AIによってデジタルマーケティングを飛躍的に効率化させたNVIDIA

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NVIDIAのグラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)は、グラフィックスを多用したゲームから自動運転車、人工知能(AI)開発まで、あらゆるワークロードに必要なコンピューティング性能を提供していますが、AI分野でも業界を牽引しているNVIDIAは近年、同社の顧客に対するAIを活用したツールの活用を進めています。

この取り組みには、NVIDIAのマーケティング部門の活動も含まれています。同部門では、アドビの顧客体験管理(CXM)ソリューションを採用して、AIを使ったキャンペーン効果の評価や、顧客行動の予測を行っています。データ分析に基づくこのアプローチは、顧客体験の強化、オンラインでの効率性の向上、売上につながるマーケティングの実施により、ビジネスが常に状況の変化に対応できるようサポートします。

アドビが新しいAIサービス、Intelligent Servicesのベータ版を提供開始したとき、マーケティングニーズに応えるためにいち早く導入したのがNVIDIAのデータドリブンチームでした。それ以前からアドビとNVIDIAはAI分野での協業を進めていますが、本記事では、AIがNVIDIAの顧客体験の強化にどのように役立ったか、その初期の成果についてご説明します。

AIを活用したマーケティングアトリビューション

どんな企業のマーケティングチームにも共通している課題は、マーケティングチャネルやキャンペーンの効果を証明することです。それはここ数年、企業が電子メールマーケティングやwebサイトから、ソーシャルメディアや音声対応AIといった新しいチャネルまで、あらゆるものに投資を広げたことで、さらに困難になっています。

直近の例を挙げると、NVIDIAは、マーケティングがGPUの新製品ラインの販売に与えた影響について把握したいと考えていました。そこで同社のシステムは、「Attribution AI(アドビのIntelligent Servicesの一部)を使用して関連するすべてのデータセットに対して詳細な分析を行い、最も効果をあげたチャネル(ペイドメディアと電子メール)とキャンペーン(バンドルオファーと製品刷新)を特定しました。さらに、マーケティングの貢献による増分効果を明らかにし、その売上やコンバージョンを定量化できたのです。結果として、マーケティングと販売部門との結びつきを強化することができました。

Attribution AIはまた、購入やコンバージョンの直前の最終的なエンゲージメントポイントである「ラストタッチ」が過大評価されがちな、既存のアトリビューションモデルを脱する手助けにもなりました。従来のルールベースのモデルでは、カスタマージャーニーのさまざまなタッチポイントに、実態に則さない評価付けがなされ、結果として過小評価されたり過大評価されることが常でした。

NVIDIAのマーケティングチームは先日、イベント登録の促進に取り組みました。彼らは効果を最大化できるよう予算配分を最適化したいと考えていました。そこでAttribution AIを使ってみると、各チャネルでの投資対効果を追跡し、特定のキャンペーンをより深く分析することができました。その結果、特定のキーワードの組み合わせで検索広告を最適化することで、有料登録数を5倍に増加させることができたのです。

AIによる顧客行動の予測

競争の激しい今日のビジネス環境では、多くの企業にとって解約数を減らすことが新たな成長の原動力となっています。企業には、解約しそうな顧客を予測し、彼らに再度エンゲージして引き止めるための最適な方法を把握する能力が求められます。NVIDIAは、Customer AIを活用し、サービス利用を停止する可能性が高い顧客を正確に特定しました。利用セッション間の経過日数から利用頻度を含めてあらゆるデータを分析することによって、96%という驚異的な精度を達成したのです。AIは、特別に作成されたコンテンツやキャンペーンで、接するべき顧客のセグメントを特定することができたのです。

NVIDIAのデジタルマーケティングアナリストであるデレク サン(Derek Sun)氏は次のように述べています。「AIと機械学習はマーケティングの未来において大きな役割を担っています。なぜなら、企業は顧客を深く理解し、業務を効率化させたいと考えているからです。アドビのIntelligent Servicesは、柔軟かつ迅速に展開できる、成熟したデータサイエンスモデルを提供してくれるので、マーケティング投資の効率化を図りながら、コミュニティとの連携を深め、適切なコンテンツを適切な人に、適切なタイミングで配信することができます。」

NVIDIAの取り組みは、組織でAIと機械学習を活用し、顧客体験管理(CXM)におけるリーダーシップを発揮したいと考える、あらゆる業界の企業やマーケターにとって参考になる事例と言えます。同社は、データとAIによって、顧客エンゲージメントやマーケティング投資に関するすべての決定を、最もインパクトがあり、費用対効果の高いものとすることができました。その恩恵は、ゲーマー、アーティスト/デザイナー、研究者、データサイエンティスト、そしてあらゆる業界のイノベーターを含めて、NVIDIAがサービスを提供するすべてのコミュニティに及んでいます。

アドビのIntelligent Servicesやそのメリットについてはこちらからご覧ください。

※本記事は、2020年5月14日にAdobe Experience Platform担当グループプロダクトマーケティングマネージャーのモニカ レイ(Monica Lay)が投稿したブログの抄訳版です。

NVIDIAの国内における導入事例はこちらからご覧いただけます。

POSTED ON 2020.05.25