IBM Watson 使った顧客の個性・欲求・価値観を軸にした新しい顧客像分析手法と、デジタル マーケティングの変革の可能性

Experience Cloud 分析

去る 2017 年 9 月に開催された弊社イベントにて、 日本 IBM 社から、新しい DMP (Data Management Platform) 活用方法を発表いただきました。これは、IBM Watson® の APIである「Personality Insights」 を活用し、サイコ グラフィック データ (*) をもとにした、次世代マーケティングにも繋がる顧客像分析を利用したものです。

今日のマーケティング活動は、想定されるお客様像をもとにペルソナを作り、カスタマー ジャーニーを構築し、個々の生活者に理想の経路をたどってもらいながら、それぞれの顧客接点において適切なメッセージを配信していることが大半だと思います。
ただ、これは “過去の知見” に基づくものも含まれますが、基本的に “何かしらの行動データに基づいた結果から類推できる内容” がベースとなっていることが多いのではないでしょうか。
場合によっては、マーケターが持つ “過去の知見” も、これまでに、お客様が取った行動結果から得られているかと思います。

* サイコ グラフィック データ (Psychographics Data): 人の個性・価値観・欲求といった性格に紐付く心理学的データ

しかし、一方で 「お客様が取った行動の理由」にまで遡り、そこ に重きを置いたマーケティング活動は、これまでなかなか行われていませんでした。
個性、価値観、欲求といった情報から、そのお客様が 「なぜ、それを選んだのか」 を掘り下げることによって、よりお客様の琴線に触れるメッセージの作成や、適切なペルソナ作成ということに繋げられるようになれば、マーケティング活動自体も、よりクリエイティブなものになるでしょう。

マーケティングをさらにクリエイティブに

デジタルをマーケティングに活用することで、生活者との接点や分析能力は飛躍的に向上しました。お客様の属性や行動データなどからきめ細かく分類 (セグメンテーション) することで、「顧客→個客」とするためのマーケティング コミュニケーションを行っているのが今日のデジタル マーケティングです。
その中で DMP は様々なマーケティング活動に対応するために Web や広告を始めとしてお客様に関係した情報が格納されている中核とも言えるデータベースだと言えるでしょう。

一方で、企業はソーシャル メディア分析などで生活者をさらに深く理解し、マーケティング コミュニケーションに活用し始めておりますが、生活者の性格を分類 (セグメンテーション) し、それをマーケティング活動全体に活かすまでには至っていません。

今回ご紹介する 「Psychographics Segmentation DMP」 では、先のサイコグラフィック データをマーケティングに活用するため、Personality Insights を用いています。
分析された結果を弊社の DMP である 「Adobe Audience Manager」 に格納することで、従来の生活者の行動結果に基づく情報に加えて、その行動に導く要因となった心理学的データを組み合わせることで、よりマーケティングのクリエイティビティ向上に繋がると考えています。

DMP Diagram
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Psychographics Segmentation 利用の例

たとえば、マーケティングでアーリー アダプターやレイト マジョリティといったセグメンテーションする際にも、現在の情報では 「(何かしらの) 結果からアーリー アダプターに分類」というようになっていると思われます。
Personality Insights によって作られる分析データは様々な分野にまたがっており、マーケターはそれらを用いることで「こういう性格なので、この行動に至った。その結果として、アーリー アダプターと言える」 というように推測に頼っていた部分がデータによって可視化されることで、より確かな足がかりとして活用できるようになります。

具体的には、 「誠実性、注意深さ」 が高い傾向の生活者には、特徴を明確に表示して比較しやすい商品選択の画面を提示します。
また、 「知的好奇心、芸術的関心度」 が高い生活者には、美しい写真を表示して感性に訴えるようにします。生活者の性格に応じてきめ細やかに対応した Web の表示やコンテンツ提供を行うことにより、より良い顧客体験に比重を置いたマーケティング活動を行えるようになります。

ワトソン サン バースト チャート
(クリックで拡大表示)

Psychographics Segmentation DMP 概要

Watson ParametersPersonality Insights は生活者のソーシャル メディア上のつぶやきから性格分析を行い、94 種類の性格分析データ (後述) を抽出します。
抽出データは、0 ~ 1 までの範囲で、小数点以下 15 桁分を含むデータで表されます。

Psychographics Segmentation DMP は、それらの性格分析データと、自社で保有している従来から利用している地域や性別などの属性、購買履歴や Web 閲覧履歴などの行動データを Adobe Audience Manager に集約することで、最適かつ効果的なマーケティングを実施するための基盤として効果を発揮するようになります。

Personality Insights が出力する性格分析データ

以下のリンクは、出力される 94 種類の性格分析データの一覧です。
これらをマーケティング コミュニケーションのセグメンテーションに活用することはもちろん、サービス利用者のペルソナ作成などでも大きな効果を発揮すると考えています。

性格分析データ項目リスト (PDF)

従来の行動結果から得られる情報を元にしたマーケティング活動から、サイコ グラフィック データを活用して新しいマーケティングを行ってみませんか ?

*IBM、IBM ロゴおよび ibm.com は、世界の多くの国で登録された International Business Machines Corp. の商標です。

POSTED ON 2018.01.15