アドビ、NRF2019で小売店向けの新しい顧客体験管理イノベーションを発表

Experience Cloud

先日公開した石井さんのNRF2019のレポートにもある通り、リテール分野のデジタル化は目覚ましいものがあります。これまでShopabilityをどのように実現するのか、といったところが実地調査に基づくものだったところから、デジタルを通して店舗の世界を可視化し、さらには新たなコミュニケーションを生み出すところに進み始めています。

このような変化と今後の可能性を受けて、今回はAdobe Experience Cloudを活用し、小売店が実店舗とデジタル店舗の両方で顧客体験管理(CXM:Customer Experience Management)を駆使できるようにするためのイノベーションを紹介します。このイノベーションの多くは、アドビのAIおよび機械学習テクノロジーであるAdobe Senseiを活用し、CXMを自動化し、小売店がより賢く、迅速に働けるように手助けするものです。

1. コンバージョンとロイヤルティを向上させるインサイトを発見

小売店はウェブサイト、モバイルアプリ、スマートスピーカーなどから集めた膨大なデータに悪戦苦闘しています。大量のデータを分析し、インサイトを見つけ出すことは容易なことではありません。

Adobe AnalyticsはAdobe Senseiを利用しバーチャルアナリストとして高度な分析を簡単に実施できるような様々な機能を提供しています。これを利用することで小売店のデータを調査し、顧客体験を改善し、ビジネス強化のために何を優先して変更すべきか特定できるようになります。小売店が考えつかなかった課題への回答を見つけ、ユーザーのフィードバックを検討し、そこから得たインサイトから、さらにパーソナライズを可能にします。

また、モバイルアプリやスマートスピーカーなどそのコミュニケーションは必要な時にだけ呼び出され、そのインタラクション1回は非常に短くなってきています。これらもContext-Aware Sessions機能を利用することで、セッション時間を規定のものから変更し分析することが可能です。

2. モバイルコンバージョンのギャップを縮小

モバイルショッピングが急成長を続けていますが、小売店にとっては、コンバージョン率の低さや、チャネルを横断した魅力的なエクスペリエンスの構築と管理の複雑さが頭痛の種となっています。また、実店舗において購買のサポートとしてスマートフォンを利用する消費者も増えています。実際、2018年ホリデーシーズンには51.4%がスマートフォンからのモバイルショッピングに訪れていましたが、Adobe Analyticsによるとスマートフォンからの収入は31.0%にとどまりました。

この問題を解決するのが、Adobe Experience Cloudに含まれるMagento Commerce Cloud の新機能Progressive Web Applications(PWA)Studio(英語)です。小売店と開発者はアプリのように早くて楽しいエクスペリエンスが得られるオンライン店舗を構築し、コンバージョン率を上げるとともに、ショッピング体験の楽しさを伝えていくことが可能です。

PWAを利用する小売店は、わずかなコストでエンゲージメントを改善し、支払いを簡素化し、プッシュ通知を発行し、店舗訪問のトラフィックを増やし、ショッピング体験を向上させることができます。

3.広告のデザイン、パーソナライズおよび最適化が容易に

Adobe Advertising Cloud Creativeにて提供する新しいセルフサービス型プラットフォームを利用することで、小売店がデザイン、コピー、レイアウトなどを含めたディスプレイ広告の要素を全てオンラインでコントロール出来るようになります。

このプラットフォームには、Adobe Creative CloudとAdobe Analytics Cloudがネイティブで統合されているため、小売店は、潜在顧客のショッピング行動やロイヤルティプログラムのステータスなどに基づいた広告のパーソナライズが容易になります。

さらに、Adobe Senseiを活用した新機能を利用すれば、特定の販促やイベントに限定した検索広告キャンペーンの管理、最適化、報告も可能です。

4.写真ベースで製品を検索し、ソーシャルメディアの映像を活用

テレビや雑誌で見た服の写真を小売店のアプリにアップロードし、似たアイテムを見つけて購入できたら便利だと思いませんか。アドビの研究機関であるAdobe ResearchがAdobe Experience Managerへの統合を目指して検討中のプロジェクトは、まさにこれを実行し、業界で最も精度の高い写真ベースの検索を提供するものです。

Adobe Experience Manager内のAdobe Senseiが、写真ベースで似たものを検索できるようになりました。これによりあなたがテレビや雑誌で見た服の写真と似たものを、小売店の全在庫をオンラインで自動検索し、アイテムを見つけ出してくれます。

またアドビは、Adobe Experience ManagerのSmart Tagsを強化し、映像を扱えるようにしました。これにより小売店は、映像内の行動、特性、オブジェクトに関連付けたタグを使って簡単に映像を探せるようになり、小売店のブランドチャンネルのために何百もの関連クリップを1つずつ内容を確認したり、ソートしたりする必要がなくなりました。

5.オーディエンスごとにおすすめ製品をカスタマイズ

小売店はAdobe Target内の機能を利用してAdobe Senseiが自動的に最良のアルゴリズムを選び、同じキャンペーン内でオーディエンスセグメントごとにパーソナライズされたおすすめを提供することができます。たとえば家具店のアプリやウェブサイトでは、持ち家のある人にはリビングルーム用の新しい現代的な家具を、大学生には、安価で場所を取らないお奨め家具を自動的に表示します。

また、スマートスピーカーと連動させることで、顧客に合わせた応答をAdobe Targetを利用して組み立てていくことも可能です。また、iBeaconとの組み合わせにより、アプリやサイネージをパーソナライズしていくことも可能です。

6.電子メールに手軽にリストを追加

小売店がAdobe Campaign を利用すれば、コーディングをせずに、販促メールにパーソナライズされた製品リストを埋め込むことができます。小売店が出荷メールをカスタマイズする場合も、15アイテムを購入した顧客と2アイテムを購入した顧客に対して別々のリストを表示することが可能です。こうした機能を独自のクリエイティブな製品と結び付け、シンプルなデザインツールで人目を引き付ける電子メールをカスタマイズできるようにします。

7.データを結びつけ、リアルタイムで活用

買い物客のインタラクションと自身のオペレーションについての全体像を把握するのは、小売店にとって容易ではありません。アドビとMicrosoftのCXMおよび販売機能を結びつけ、さらにアドビ、マイクロソフト、SAPによるOpen Data Initiative(英語)を組み合わせれば、オンラインとオフラインの両方でリアルタイムのパーソナライズされた小売りエクスペリエンスを作ることが可能になります。

繰り返しとなりますが、デジタル化の進歩により、リテールはデジタルを通して新たな体験を提供できるようになってきました。また、実店舗での併用利用、そして実店舗の延長としてのアプリでの購買体験などリテールにおいてデジタルは切っても切り離せない重要なものとなっています。

リテールとして抜きん出た存在になるために必要なことは何でしょうか。その答えは、「体験(エクスペリエンス)」の一言に集約されます。競争力を保ち、買い物客のロイヤルティを強化するには、優れた顧客体験管理(CXM)が欠かせません。アドビはリテールのデジタルに関してもサポートしており、米国のオンライン小売店上位100店のうち80店がAdobe Experience Cloudを利用しており、日本においても非常に多くのリテールのお客様にご利用いただいています。

本日ご紹介した以外にも、サイネージ、店舗トラッキングとの連動などAdobe Experience Cloudは様々なポイントで連携し、デジタルを通した体験を良くしていくことが可能です。ぜひ、一度、どのようなことが実現できるかお問い合わせいただければと思います。

アドビ システムズ 株式会社 グローバル サービス統括本部 プロダクトエバンジェリスト 兼 シニアコンサルタント 安西 敬介


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POSTED ON 2019.02.15