。前年同月比では大幅に増加してはいるものの、6月に記録した前年同月比76%増に比べてやや減少しています。アドビのマーケティングおよびカスタマーインサイト担当バイスプレジデントのジョン コープランド(John Copeland)は、これは想定内のことだと言います。

「6月と比較してEコマースの成長率が低下しているとはいえ、7月に入っても前年同月比55%と、非常に高い成長率が維持されていることに注目すべきです」とコープランドは続けます。「一般的に、新しく登場したデジタルチャネルが他より高い成長率を示すのは不思議なことではありません。しかし、Eコマース自体は新しいものではなく、またCOVID-19以前においてその成長率はずっと低いままでした。経済活動を再開している州があるにも関わらず、以前の水準より大幅に高い成長率で推移しているということは、私たちの生活が『以前の日常』に戻ることはないということを証明しています。Eコマースは、これまで以上に私たちの生活に組み込まれており、もはや後戻りすることはないのです。」

2020年のEコマース

DEIによると、3月以降、パンデミックの影響によるオンライン消費額は940億ドル増加していることがわかりました。2020年1月から7月までのオンライン消費額の総計は、4,345億ドルにのぼります。

現在の成長レベルが維持されれば、今年のオンライン支出は10月5日までに2019年全体のオンライン支出を上回る可能性があります。

さらに今回のDEIでは、米国のデジタル購買力(アドビが追跡調査を開始した2014年と比較して、消費者が所定の金額でどれだけの商品を購入できるかを示した指標)が、2020年7月には前年同期比で1%減少していることが分かりました。これは、2019年7月に1ドルの価値があった商品をオンライン購入するために、現在消費者は1.01ドル支払う必要があることを意味します。

経済活動を再開した州ではオンラインショッピングの増加幅が縮小

DEIの分析によると、すでに経済活動を再開した州では、7月のオンライン売上高の前年同月比増加率が8%減少していることが判明しました。

ロードアイランド州、ニューメキシコ州、オレゴン州、バーモント州はオンライン支出の前年比増加率が最も高く、カンザス州、ハワイ州、オクラホマ州、アイオワ州の前年比増加率が最も低くなっています。

「一般的に、7月に入ってから消費者は実店舗での買い物を許容するようになり、経済活動を再開した州でこの傾向がより顕著に認められます」とコープランドは指摘しています。

BOPISの上昇傾向は継続

オンラインで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)は、前年同期比で引き続き強い伸びを示しています。全米でCOVID-19の第2波とも言える症例数の増加がみられているなか、7月のBOPIS利用率は23.3%と、6月よりも微増しています。

この傾向は、アドビが米国の成人1,000人を対象に実施した別の調査でも裏付けられています。それによると、消費者の31%が、オンライン購入した商品を自宅に配送してもらうよりも、店舗または店舗前で受け取ることを好むと答えています。

学用品の購入が夏から春に前倒し

在宅勤務や通信教育の影響により、学用品のオンライン購入が4月、5月、6月に後押しされたこともわかりました。この期間は、例年なら米国の子どもたちが学年を終える時期であり、学用品の需要は発生しません。

「新学年の始まりに向けて、7月は確かにこの商品カテゴリーの成長が認められています。ただ、今年4月から6月にかけての成長に比べると大幅に低いものです」とコープランドは説明します。

学用品カテゴリーのオンライン購入の推移をみると、7月の前年同月比の成長率は4〜6月期よりも下がっていることが分かります。それでも30%増という数字は2019年7月の成長率(前年比3.89%増)を大幅に上回るものです。

アパレルは季節的なデフレ傾向に

2020年6月のDEIレポートによれば、アパレルカテゴリー全体のオンライン収益は前年同月比3.6%増であるものの、アパレルの価格は前月比4.6%減となっています。

「この顕著な価格の下落は、夏の終りのセールやCOVID-19による特定のアパレル製品の需要低下など、複数の要因が組み合わさったものと考えられます」とコープランドは語ります。

Adobe Digital Economy Index(DEI)レポート(英語)では、より詳細な分析を提供しています。

*本記事は、2020年8月11日にアドビのエンタープライズソートリーダーシップエグゼクティブエディターのジゼル アブラモビッチ(Giselle Abramovich)が投稿したブログの抄訳版です。

POSTED ON 2020.08.17